好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

剱岳 小窓尾根

ゴールデンウィーク後半は
これまで剱岳のバリエーションルートや
クライミング 歩荷トレーニングを
重ねてきたゲストと剱岳小窓尾根へ
なんと76歳ですが全然元気なんです
f:id:shimadaguide:20190514102740j:plain
↑渡渉三回のうち一回はチロリアンで
f:id:shimadaguide:20190514102933j:plain
↑ぐんぐん高度を稼いでニードルやドームを越えて
f:id:shimadaguide:20190514103010j:plain
↑今宵はマッチ箱上部でテント泊
f:id:shimadaguide:20190514103130j:plain
↑北方稜線まできました 剱が美しい
f:id:shimadaguide:20190514103211j:plain
↑厳しい小窓王のトラバースから池ノ谷ガリーへ
 ふくらはぎパンパンの厳しい登りです
f:id:shimadaguide:20190514103326j:plain
↑感動の頂上 やりました
f:id:shimadaguide:20190514103418j:plain
↑早月で夕焼け朝焼けを楽しんで下山

ガイド冥利につきるバリエーションガイド
たいへん疲れました(笑)

島田ガイド事務所
https://www.naturalstyle-guide.com

残雪期の登山と雷鳥達

f:id:asahiryuta:20190512201304j:plain

4月中旬立山別山付近にてたそがれるオス。尾根上で雪が消え始めハイマツが露出し始める時期、雷鳥がアルパインエリアに戻って来ます。登山においては残雪期の始まり。雷鳥達においてはオスどうしのなわばり争いがはじまります。オスはなわばりを確保するとそれを守るため、凛としたポーズで眺めのよい木や岩の上でにいますね。

f:id:asahiryuta:20190512202320j:plain

4月中旬立山みくりが池付近にいたメス?

f:id:asahiryuta:20190512203125j:plain

 4月中旬立山雷鳥荘付近にて求愛中?

f:id:asahiryuta:20190512202653j:plain

4月下旬立山国見岳付近にて。クライアントと雷鳥。と後方に沢のボトムを歩く人達。(あまり良いルート選択ではありません。)

f:id:asahiryuta:20190512202832j:plain

↑その近くにいた雷鳥。(保護管理用の足輪がついています)

f:id:asahiryuta:20190512202953j:plain

立山劔御前付近。立山の雷鳥は人を敵と思っていない?

f:id:asahiryuta:20190512203244j:plain

4月下旬、南アルプス仙丈ヶ岳で雷鳥ペアと遭遇。立山のように人慣れしておらずパーソナルスペースが広い。

f:id:asahiryuta:20190512203747j:plain

5月上旬、北アルプス大喰岳の大喰沢中腹にいたオス雷鳥。こちらもパーソナルスペースは広い。

f:id:asahiryuta:20190512203940j:plain

5月12日立山みくりが池付近にいた雷鳥ペア。求愛シーズンもひと段落して最近はカップルが目立つようになってきました。オスは周囲を見渡しピシッとメスを守る。

f:id:asahiryuta:20190512204145j:plain

4月上旬は真っ白だった雷鳥も5月に入り毛が生え変わってきましたね。

f:id:asahiryuta:20190512204250j:plain

融雪が進みハイマツ帯が出てきましたので雷鳥が増えてきました。この日は狙ってもいないのに10羽くらい目撃。こちらもペア。立山大走り尾根付近。

f:id:asahiryuta:20190512205347j:plain

空飛ぶ雷鳥。未だに雷鳥は飛べない鳥と思っている人いますが雷鳥は飛びます!

f:id:asahiryuta:20190517090859j:plain

私の横を通過〜!

雷鳥を見つけるポイント

①周りをよく見て歩く。※一番大切。足元ばかり見ていては近くにいる雷鳥も見つけられません。近くも大切ですが自分が何処を歩き、周囲の情報を認知する事は大切です。

②立山山域に行く。※やっぱり立山室堂周辺は雷鳥が多い!

