好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

梅雨入りの日。

若葉の季節ですね。f:id:yoshida1487:20210518110556j:plain夏に大きな山を計画している方は、この時期できるだけ長い距離を歩いておきたい。と思っていたら、早くも梅雨入りしてしまった。そんな記念すべき初日に歩行力アップの講座でした。f:id:yoshida1487:20210518111256j:plain

雨の中を歩いてみると色々と気付く事もあります。

低山では、特に湿気への対応は難儀になります。どんなに高機能なレインウェアでも、透湿性なんて言葉はウソですね。レインの内側は汗でビショビショです。濡れる事を前提でレイヤリングしてます。f:id:yoshida1487:20210517155018j:plain

ヘッドライトの白色は雨粒に反射して視界は悪くなりますし、電子機器の扱いや、休憩のとり方・過ごし方、柔軟な行動計画など色々と確かめるには絶好の機会です。f:id:yoshida1487:20210517155232j:plain

この日は予想通り、降雨中も気温が下がらず冷える事はありませんでした。事前に調べておかないと大変な思いをします。雨は結果であって、降雨の原因を知らないとリスクは回避できません。

他にも登山靴やレインウェアの撥水処理、ザックの防水、装備の軽量化や行動食の研究など色々考えて工夫することも登山の楽しさです。こんな時節だからこそ、有効に時間を使いたいですね。f:id:yoshida1487:20210518132205j:plain今回もたくさん歩いて、たくさん食べました。ご参加の皆様お疲れ様でした。

春から始める講座。

今シーズンは春の始まりが早かったですね。3月は温かい日が多く、天気に恵まれました。

三角点と桜の組み合わせは、里山の贅沢です。昨年は楽しめなかった分、満喫できました。f:id:yoshida1487:20210329121637j:plain

初心者向けの地図読み講座は、反復練習。しっかり歩いて、しっかり学びました。f:id:yoshida1487:20210329135346j:plain

 

コチラは中級者向けの地図読み講座。地形図とコンパスのみで登山道のない目的地へルートファインディング。見通しの悪いシダ藪と雑木林の典型的な里山でしたが、見事に目的地へ辿りつきました。f:id:yoshida1487:20210316171359j:plain行動中の基本はOODAループ(Observe観察・ Orient状況判断・Decide意思決定・Act行動)とShare共有です。よく見て、考えて、決めて、動くという事です。何よりチームワークが素晴らしかったです。最後は危急時対応にて終了。みなさまお疲れ様でした。f:id:yoshida1487:20210316172139j:plain

好日山荘登山学校では4月から全国各地で各種講座を開催いたします。

基本的な知識、装備の選び方、登山計画や歩行技術、テント泊、ロープワーク、地図読みなどテーマは様々。独学も良いと思いますが、やっぱり限界があります。我流にならないように生声で正しい知識を学んでいただければと思います。

机上講座は>>>コチラ から  実技講座は>>>コチから

ご参加お待ちしております!

中国山地の雪山。

今シーズンの中国山地は雪山を楽しむ事ができました。

中国山地は、標高1000~1300m程のなだらかな山が東西400㎞に脊梁となっています。冬、日本海側は季節風の景況が強く雪が多いのが特徴です。湿った重たい雪です。雪山講座の基本の足回りはスノーシュー・わかんになります。f:id:yoshida1487:20210302145234j:plain

2月上旬の奥大山1000m。美味しい天然水が生まれるブナの森。雪も豊富です。f:id:yoshida1487:20210301123611j:plain

2月中旬の西中国山地・恐羅漢山1346m。こちらも雪は豊富でした。f:id:yoshida1487:20210301152502j:plain

昨年の雪不足と比べると‥

左)2020年1月。                     右)2021年2月。f:id:yoshida1487:20210301171916j:plain

2月下旬の西中国山地・臥龍山1223m。麓は融雪が進んでいましたが、山頂は1mくらいありました。f:id:yoshida1487:20210301123938j:plain

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寒暖を繰り返しながら、山はゆっくりと春へ向かっています。中国山地は短い残雪期です。気候も雪も変化してきます。足回りもアイゼンへ切り替える時期です。f:id:yoshida1487:20210301152301j:plain下界は春の陽気でも、山はまだ冬です。季節の変わり目は特に気象情報に注意して山に向かいましょう。中国山地の雪山シーズンも残り少なくなってきました。雪がある今のうちに楽しみましょう。

春一番。

週末は昨年より1ヵ月ほど早い春一番が観測されました。

2月23日は富士山の日。こちらは山陰から伯耆富士。風は強かったですが、気温も上がり春山でした。天候に恵まれて、麓の大山寺周辺はスキー場客、登山客、観光客と賑わっていました。f:id:yoshida1487:20210223121201j:plain

