好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

神話の山で。

久しぶりに天候に恵まれました。

今回の実技講座は広島県庄原市・比婆山。伊邪那美命(イザナミノミコト)の御陵があると古事記に記されている神話の山です。御陵(雪に埋まってます)。f:id:yoshida1487:20180226141708j:plain

今回は「雪山での地図読み講座」。雪山でのルートファインティングはとっても大事。

登山道が隠れてる→進む方向が分からない→自分のいる場所がわからない→遭難してます。f:id:yoshida1487:20180226141823j:plain

地形図を見ながら、目の前の景色、尾根や谷、植生を観察したりしながら、現在地を確認して進みます。コンパスが使えると楽しくなってきます。

もっと大事なのは、事前の準備。地形図に磁北線を引いたり、ルートを記したり、ナビゲーション表を作ったり、ウェイポイント、進行角度を書き込んだりと…f:id:yoshida1487:20180226142247j:plainGPSは便利ですが、最初から使っちゃうと、地形図を読む力にはなりません。天気が良い日は練習と思って、地図とコンパスを積極的に使ってみることをお薦めします。

烏帽子山(1225m)の山頂からは伯耆大山が見えました。f:id:yoshida1487:20180226143154j:plain直線距離で55㎞先の大山を加藤ガイドが登っていましたが、見えませんでした。同じ空の下、快適な登山だったようです。加藤ガイドの伯耆大山レポートはこちら<<

温かくなってきましたが、山には雪がたくさん残っています。中国山地は、これから雪が締まってくるので、アイゼン・ピッケルが活躍しそうです。

地図読みの机上講座あります。>>>好日山荘登山学校 机上講座

しっかり学んでから山に出掛けましょう!

2/17~18 登山学校八ヶ岳阿弥陀岳~御小屋尾根

猛烈な寒波が襲った2月17日~18日に登山学校で八ヶ岳に行って来ました。

 

予定していたルートは赤岳~阿弥陀岳に登り、さらに御小屋尾根を下降する縦走プランだったのですが、18日は低温と強風の為、比較的風の影響の少ない中岳沢から阿弥陀岳に登り、御小屋尾根を下降しました。

朝、行者小屋から阿弥陀岳を望む。天気は良いですが雪煙が舞っています。f:id:isakamichihiko:20180222115245j:plain

 

中岳沢を登ります。最後は急登でしんどくなってきます。
左奥に硫黄岳、中央奥には大同心、小同心、横岳。f:id:isakamichihiko:20180222115415j:plain

 

中岳のコル到着。ココの雪庇の発達は年によって違いますがトリッキーな形状になることが多いです。風は主に画像左側から吹くのですが、コル付近では雪庇は画像左側に発達します。視界が悪い時や赤岳側からくる場合は慎重に行動したいですね。f:id:isakamichihiko:20180222115553j:plain

 

白い雪と青空のコントラストがきれいです。山下ガイドのマムートのジャケットがその中に映えてカッコイイ!!f:id:isakamichihiko:20180222115836j:plain

 

しばらく上ると富士山が見えてきました。やっぱり富士山の秀麗さは格別ですね。f:id:isakamichihiko:20180222115953j:plain

 

阿弥陀岳山頂到着!このころには冬型がだいぶ緩んだのか風が少し収まってきました。でも寒い!f:id:isakamichihiko:20180222120053j:plain

 

普段あまりゴーグルをしない私ですが、この日はさすがにフル装備でした。ゴーグルにも善し悪しがあります。最低でもレンズが二重になっているモデルが良いです。ファンや電熱線が付いているモデルもあります。バッテリーの問題もありますが、曇りを確実に予防するためには有効です。
また、バラクラバもあまり分厚い生地のものを着用すると、息がこもってゴーグルの曇の原因となってしまうため、通気性の良いものがオススメです。できれば鼻や口の部分が立体的に裁断されている方が曇りにくく、快適です。f:id:isakamichihiko:20180222120205j:plain

 

ロープを組ませて頂いたお客様。おめでとうございます!
後に見えている赤岳はまた来年チャレンジしましょう。f:id:isakamichihiko:20180222120724j:plain

 

あとは長い御小屋尾根をひたすら下降していきます。
カモシカの足跡がやたらと多いなあと思いながら歩いていたらいきなり目の前に本人登場!!静かすぎていつも直前に気づくのでびっくりします。
突然現れた人間にも驚くことなく微動だにしないその佇まいはまさにシ◯神さま。
しばらく見つめ合って記念撮影をさせて頂いた後、森の中へ消えていきました。極寒の冬山で生きていく逞しさには感心します。f:id:isakamichihiko:20180222120947j:plain

 

惜しくも赤岳の登頂はできませんでしたが、厳しいコンディションの中での登山からは学ぶことも多いです。街では暖かくなってくるこの時期でも山はまだまだ厳冬期並みの寒さになることが多いです。しっかり備えて冬山にチャレンジしましょう。

 

コチラも是非ご参加ください。

3/18(日)西穂高岳・丸山で雪山登山と雪上訓練http://www.kojitusanso.jp/school/practical/detail/?p=1133

 

 

登山学校実技講座 雪山 那須岳

LALAガーデンつくば店&宇都宮パルコ店 合同企画 那須岳雪山講座

 

毎年2月に開催している那須岳での雪山講座。今年も多くの方にご参加いただきました。当日は実技講座を担当してから初めての快晴!! 