③耳をすます。※この時期、オス雷鳥はナワバリ争いでけっこう鳴いてます。周辺の変化や音をいつも気にしていると雷鳥を見つけられますよ。

 

 

九州発 実技講座「読図をしながら貫山へ」レポート

ゴールデンウイークも後半となりました。

5/3(金・祝)快晴の中、地図とコンパスを使いながら「平尾台 貫山」へ。

f:id:kawano1430:20190504163123j:plain

 平尾台は日本三大カルストの一つ(他は、山口県秋吉台、四国カルスト)。
石灰岩が点在し「羊群原」と言われる景観は見事です。

 参加頂いた8名の方はほとんどが読図も貫山登山も初挑戦!

出発地点で地図の基本を頭に入れて出発です。
目印になるところで確認しながら進みました。
景色がどんどん変わって行くのもいいですね。

f:id:kawano1430:20190504163440j:plain

名物キス岩に立ち寄ります。

ルートがたくさんあり、いろいろなところに人が歩いています。
山頂は、やはりたくさんの人で賑わっていました。

f:id:kawano1430:20190504163522j:plain

景色がとても良かったですね。

f:id:kawano1430:20190504163546j:plain

三角点はこんなところに!

f:id:kawano1430:20190504163605j:plain

オキナグサの群生地

 

f:id:kawano1430:20190504163656j:plain

最後に理解できたかまた練習。

繰り返しの練習が必要ですね。

また、地図とコンパスを持って山へお出かけください。

平尾台は、日陰があまりなく暑かったですが、

雲が太陽を隠してくれたり、風が吹くと気持ちよかったです。

 登山レポートはこちら>>>

ご参加ありがとうございました。
またのご参加お待ちしております。

 

★九州での実技講座

九重山(黒岩山~泉水山縦走)で読図に挑戦!>>>

博多発着!久住山へ行こう!>>>

 

 

予想。

ツェルトに泊まったことありますか?

平成最後の朝はツェルトの中で迎えました。過去に経験したツェルト泊の中でもなかなか悲惨でした。こんな経験がスキルアップになるんですよね。f:id:yoshida1487:20190501105612j:plain

ツェルトは簡易テントです。危急時用にとお持ちの方も多いと思います。張り方、使い方を知っていても、実際に泊まったことがある方は少ないのではないでしょうか。

 ※ツェルトの選び方は田中ガイドのコラムが詳しいのでご参照ください。

という事で、登山学校企画でツェルト泊に行ってきました。土砂降りの雨とビショビショの落ち葉の上がこの日のステージでした。f:id:yoshida1487:20190501121018j:plain

計画的なビバーク体験なので、寝袋、マット、防寒着、食糧など万全な準備をして参加いただきましたが、雨の一夜を過ごすのは厳しい体験だったようです。初めてだと、シーンを想像はできても予想はできないんです。

気温5℃。雨。濡れた衣服。ツェルトを弾く雨音。内部は結露の滴がポタポタ。シートには水溜。普通はなかなか眠れません。寝入ってる人もいましたが‥

日帰り登山で予期せぬ事態が起き、余儀なく山の中で一晩過ごさなければならなくなったら、いつまで耐えることができるでしょうか? 

 山は経験しないと分からない事がたくさんあります。経験すると予想できるようになります。その積み重ねが、より的確な判断へと繋がります。同じことを繰り返したり、人に任せてばかりの経験では不安です。限界は想像より手前にあり、予想より向こうにあるものです。

辛い夜を耐えて、平成最後のご来光登山に出掛けましたが、山頂は厚い雲に覆われて、残念。f:id:yoshida1487:20190501180915j:plain

これだけ天気が悪いとちょっと凹んだりもしますが、自然の中では計画通りに事が運ぶことなんかない!と考えたほうが健全です。 季節の変わり目は天気も不安定です。皆さんも無理のない計画で登山を楽しんでください。

平成最後の雪山は乗鞍岳へ

今日から令和が始まりましたね。「平成最後の・・・」を使ってみたくてタイトルをこのようにしました。

 

