好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

トレッキングポールを上手に使おう! 滑らない歩き方を身につけよう!

御岳登山鉄道株式会社さんのご協力の元、御岳山で登山学校実技講座を開催しました。

 

講習内容は

「トレッキングポールを上手に使おう!

        滑らない歩き方を身につけよう!」

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まずは表参道の階段を使わせて頂いて登る際の歩幅、体重移動の話を

 

 

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次は下りで滑らないように歩くには。 脱へっぴり腰!!!

 

 

トレッキングポールについて少し

私は20年以上トレッキングポールを使っていますが、使い始めた頃(まだ20世紀)は「何で夏なのにスキーのストック持ってるの?」って目で見られた時代でしたが、今は登山、トレッキング愛好家のほとんどが使用しています。今回はせっかく持っているのであれば効果的に使って頂くために使用のポイントの解説と使用時、未使用時の違いを体感してもらいました。

 

使用のポイントを簡単に書くと。

①バランス保持: 人間は歩く際に必ず一本足になる瞬間があります。一本足で立っている瞬間は進む、登る(体を持ち上げる)、降りる(落下していく体を止める)、という動作と共に前後左右に傾こうとする体を保持する動作を行っています。トレッキングポールを突くと傾き保持の動作が容易になり、進む、登る、降りるという動作に集中できるため体が安定して「安全」「疲労軽減」に繋がります。

 

②推進力: トレッキングポールをバランス保持だけの為に使っている方が多いですが、推進力を得るために使って頂けると足の疲労軽減とスピードアップに繋がります。

トレッキングポールを地面に突いてバランスを取って終わり、ではなく、後(登っている際は下方向)に押してあげるイメージを持って使用してみてください。

 

③持ってるだけ=おもり: 「下りが苦手なので、トレッキングポールを下りで使う。膝が痛くならないように」という方が多いです。が、考えてみてください。最近は大変軽量になったとはいえ登りや平坦な部分で使用しないという事は、バックパックに数百グラムの重りが取り付けられているという事になります。山頂に着くまでにトレッキングポールの重り分足への負担が増えることになります。負担を増やしてから下り始めるという事は、既に筋肉疲労、膝へ負担がかかっていることに・・・。登り、平坦部で上手に使う事で①、②の様に足への負担を軽減できている方と、負担を増やしてから下りで使い始める方では、下山を開始する時点で既に足の疲労度が大きく異なっていることに??

 

とは言ってもいきなり上手には使えず、説明後に実践してみると手と足が同時に動いてしまったり。(笑) そんな時は初めから両手で使わず利き手のみトレッキングポールを使って持っている手と反対の足と連動(松葉杖と同じ)させてあげると簡単に正しい動きになります。練習してみましょう。

 

田中が使用しているトレッキングポール 軽量でスイングバランスも良くお勧めです。

軽量、コンパクトなZ型ポールならこちら

 

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講座ご参加の皆様お疲れ様でした。田中の長くてくどい話にお付き合いいただきましてありがとうございました。