真面目に勉強する講座ですが、晴れると山は気持ちいいですね。

 

前日は一人でさみしく那須岳に登ってきましたが、講座当日はお客様、ガイド、店舗スタッフ合わせて総勢23人!! 賑やかに楽しくスタート。

 

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まずは大丸からアイゼンをあえて使わずに歩く。

 

熱中しすぎて写真が無いですが、講座会場となる峠の茶屋までの間は登山道・林道を外れラッセルしながらの登山。ルート取り、歩きやすい場所、埋まる場所の見極め、2人目以降が歩きやすいような足跡のつけ方、楽に歩く方法等、同じ雪質・量でも人によって楽かしんどいかは大きく変わりますね。

 

皆さん「ラッセルは楽しい!!」「いい汗かいた!!」とご機嫌でいましたが・・・

 

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下瀬ガイドより 「汗をかきすぎるのは冬山では命取りになる」と厳しい一言にみなさん笑顔が消える。笑 

レイヤリング、着脱、ベンチレーション、歩くペース等 工夫してできる限り楽に汗をかかずに歩くことは大切ですね。

 

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朝日岳と眼下に那須を眺められる絶好の斜面で講習。歩き方、アイゼン歩行、ピッケルとの連動と地味ですが大切な講習。皆さん超真剣。

 

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いつもはあまりやりませんが、皆さんの希望もありグリセードと滑落停止訓練

「滑落したら簡単には止まらない」という事がわかって頂いたことに意味がありました。滑落して止める技術より、滑落しないための基本技術の大切さに気が付いて頂け他事が嬉しい。習得は反復練習あるのみ。

 

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集合写真。 充実の表情。 今年も内容の濃い一日となりました。

 

ご参加ありがとうございました。

 

今後の雪山企画のご案内です。

 

2月24日日帰り:白馬開催 雪山ルートファインディング(田中同行)

 3月3日日帰り:軽アイゼンで雪山を楽しもう金時山(町田店企画)

3月3日日帰り:赤城山(黒檜山)雪山ギアの使い方と歩行技術(田中同行)

3月17日~19日:雪の百名山焼岳と上高地スノーシュートレッキング(加藤校長同行)

3月24日~25日:北アルプス唐松岳(加藤校長同行)

 

その他登山学校のご案内

 

雪山は素晴らしい場所ですがリスクも高くなります。是非、登山学校で学んで、安全に登山を楽しみましょう。ご参加お待ちしております。

アイス三昧&告知

ここ最近はアイスクライミングのガイドばかりでした。
凍った滝は、年ごと、日ごとに状態が変わるので変化があって楽しいです。

実は私、クライミングを始めた当初は、アックスとアイゼンを乱暴に氷に打ち込みながら登るアイスクライミングに抵抗を覚えていましたが、一度体験してしまうと見事にハマってしまいました。

 

今シーズンは全国的に冷え込みが厳しく、普段はシーズンが短い御在所や標高の低い場所でも長い間氷結が続いてます。
コチラは中津川は乙女渓谷の男滝。氷結が甘くシャビシャビでした。。多パーティーが取り付いています。あれ?どこかで見たような人だなあ…f:id:isakamichihiko:20180219105943j:plain

 

続いて女滝へ。こちらはまずまずの氷結具合。f:id:isakamichihiko:20180219111114j:plain

 

私たちが登り終わったころに後続パーティーが上がってきて、先程男滝で見かけた人が判明。山下ガイドでした!世界が狭い。f:id:isakamichihiko:20180219111330j:plain

 

翌週は山梨県の千波の滝へ。スケールがあります。f:id:isakamichihiko:20180219111719j:plain

 

上部は氷結状態も良く、快適なクライミングが楽しめました。f:id:isakamichihiko:20180219112126j:plain

 

最後に宣伝ですが、井坂同行で現在募集中の登山学校のご案内です。

2/25(日)登山学校実技講座 冬山中級:雪山ギアの使い方と歩行技術(御在所岳・鈴鹿)
http://www.kojitusanso.jp/school/practical/detail/?p=1094

 

3/18(日)西穂高岳・丸山で雪山登山と雪上訓練http://www.kojitusanso.jp/school/practical/detail/?p=1133

 

是非ご参加ください。

登山学校実技講座 雪山中級

2月17日土曜日に開催した雪山中級の様子です。

場所は関西、京都府最高峰、皆子山。
ガイドは私、島田と参加者8名。

有難い事に冬型気圧配置で小雪降るなかの教室。
天気がいいよりはやりがいがあります。
それは参加者の意気込みに答えやすいら!
みなさん真剣に雪山技術を学ぼうとされていますから、、、