最後の雪山はバックカントリースキー・スノーボードで乗鞍岳へ登ってきました。夏は「もっとも簡単な3000m峰」と呼ばれることもありますが、高原バス運行前は1000m以上の標高差を登り・降りしないといけないのでなかなか手ごわい山になります。

 

f:id:saruatsushi:20190501084337j:plain

北アルプスの絶景 他に白山、御嶽も綺麗に見えました。

 

f:id:saruatsushi:20190501084506j:plain

登り始めて4時間半 山頂直下最後の登りでヒーヒー言ってる仲間。

 

f:id:saruatsushi:20190501084426j:plain

誰もいない谷を貸切して大満足の絵

 

と、楽しい写真ばかり並べてみましたが、実際はかなり風が強く、一般ルート(肩の小屋経由)から尾根を長く歩くのはやめ、風下側の直登ルートを選択して登りました。

 

30日の旭ガイドの記事にも書かれていましたが、天気予報と実際の天候の違いをしっかりと見極めて無理をしないことが重要です。5月に入っても、アルパインエリアでは厳冬期と変わらない悪天候になる可能性は十分あります。また、町の天気予報と山中は全く天気が異なります。私の住む白馬村も「白馬村」の天気予報と「白馬岳(を含む後立山連峰)」の天気は全く違います。天気を読むのが苦手なかたは山専門の天気予報(やまてん等)を参考に山中の天気予報もしっかりと確認ください。

 

新年号初日に厳しいことを言ってしまうのは憚られますが、この時期は特に登山スケジュールが甘い方、装備が不十分の方が多く見受けられます。毎年、白馬では4月25日~30日間に同じような場所・状況の遭難がおこります。残念ながら今年も起こっています。今日からゴールデンウイーク後半が始まりますが、アルパインエリアに立ち入るような登山を予定されている方は、もう一度、天気、スケジュール、装備、そしてご自身と同行者の体力、技術を見直して、十分に安全を確保できる状態を保ってお出かけください。

白馬周辺の登山にお出かけの方は、お時間があれば白馬店に寄って頂ければ、登山情報をお伝えできますよ。

 

令和も安全に楽しく登山を楽しみましょう。私も初心に帰り、安全第一で皆様をご案内できるように一層努力してまいります。

2019GW

f:id:asahiryuta:20190430104416j:plain

2019年のゴールデンウィークが始まりましたね。長い方で10日間と今年はまとまった大型連休。このガイドブログを読まれている方もこのタイミングで山に行かれる方も多いでしょう。私のGW前半はバックカントリーガイドで御嶽山と仙丈ヶ岳へ。

※写真は小仙丈からの富士山や北岳ー間ノ岳。

f:id:asahiryuta:20190430134750j:plain

27日は木曽駒ヶ岳周辺でのガイドを予定していたのですが、冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込んでいましたので『低温』、それに『降雪』。だけでなく『強い風』を考慮して地形的にガイドツアーが出来そうな御嶽山に変更。

f:id:asahiryuta:20190430134745j:plain
風下となる斜面方位からアクセスしましたが、予報よりも強い風。森林限界をベースに少しだけアルパインエリアに足を伸ばして行動しました。厳冬期と同じようなウェアのレイヤリングで。山麓は木々の花々が咲いてましたが山は寒かった〜。

f:id:asahiryuta:20190430135215j:plain

 28日の仙丈ヶ岳。快晴の予報でしたが、高層の雲が増えてハロと環水平アークが見えた1日。登山日和でした。(※写真の小仙丈カールを滑走したりしました。)

f:id:asahiryuta:20190430144600j:plain

29日は事前の予報では日中は比較的良く、夜頃崩れるという予報でしたが、現場では徐々に霧に覆われて下り坂のお天気。予報より推移が早そうでしたのでピークまで行かず、藪沢を滑走し、林道を歩き歌宿まで帰りました。※写真は赤石山脈では珍しい?雷鳥カップル。

