◯6日目(9/7)
冷池小屋2410mー爺ヶ岳ー種池ー新越小屋2465m
登り 675m 下り 620m 距離 8km
台風の影響が午後から出る恐れもあり、今日はペースダウンして半分休養する登山行程とした。昨日の激しい岩稜やガレ場とは違い、たおやかな爺ケ岳の尾根歩きだ。扇沢から子連れの登山者も目立ち北アルプスの中でも初心者向けに登りやすい安全なルートと言える。私たちものんびりと快晴のアルプス眺望を楽しみ、また小屋の主との会話から山小屋運営や大町登山案内人組合の歴史に思いを馳せた。このコースは富山側の剱岳の展望が特に素晴らしい。大町市には大町山岳博物館がありぜひ一度訪問して欲しいところだ。早々に新越山荘に到着すると若い支配人が出迎えてくれアットホームで優しい小屋の空気に包まれた。
◯7日目(9/8)
新越小屋2465mー鳴沢岳ー赤岩岳ースバリ岳ー針ノ木岳ー針ノ木小屋2536m
登り1295m 下り1224m 距離7.5km
台風影響もほどほどだがまだ時より風速10mになるガスに包まれた稜線を進んだ。風速1mで体感温度は1度下がると言われているように、休憩時に止まっていると低体温症が想像できるほど寒くなる。ここはツェルト(簡易テント)を使用し休憩。初めて使う登山者は皆、こんなに暖かいのですね、断然違う、とそう言いますね。歩行中も雨は降らないがあえて雨具を着る。それは防水機能だけでなく、防風機能も備えているし、身体と雨具との間に空気の層ができれば暖かいものだから利用する手はない。赤岩岳、スバリ岳と所々に油断できない岩場やガレ場を越えて針ノ木頂上へたった。頂上からは黒部湖を見下ろすあの高度感や広大さは圧巻だ。頂上から小屋までは稜線伝いでは困難な岩峰を越えねばならず登山道は扇沢側のカールをトラバースする形で小屋へと向かう。その急斜面はトラバースは上部からの落石に充分に気を配りながら素早く通過したい地形だ。その厳しい斜面ではクマに猿に雷鳥にと野生動物オンパレードで山の深さを感じることとなった。針ノ木小屋では歌人で登山家の百瀬慎太郎のひ孫が支配人として出迎えてくれた。屈強で優しいネパール人がこの厳しい環境の小屋の歩荷や道普請をしてくれているようだ。