西稜を登るパーティー。こちらも結構混んでいました。f:id:yoshida1487:20210223122013j:plain

弥山沢のドロップポイント。美しい。滑れないのでその魅力は分かりませんが。f:id:yoshida1487:20210223131820j:plain

上下ソフトシェルでも十分。暖かくて快適な一日でした。f:id:yoshida1487:20210223122511j:plain

陽射したっぷりで、雪もグズグズになっていました。伯耆大山の雪は潮風に乗って運ばれてきます。やっぱり、アイゼンも錆び易くなります。私は、錆をサンドペーパーで落して、錆び止めスプレーでベッタリとコーティングしています。岩でガリガリしなければ2~3シーズン保ちます。f:id:yoshida1487:20210223130358j:plain

f:id:yoshida1487:20210223142327j:plain今シーズンは下地があるから、雪も残ってます。まだ2月。このまま春山になるはずがないですし、もうしばらくは雪が楽しめそうです。 

冬晴れ。

週末は冬晴れでした。気温がグンっと上がり春山でした。

予定していた山は雪が無く、雪を求めて北へ移動。あるところにはあるんですね。f:id:yoshida1487:20210215151443j:plain

奥大山で初めてのスノーシュー。天候にも恵まれて、みなさん童心に戻って楽しんでいました。f:id:yoshida1487:20210215130747j:plain

今回の〆。3時間のドライブでは消費できない高カロリー。f:id:yoshida1487:20210215180907j:plain

 

別の日に伯耆大山から弓ヶ浜と別山。知人が吊り尾根を渡るところ。この量だと刃渡りは怖い。f:id:yoshida1487:20210215152129j:plain

春山の定番と言えばコレ。私の時代は「爽やかテイスティー」でした。f:id:yoshida1487:20210215153531j:plain寒い時期の水分補給に炭酸飲料を飲んでる人は意外に多い。炭酸ガスは毛細血管まで行き届くので、血流促進による末梢の冷え対策に効果が期待できます。加糖された飲料は瞬間チャージできるので、エネルギー補給もできる一石二鳥の優れもの。寒すぎると凍りますが、冬晴れには合理的ですね。f:id:yoshida1487:20210216103227j:plain山でZEROはダメです。 

冬時雨。

週末は天気悪かったですね。時雨というには、しつこい雨でした。

雨は雪より濡れるので危険です。初対面の公募だと即中止ですが、今回は知っているメンバーなのでリスクを分散して登る事ができました。雪山講座で雨の那岐山へ。f:id:yoshida1487:20210125124649j:plain

氷点下なのに、ず~っと雨。f:id:yoshida1487:20210125124847j:plain

皆さんの元気と準備が頼りでした。無事に下山できて、ご褒美に美味しいコーヒーをいただきました。f:id:yoshida1487:20210125190546j:plain

 

翌日は南下して初心者講座。この日もず~っと雨。下山時にやっと止んでくれました。

こちらは初心者の方々なので無理のないコースを登り、無事終了。冬の雨天気だと、普通は山に行かないので、人気の山も山頂小屋は貸切でした。登山の様子は>>コチラf:id:yoshida1487:20210125125138j:plain

晴れの国も前線通りに雨は降るんですね。どちらの山も山頂に小屋がある事がわかっていたので、計画の段階でリスクを下げる事ができました。山で雨風が凌げる小屋の存在は本当にありがたいです。

雨に降られて、風に吹かれて、初めて装備の必要性を実感できる事もあります。いつも100%の準備を心掛けて山に行ってください。ご参加ありがとうございました。

下山を決める判断。

今シーズンはどこへ行っても雪が豊富です。

伯耆大山は連休なのに空いてました。日本海側は登山口まで辿りつくのが核心の一つでした。時間は掛かりましたが、何とか着く事ができました。f:id:yoshida1487:20210112132721j:plain

天候が悪いのはいつもの事ですが、この日は完全ホワイトアウト。トレースはなく、目測もできず、足元の傾斜を確認しながらの難しいアプローチとラッセル。f:id:yoshida1487:20210112133149j:plain

取付いた先もラッセルと強風でタイムオーバー。身も心も折れました。f:id:yoshida1487:20210112133402j:plain

頑張れば登れるかもしれませんが、頑張った先の暗闇のホワイトアウトと強風を考えると、下山が適当な判断でした。みなさんも経験があると思いますが、下山する判断は難しいですよね。

ポイントは3つ。よく言われる「山でピンチにならないための3つの判断」です。

①時間に間に合うか ②体力を残しているか ③技術・装備に問題ないか

個人的な解釈は、①は撤退 ②は敗退 ③は無謀です。「 せっかく来たのに」は禁句なんで、判断基準にしてはいけません。事故を起こす時は3つの判断のどれかが間違ってしまった時です。みんなが納得できる判断基準は、事前に話しておくことが大切ですね。f:id:yoshida1487:20210112134803j:plain

今シーズンは雪も多いですし、気温も低いので久しぶりに雪山らし状態です。この先、気温が上がりそうなので雪も少しは締まりそうですね。伯耆大山は一般道を外れれば、NOラッセル・NOサミットです。股関節のストレッチと大腿四頭筋を鍛えておきましょう。雪用タイヤも忘れずに。