f:id:asahiryuta:20190430143300p:plain

※気象庁HPより引用

4/30は標高の高いアルパインエリアでもまとまった雨や降雪の予報。横尾から涸沢までの区間でも雪崩リスクは高まりますし、この時期、衣服や身体が濡れてしまうのはかなり嫌な事。1日のスッキリしない天気、2日の冬型気圧配置と寒気の入りを考え、予定していた奥穂高岳へのガイドは中止にしました。GW後半の天気予報は晴れマークが続き天候は良いみたいですね。天候が良いという事は気象条件的には優しくはなりますが、山の難易度が下がる訳ではないです。最低気温を見ると今日より連休後半の方が低い。想像出来るあたり前の事なのですが、アルパインエリアに関して言えば積雪表面は一旦融解し、再凍結しているという事。日射影響のある斜面の積雪表面は日中緩むかもしれませんが、影響の無い斜面はカチコチのまま。そして日射で融解した斜面も朝晩は冷え込みで再凍結。装備は積雪に対応した物になります。

下記↓参考に

guide-column.hatenablog.com

 

f:id:asahiryuta:20190430144802j:plain

仙丈ヶ岳やGW前に1週間ほど滞在していた立山でも雄山に登るのにトレッキングシューズやチェーンスパイクという方を多数見かけました。3000m峰に雪山対応でない靴で、さらにアイゼン、ピッケル無し???風、日射など一瞬で雪面は変わります。私にはそんな装備では恐ろしくて絶対無理!!!

 想像力を働かせて、ありうるハザード(危険要因)を考えそれをマネジメントしてリスクを減らす。実際に現場に入ると事前に想像した事と状況は違います。現場では当然ですが対応する力が必要ですし、それらハザードを認知してさらにマネジメントする力が必要です。※認知できないリスクはマネジメント出来ません。

この時期のアルパインエリアは気象条件が優しくなり行ける機会は増えますが、技術的に優しくなる訳でもないし、装備もイージーな物になる訳ではなく、基本装備は厳冬期と同じです。楽しい登山ですがメリハリは大切です。どうかご安全にGWの登山を。私も心してGW後半の登山を行います。

 

おとな女子 ウイーク!!

先週末は土日連続でおとな女子登山部のガイド。

 

登山学校加藤校長から「田中さんはいつも女子と一緒に遊んでるなー」ってまた言われそうだな~~(笑)

羨ましいっていろんな方に良く言われますが、スタッフも含めて参加者全員女性の中に一人だけ男性って結構恥ずかしいものです・・・。

 

土曜日は「お花見ハイキングin棒ノ折山」初めて登りましたが、ハイキングパートは少なめで、岩場あり、沢登あり、急登ありとなかなか変化にとんだ素敵な山でした。

f:id:saruatsushi:20190426120655j:plain

ゴルジュ!!

 

桜は中腹が見ごろ、山頂は20日の時点ではつぼみでしたので、ゴールデンウイーク中もまだ楽しめるかもしれませんね!!

 

登山道の様子はおとな女子登山部 くみんちゅのブログを

ブログは こちら

 

f:id:saruatsushi:20190426120538j:plain

山頂写真 女性ばかりの華やかな写真のはずが、なぜか真ん中におっさんが・・・。

 

そして翌日21日は神奈川の大野山にて「山ヨガツアー」

募集開始からあっという間に満席!! 大人気のイベントです。

 

当日、まさかの東海道線の遅延、運転見合わせが相次ぎ、多くの方が泣く泣く不参加に・・・。「何とか行きたいんですが、電車が・・・」と悲しいお声を聴くのが辛かったです。次回は是非!!

 

当日の様子は おとな女子登山部 ニコのブログで


私、田中のヨガ写真もありますが、どう見ても「おっさんが準備運動してる絵」なのでスルーしてやって下さい。

参加して感じたことは「ヨガの動き、呼吸は登山(スポーツ全般)に間違いなく活かせる」ということです。特に呼吸のしかた、タイミングを意識して行う事は、登山でも同じです。同じ体力でも、息が上がってしまう人、楽に歩ける人、この差は呼吸法にあるのかもしれません。興味ある方は是非山ヨガへ!!

 

おとな女子登山部では中部、関西地方でも開催されます。

お薦めです!! 

meeting.hatenablog.com