さてさてルートはちょっと秘密ですが
皆子山の南側から入山していきます。
中級ということで冬山の判断を他人に
委ねて登って欲しくないので
テーマはトレースを追わない雪山登山
「書籍やネットに掲載されていないルート」
「雪崩や崩落のリスクの少ない尾根ルート」
「あえて道迷いしやすいルート」
先頭ラッセルやルートファインディングを
代わる代わる行いました
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頂上付近では

  • 5℃の風速10-15mと厳しい条件になり

雪洞の効果
ツエルトの効果
にみなさん大変納得されていました
天気悪くないとなかなか
わかんないですもんね
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↑ちーん 遭難した風
風があるのとないのと違いがみなさん
明確になり
「全然違う!」と雪洞もツエルトも大絶賛でしたf:id:shimadaguide:20180218100624j:plain

好日山荘では
みなさんの登山の安全向上と楽しみの向上のために
いろいろと実技を行っています!
ぜひご参加おまちしておりますねー
https://www.kojitusanso.jp/school/practical/

九州 登山学校実技講座 雪山の基礎を学ぶ「大ツララ 難所ヶ滝へ」

福岡で寒波が来れば、大ツララが見れると

人気がある河原谷の「大ツララ」。

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この日だけ。寒波の続く合間の雨…。
普通は雪のはずなのに。
という事で、雨の中での開催となりました。
それが、良かったのか…、この時期は行列ができるほど
人気なのですが、ほとんど人に会わず、なんとほぼ貸し切り!でした。
なんだか、ずいぶんと得した気分でした♪

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(滑らないように注意して)

まずは、「大ツララ」の手前の「小ツララ」は
今まで見た中でも大きなツララをができていました。

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ここだけでも満足ですが、先へ進みます。
そして、今日のお目当ての「大ツララ」は
もちろん大きく成長しており、圧巻でした。

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氷の前で記念撮影!(イマイチのピントでごめんなさい。)
霧が出ていて幻想的でしたね。

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お昼ご飯は温かいものを食べて温まりました。
甘酒やおしるこも飲んで冷えた体にしみました~♪
雨足がひどくなってきたので、来た道を戻りました。
雨がずっと降っての開催でしたが、
足元にだんだんと雪が出てきたり、
氷の上でのアイゼンの使い方、
低山でも登るにつれて気温が低くなってくる事を実感し、
冬山の装備などを身を持って体験しました。


ご参加ありがとうございました。
またのご参加、お待ちしております。

 

登山レポートはこちら>>>

 

九州開催の机上講座>>>

九州開催の実技講座>>>

 

ご参加お待ちしております。

 

那須岳(茶臼岳)登山 

2月2日、翌日(3日)の登山学校の前泊で那須に泊まり。せっかくなので何度も来てるのに(実は)山頂まで行ったことがない那須岳に登ってきました。

当日は登山口から山頂まで誰にも会わず、ひと山丸ごと独り占めでした。

 

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登山口となる那須大丸。那須ファミリースキー場。

ここに来ると気持ちが引き締まります。ガイドとして登山の楽しさだけでなく、山の危険、厳しさも伝え、どうやってリスクを下げるのかもしっかりと伝えなければと再確認

 

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登山口 三斗小屋温泉まで行きたい気持ちをこらえて山頂へ向けて出発。

 

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この日は首都圏は大雪でしたが北関東はそれほど降らず。でもフカフカで気持ちいい。

 

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峠の茶屋 朝日岳を眺める。 良い天気!!

 

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が、すぐにガスガスに・・・単独だと天気が悪いとテンションが下がりますね・・・。

 

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道中ずっと視界10m位のガスガスでしたが山頂直前で「オッ もしかすると」

*「もしかすると」感を出すために少し戻って撮影 笑

 

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抜けたーーー。360°の大雲海。 こういうことがあるから登山は辞められない。

視界があったのは山頂だけでしたが大満足の登山が楽しめました。

 

那須岳は大丸から登り約3時間、下り2時間でそれほど難路も雪崩のリスクが高い場所も少ない(峰の茶屋直前の沢を渡る際は雪崩リスクあります)ので登山初心者でもチャレンジしやすい山だと思います。ただし、下部の樹林帯、峰の茶屋から山頂間のがれ場で視界が無いとルートファインディングはかなり難しいです。また、風の影響を受けやすいので風対策はしっかりと行いましょう。

井坂ガイドの書いているネックゲーターはお勧め。私も全く同じ方法を使っています。

guide-column.hatenablog.com

 

 

f:id:saruatsushi:20180209193452j:plainそして登山後の楽しみは「温泉&ビール」 でも、一人だったので少しさみしい。

 

明日の講習に備えて早めに布団に・・・

 

翌日の講習の様子は次回のコラムでお伝えします。