好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

九州も紅葉シーズン到来中!!

九州から紅葉の便りです。

 

例年だと、日本百名山、くじゅう大船山がきれいな紅葉が楽しめる

10月の半ばは雨ばかりでしたね。

10/18(水)くじゅう大船山へ行きましたが、

霧の中は幻想的な景色です。そして、昼前からシトシトと☂。

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足元はきれいなモミジが楽しめます。

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大船山直下の景色。霧は幻想的な景色を作ります。

 

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大船山の眺望はありませんでした。山頂は風が強く滞在時間3分ほど。

雨でも10組以上のパーティーと遭遇しました。

 

次の週は、台風一過、やっと秋らしい山をゆっくりと楽しめました。

その①

【熊本県 根子岳】

ちょうど色づいてきています。
現在東峰のみ登れます。
急登そして、下山は同じルートを通るので、かなりズルズルします。
健脚者向けです。

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その②

【日本百名山の一つ 宮崎県 祖母山エリア】

紅葉は、ちょうどよかったです。

山麓は、今から楽しめます。

 

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 烏帽子岩より祖母山方面を眺める。

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天狗岩は紅葉最盛期!


やはり10月下旬だけあって
朝の気温は、10℃くらい。
ウールの中厚手+ソフトシェルジャケットを着て出発しました。
歩いているとだんだん暖かくなり、一度脱ぎましたが、
稜線に出ると風が強く、ジャケットを着てちょうど良いくらいでした。

それから、風よけにも雨具はもちろん必須アイテムです。
アクセサリーとしては、ニット帽、グローブも持って行きます。

お昼は、温かいものを食べると温まりますよ。スープなんかもいいですね。
これからの季節は、休憩で停滞すると冷えるので山専ボトルに

お湯を入れて持って行っています。
温かいものを飲むと体がすぐあたたまりますよ。


低山は、11月以降、楽しめそうです。

台風も発生していますが、天候とにらめっこして
秋しか見れない紅葉を楽しみましょう。

 

台風一過?

先日の台風21号は各地に激しい雨を降らし、我が家も避難勧告が出るような状況でした。いざ避難勧告が出されても普段から非常用品を用意しておかないと迅速に避難することができないなと反省しました。。

 

さて、台風21号が過ぎ去った後は広い範囲で台風一過の晴天となりました。三重県四日市市でも、風は強いままでしたが朝から晴れ間が広がりましたが西側にある鈴鹿山系に目をやると、まだ分厚い雲に覆われているのが見て取れます。画像の右端、藤原岳あたりはまだ雨が降っていました。f:id:isakamichihiko:20171027113009j:plain

 

その時の天気図がコチラ。本州をたくさんの等圧線が縦断していて風が強いことが伺えます。また、西高東低の冬型の気圧配置となっているため、風は冷たく、気温が低くなっていました。このような場合、西風がぶつかる山では風が強まって気温が低下し、特に標高の高い山では暴風雪の嵐のような状態になることが多くなります。町の天気予報で晴れと発表されていても注意が必要なパターンですね。f:id:isakamichihiko:20171027113528p:plain

コチラは昨日(10/26)の涸沢。台風通過後に気温が低くなり、積雪がありました。冬がすぐそこまでやってきていますね。紅葉は沢渡や平湯の辺りでピークを迎えているようでした。f:id:isakamichihiko:20171027114036j:plain

 

山岳遭難救助研修会

国立登山研修所で開催される
山岳遭難救助研修会に講師として
参加してきました
講師研修会も含めて緊張感の高い濃いー1週間
http://www.jpnsport.go.jp/tozanken/syusai/tabid/75/Default.aspx
これは各都道府県における山岳遭難救助組織の
指導的立場にある救助者が研修されます。
(警察・消防・自衛隊等職務で山岳救助に携わる者)

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↑救助の肝は強固なアンカー(支点)
 木だけでなく岩や草に土
 現場で使える支点を構築し検証!

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↑救助のシステムはロープワークだけでなく
 要救助者への落石回避や
 救助者の安全確保も大変重要です

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↑捜索や救助は不安定な登山道以外での活動
 熊の糞もあるし蜂の巣もあるし
 常に浮き石や滑落にも注意!
 盛り沢山のリスクに囲まれています

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↑消防さんの人を助ける熱意には感服します
 研修の真剣さが半端ないんです

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↑「ひーけ!ひーけ!」
 私のような自由人ではなく
 組織の中で統率された連帯感は
 ほんとうに素晴らしいと感じます

 今回の台風で参加された消防救助隊員が
 救助に奔走されている姿が浮かびます!

 家でゴロゴロ寝ててごめんなさい!
 

