※写真撮影:好日山荘名古屋栄店スタッフ
新年早々、お買い物中の写真です。
私はグローブが好きです。そしてこだわりもあります。
私が求める物としての条件は操作性、デザイン(見た目・カッティング)、保温性そしてタフである事。毎シーズン色々な物を使って(もちろん実費購入)お客さんにフィードバックしています。
雪山では常に雪(水)に触れる機会があります。低い気温の中で靴紐を結ぶ、ゲイターを着ける、アイゼンを履く、ジャケットのフードを被る。バックパックのストラップを外し、バックパックの中から食べ物、飲み物を取り出し水分やエネルギー補給をする。全ての作業をグローブをしたままする事がほとんどなんです。
ですので、何よりもグローブが大切。何をするにも毎回、いちいちグローブを外して作業をするだけでかなり時間のロスが生まれます。外す、はめるで早くて20秒。それが1日に何度あるのでしょうか?はめたまま作業をこなす事も大切ですし、スピディーに脱着出来る事も大切ですがそもそもグローブが機能的でない(特に初心者)というのはいけていません。
グローブにはお金をかけよう!と講座などではよくお話しをしています。と、いう前置きからスタートしてオススメのグローブとレイヤリングの紹介です。※好日山荘で取扱のあるブラックダイヤモンドの商品を例に紹介させていただきます。(写真はロストアローHPから)
①ベースレイヤー(2双あると良い)
ライトウェイト グリッドテック
ポーラーテック®パワーグリッドを採用し、軽量性と保温性をバランスさせた薄手のライナーグローブ。シリコンがプリントされ、グリップ性を高めています。温度域:0/7度(摂氏)
素材はポーラテックⓇパワーグリッドで汗吸い抜群。
ライトウェイト ウールテック
運動量の多いアクティビティに適した薄手のライナーグローブ。メリノウールは軽量で濡れても暖かく速乾性に優れます。温度域4/13度(摂氏)
↑要は生地厚や素材違いです。ベースとなるのはこれらのような薄手のライナーグローブが重宝します。コンディションにより現地で使い分けも出来ますし濡れた場合のバックアップも兼ねて。基本は薄い物の方が次に紹介するものとレイヤリングがしやすいのでオススメです。
③マイルドなコンディション用(1双)
アーク
モトクロスグローブを元にデザインされた操作性重視のグローブ。防水透湿性に優れるBDRYをインサートし、クライミング、登山、スキーツアーに適します。温度域:-7/4度(摂氏)
機能面の一例です。
・シンサレートインサレーション→保温材入り
・ピタード社オイルタックレザー製パーム&フィンガーカップ→ピタード社は50年以上の歴史を誇り手袋、革製品、馬具類を取り扱う世界的なブランド品を構成する革製造の世界的なリーダー。その品質は保証出来ます。・ガセット付き面ファスナークロージャー→脱着のしやすさもポイント。
・ノーズワイプがPUからスウェード製へ変更→鼻拭きです。最近人気の透湿性ゴム手袋にはこれがないので私は雨降りや、よほど濡れる状況でない限り使いません。PUという素材は数年すると経年劣化が見られ、保管状況が悪いと割れる事が多かったですがスウェード素材に変更になり安心出来ます。
③ハードなコンディション用(1双)ソロイスト
クライミングでの操作性を重視した厳冬期用テクニカルグローブ。温度域-26/-9度
・リムーバブルインナーの甲側にプリマロフト®ゴールド(170g/平米)、パーム側にプリマロフト®ゴールドニードルパンチ(133g/平米)インサレーション→プリマロフトの保温材入り
※この商品はインナー付き。
夏のような日差しが強い残雪期であれば①だけでも良いです。今日はあったかいな〜という日であれば②のみでの使用も。通常のマイナスの温度帯であれば①+②でマイナス10度くらいはいけるでしょう。③+②でマイナス20度以下にも対応出来ますので、この3点があれば12月〜6月までの積雪期はほぼカバー出来ます。
ポイントは使い分けと操作性が良いもの!以前はウールグローブにシェルグローブというのが定番でしたが、ここ数年の私のおすすめはこんな感じです。未脱脂ウールのグローブは雪が付着しにくい特性を持っています。湿っても保温力を失いにくいのはウールの大きな利点。という点もありますしガソリンバーナーを使用する際などに火に覆われても毛が焦げるだけで溶けにくいという素材の特徴もあるので状況に応じて使い分けをしています。参考にしてみてください。また、今回は登山での使用シーンを想定していますが、バックカントリーでのハイク用、滑走用ゲレンデ用でも使い分けをしています。
温度域対応できる温度域、ここもポイントです。自分のギアがどのような物なのか知りましょう。
道具を使うのは生活技術!いくら良いギアを持っていても雪山での生活技術がなくては、良い道具も無駄になります。ぜひ技術取得にも時間とお金をかけてみてくださいね。山の技術は一朝一夕では身につきませんので。