カナダに来ています。
目的の主はAJSG(日本バックカントリースキーガイド協会)有志による氷河研修に参加する為です。場所はロジャースパス周辺で行なわれました。
ロジャースパスはグレイシャー国立公園内にあり、セルカーク山脈を越える峠。グレイシャー国立公園の10分の1は氷河が占めていて、氷河の数は400以上に上るそうです。また、セルカーク山脈はカナダの中でも雪深いところで有名です。大陸横断鉄道を建設するため、1882年にA.B.ロジャースさんがこの山脈を横断することに成功し、その4年後に無事鉄道は開通しました。そのルートはロジャースさんの功績をたたえロジャースパスと呼ばれるようになりました。
しかしそこは急峻な山々に囲まれたルート。冬期はアバランチパス(雪崩道)を通過するため雪崩は極めてありふれた出来事です。そして1910年、ロジャースパスでカナダ史上最悪の雪崩事故が起ここってしまいます。(日本人32名を含む58名の犠牲者)
この事故をきっかけに現在では世界一、最先端の雪崩対策が施され、雪崩に対する意識を高める教育が行なわれています。現在のカナダ雪崩協会(CAA)発足につながっており、いわばその発祥の地がロジャースパスなのです。
私も会員である日本雪崩ネットワーク(JAN)とカナダ雪崩協会(CAA)は今年で提携が12年目になり、国際的なパートナーシップが続いています。
色々と前置きが長くなりましたが今回は氷河地形での行動と雪崩の事、またカナダ山岳ガイド協会(ACMG)のスタンダード使用しながらを学んできました。
Asulkan Glacier
気温はなんと、最高気温マイナス20℃、最低気温マイナス26℃なんていう日も!
さらに風の影響がありますから(風速1m=体感温度は1℃下がります)体感はマイナス30℃以下…。わたしはこの研修中、厚手のウールのアンダーウェアにフリース+インサレーションダウン+ハードシェルにプラスしてビレイジャケットを着たりしていました。
井坂ガイドのコラムにもありますが、雪山での衣服のレイヤリングは本当に大切です。
樹林帯でもマイナス20℃以下。グローブ、ギア、行動など低温に関しての対策が必要になります。
山中に5日間いましたが、その間に車に放置されたバナナは釘を打てる硬さに…。
毎日、出発前にamミーティング、下山後はpmミーティング。地形や行動したエリアの雪の状態を情報共有し、今後どのようになるかを予想します。
1月に開催の好日山荘ミニアバランチナイトでは、今回の話も交えてさせていただきたいと思います。
https://www.kojitusanso.jp/event/1701avalanche/