好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

熱疲労にご注意を

猛暑日が続き、熱中症と見られる症状で救急搬送される方が何人いたなどと、報道されていますね。

標高の高い場所は平地に比べ気温が低く、夏の季節は山は涼しいです。

しかしながら登山というスポーツは熱疲労を起こしやすく、野球に次いで熱中症の発生件数が多いようです。その為この季節の登山熱中症、熱疲労へのマネジメントは必須。

予防する為には、その要因を理解しておく必要があります。

今回は水分やミネラル分の補給については当たり前にするのものとしてそれ以外の留意点について書かせていただきます。

 

【環境】

・森林限界を超えた稜線では日差しを遮るものがなくなり、強い直射日光にさらされる。

 →日射への対策、斜面の向きを考えるなど

・「山地帯」「亜高山帯」「高山帯」の標高帯、「尾根」や「谷」など

 →地形の違い等により湿度や風の影響などが違う。

 

【人間の行動】
・登山は長時間の有酸素運動。当然ですが、動き続ければ体温が上昇します。

・荷物を背負えば負荷が伴う

・山=登りがある為に、行動負荷が常にかかる。

 →暑い日はペースを落とし負荷を少なくすると良い。

 

  ご参考になればと思います

 

低山でも高山でも。

酷暑の夏ですね。低山を歩くには相当の覚悟と準備が必要です。

市街地と瀬戸内に厳島。ナイトハイクも歩行時間短く、休憩時間長めで暑さを回避。

久しぶりの高山は涼しく快適でした。高所では逸る気持ちを抑えて歩き始めはゆっくりと。

気温10度以下、風速10m/s以上。雨が降れば中止でしたが、幸い降られませんでした。稜線でこの環境は動き続けないと寒さにやられます。動力となるエネルギー補給が肝です。天気には恵まれませんでしたが、15年ぶりの縦走路で自身の体力低下を確認できました。

下山後の温泉は、暑さと熱さでクールダウンにならないのでササッっと終わらせます。

山でも街でも不安定な天候が続いています。夏山シーズン真っ盛り、低山高山に関係なく事故ニュースが多いように思います。低山であれ高山であれ、体力・技術・装備不足など同じような原因で事故は起きています。しっかり準備を整えた計画で登山を楽しんでください。

2022年の高山

7月後半から8月に入り、ガイドで槍・穂高や劔・立山に入るようになったので個人的に感じる今年の山の雰囲気をお伝えいたしますね。

2400mを超える標高帯はそれほど暑くないです。

もちろん日差しは強いですが、7月後半でもお盆過ぎのような秋の空気感でした。

日中は日射があれば暑く感じますが、日射がないと肌寒いかと思います。

先日の西穂〜奥穂縦走時には気温10度程度で風が10m程度あった為に

体感は0度近く。動き続けていないと身体が冷え切ってしまう為、パーティーの力量から途中で縦走を断念しました。寒かったですが、下山したら下界は30度越えの真夏日!

例年、お盆すぎからは低体温のリスクも考えなければいけません。

高山と都市部との違い、レイヤリング、生活技術も考えて行動してみてくださいね〜

・過去ブログも参考にしてみてください

guide-column.hatenablog.com

お盆も山を楽しみましょう!

 

 

 

ツェルトで夏山悦楽。

不安定な天気が続いていますね。ちょうど良いタイミングでのツェルト泊となりました。

講座で計画的なツェルトビバーク体験。時間を掛けてしっかりと設営します。事前に練習ができていたので、みなさんキレイに張っていただけました。アライとファイントラック。少し性能に差があるので私は非常用に黄色、宿泊用は橙色で使い分けています。

夕食後にサンセット登山。雲が抜けたのでダッシュで山頂へ。夕陽は間に合わず、夕焼けを快楽。

下山して就寝。みなさん初めてのツェルト泊。さて眠れるでしょうか…

翌朝サンライズ登山で再び山頂へ。ご来光は雲の中でしたが、西の空に虹。

夜は20℃くらいの快適温度でした。初めてなので緊張もあったのでしょう、みなさんあまり眠れなかったようです。でも1回経験すれば、次から色々対応できるようになります。経験は大事です。

出発前に荷物を計量しました。最重量16㎏、最軽量11㎏、5㎏も差がありました。準備も大事です。

大雨に当たることもなく無事下山できました。天気は誰にもコントロールできませんが、経験も準備も自分次第です。環境に合わせた装備と計画で夏山を楽しみましょう。

山々青々。

良い天気が続いています。若葉も青々と茂ってきました。

山の生き物たちも目に付くようになりました。顔の周りをメマトイが元気に飛び回り、足元ではトカゲやヘビに驚かされます。お邪魔している事を忘れずに、先住者に敬意を払いましょう。

昨年は梅雨入りが早くて苦労した5月でしたが、今年は平年通りに登山日和の続く快適な5月でした。この時期は体を暑さに慣らしながら夏山に向けて、しっかり歩いて体力・技術を身に付けるのに大切です。

5月恒例の低山縦走は、足並みが揃ったメンバーでした。初めて予定時間で終了!疲労は、距離ではなく時間に比例することが実証された講座でした。

こちらは低山で岩稜歩きの講習。こちらも雨が降る前に、やっておきたいですね。

背中は瀬戸内のロケーション。山も空も海も青々していました。

色々と行動制限が緩和されていますが、山や自然の厳しさに変わりはありません。山に向かう気持ちまで緩和されないように、しっかりと歩いて、背負って、装備を揃えて山に向う準備をして下さい。

高山はまだまだ雪山

お久しぶりです。雪山のガイドも終盤となってきましたが高山はまだまだ残雪が豊富です。

(※写真は2022年5月10日の立山(別山から雄山方面の様子)

むしろ残雪は密度を増し、硬度が高くなりますので雪に対応した靴(マウンテンブーツ、3シーズン+ライトウィンター)&10~12本爪の登山メーカーのアイゼン(最近、プラスチックの爪の短い微妙な物を山で使っている方が多数です・・・)傾斜の無い山ならそれでも対応できるかもしれませんが急斜面では対応出来ません。

 

私は怪我をしたくないし、命が惜しいので道具や技術取得にはお金と時間をかけます。このブログを見ている方は雪が残る時期に間違っても千畳敷から木曽駒を目指す際に夏靴やトレッキングポールだけで行く事が無いように願いたいですね。

 

この季節は天候もマイルドになり雪を沢山の方が楽しめる季節です。

安全に留意して楽しんでくださいね〜