季節は冬へ

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10月に入り秋雨前線の影響で登山に相応しくない天候が続いていますね。その合間を狙って快晴日に甲斐駒ヶ岳へ。

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前夜から冷え込みが増し、この日の朝はいたるところに霜がありました。スリップに注意ですね。

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f:id:asahiryuta:20171020121627j:plain日射のおかげで快適な登山をする事ができましたが、小休止の際でもこまめにウェアを着用しないとすぐに身体が冷えてしまう気温です。私は休憩時に薄手のダウンを着用していました。

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カラマツも黄金色に。

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この日の朝はかなり冷え込んだようです。ルート沿いにも氷化した箇所が沢山。前夜の降雪予報、冷え込みなどを加味しチェーンアイゼンを持参しましたが、日射のおかげで早くに融解が進み、幸いな事に使わずでした。

 翌19日は、夜〜朝にかけてまとまった降雪があったようです。日中、気温が上昇し雪が雨に変わって融解が進んだようですが、融けて冷えて凍って、雪が降り。このような状況下では登山道が雪で消えてしまったり氷化したり、夏山シーズンと比べ物にならない程難易度が上がります。

この時期に高い山へ行く方は少ないと思いますが、南アルプスのような北アルプスに比べ降雪が少ない場所でも登山ルートは日に日にコンディションは変わりますし、気象遭難や低体温に対する技術や知識が必要です。いいウェアを着ていても濡れますし、アイゼンも効かない場合もあります。ルートの状況を自身で想像し、現場ではそれらを判断する力が必要です。

 

※最後に10/28(土)私が担当する実技講座のお知らせです。

地図・コンパスに親しむ(鳩吹山、岐阜)

https://www.kojitusanso.jp/school/practical/detail/?p=1043

道を探すだけではなく、地形を意識した地図読み現場での実技講座。参加者募集中です!

北鎌尾根

 日本の歴史あるクラシックルートのひとつです。

10月の3連休に行きました。ここまでは秋でしたが

もう初冬でしょうね。

 

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ヒュッテ大槍からみる北鎌尾根(大槍から独標まで)。
近年登山者が増えてきて、事故が増えてます。
真っ当にトレースしようとする場合、ルートの取り方が
複雑なところがあるので、安易に登ってはいけません。

 

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北鎌尾根からみる北面。

 

赤岳鉱泉小屋 人工アイスフォール筐体製作

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 八ヶ岳 赤岳鉱泉小屋前には10年以上毎年人工的にアイスフォールを作っています。
私は初めてこれを作った時からほぼ毎回筐体作成の手伝いに行ってますが。
年を追うごとに巨大に。初年は今の1/5くらいでした。

 

作成は毎年秋。今年も2日間行ってきました。
まず土台をある程度作成→ガイド等が集まり一気に完成へ。

(強度出し、ボード張り、ネット張り)

ガイドはこういった足場組み作業のプロではないので、皆かなり動きはぎこちないです。

 

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今後もっと寒くなる頃から鉱泉小屋の従業員の方が、昼夜メンテナンスをして成長させます。
決してただ適当に水を流す、ということでは氷はできません。
サイズが大きいので水を流す位置を変えつつ、パイプや水の出口が氷結するのを防ぎながら行います。厳冬期は24時間監視みたいです。

 

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他、長野川上村の岩根山荘にも同様の人工アイスフォール製作されます。

こちらは気温が少し高めなので、冷える夜の作業が重要で、氷を張るのに時として数日徹夜になるそうです。
こちらは来月手伝いに行く予定。

共に毎年形状は違います。

 

常駐期間終了しました

久しぶりの投稿となります。。

毎年、夏から秋にかけて「長野県山岳遭難防止対策協会」の常駐隊員として穂高を中心とする山域で救助活動をしていますが、今年も行ってまいりました。

夏前半は件数も少なく、出番もありませんでしたが、やはりどこかで辻褄が合うようになっているようで、夏の終わりから秋にかけてはそれなりに忙しくなってしまいました。

私が出動した事例を挙げると、
1. ザイテングラートを下山中、滑落して下腿部を骨折
2. ザイテングラートを登山中、転倒して手首を骨折
3. 涸沢岳付近を登山中、100mほど滑落して死亡
4. 涸沢から横尾に向け下山中、足を踏み外して足首捻挫
5. 山小屋の石段で足を踏み外し、足首捻挫

というラインナップでした。

特に秋の涸沢は多くのツアー客が多く、高齢者も多いため、体力不足による遭難や、少し足を踏み外しただけでも捻挫してしまう方が多いような印象を持ちました。また、ハイカットの靴を履いていてもきちんと靴ひもを締めていなかったことから捻挫に繋がってしまうということもあるようです。

 

また、涸沢岳で亡くなった登山者は頭部に致命傷を負っていたのですが、遺留品をまとめるために遭難者のザックを開けてみると、なんとヘルメットがザックの中に入っていました。
「ヘルメットさえ着用していれば助かったかもしれないのに…」
となんともやりきれない思いになりました。

 

岩稜帯を歩いていると、ヘルメットを被らずに、ザックに付けて歩いている人をよく見かけます。被る被らないはそれぞれの自由なので強制するようなことはありませんが、「持っているのなら被ったら良いのになあ」とは思います。
最新モデルのヘルメットは、軽量で強度も高いものが多数あります。デザインも昔に比べるとかっこいいものが増えてますので是非、岩稜帯では着用して頂きたいものです。

 

救助活動の為、涸沢のヘリポートに着陸する長野県警ヘリ『やまびこ1号』f:id:isakamichihiko:20171016150013j:plain

 

綺麗だった紅葉も終わり、長い冬へと忙しく季節が過ぎていきます。f:id:isakamichihiko:20171016150147j:plain