好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

秋の遭難事故を減らすために!!

私の住む長野県白馬村でもメインの観光地の一つとして有名な八方池。

ここにアプローチする八方アルペンライン(八方尾根スキー場)の春夏秋の営業が本日で終了となります。今日も紅葉を楽しむ最後のチャンスという事で多くのお客様が八方池に向かっていることでしょう。

 

写真は本日の八方池(白馬村観光局より)

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標高の高い北アルプスの紅葉は終わりに近づき、これからは2000m級の山、そして里山と紅葉の分布が移り変わっていきますね。空気が澄んだこの季節は真っ青な秋晴れの下、遠くの山、景色まで見渡すことができる。そして真夏のように歩いていても汗が出て不快になることも少ないのでとても気持ちの良い登山が楽しめる季節ですね。

 

そんな素敵な季節の登山に水を差すようなことを言ってしまいますが、この時期(GWや、秋の連休 季節の変わり目)は数年に一度大きな遭難事故がおこっています。

「遭難」というと発生事例割合上位にくる道迷い、滑落、転倒を想像しますがこの時期に怖いのは寒さや雪・雨がもたらす遭難です。発生事例上位の理由により遭難してしまい、その結果ビバークを強いられてしまっての疲労凍死、悪天候による凍死というのが死因になってしまう事故がおこることがあります(しかも複数の人数が一日で)。

 

遭難を防ぐ方法は多くありますが一番簡単にできるのは””保温着を装備に加える””ことです。何かあった時に暖かい服を持っていることで助かるかもしれないという事は勿論ですが、寒いと感じた時点でしっかりと身体を温めてあげることで遭難を未然に防ぐことができるはずです。ツェルト、バーナー、エマージェンシーシート等の危急時装備に合わせて軽量コンパクトなので大きな負担にもならないインナーダウン、フリース等を装備に加えて下さい。

 

また、アンダーウエアも重要です。加藤ガイドがコラムに書いているので合わせてご覧ください。こちら

 

11月4日から始まる好日山荘決算セールページにて各店舗でのお勧め商品を紹介しています。お気に入りのウエアを持って気持ちの良い秋山登山をお楽しみください!!

SONYアクションカムを持って 紅葉の北アルプスに

10月16日(日)に銀座にあるソニーショールームにて「アクションカムを使った登山の楽しみ方」というトークイベントを開催・担当しました。

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アクションカムとは、バックパックやヘルメット等に設置して行動しながらでも動画を撮影できる小型軽量のビデオカメラです。歩いたり、岩登りをした際でも空間光学ブレ補正を採用することによりほとんどブレません。また防滴になっているので雨でも問題ありません。

 

今回このイベントの為に実際に山登りをして動画を撮影してきました。

実際の動画はまだアップできる状態にありませんが、前回のトークショーの際に撮影した動画はソニーさんのFaceBookにアップされていますので是非ご覧ください。

動画はこちら(10月13日の記事です)

 

最新の動画は次回のブログでアップしますが今回はその際に撮影した写真を

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唐松山に登る登山道からのご来光と大雲海

 

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同じく唐松から望む南アルプスと富士山

 

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涸沢周辺は紅葉が始まっていました(10月4日)。

現在は見頃です。山下ガイドの紅葉情報

 

私の住む白馬村も今週末、来週末は紅葉が見ごろです。是非白馬へ!!

 

紅葉を楽しまれるにはしっかりとした防寒着が必要です。山では既にダウンジャケットを着る方もいらっしゃいます。好日山荘ではただいま秋山セール開催中です。

各店舗では30%~なんと50%OFF商品が多く並んでいます。もちろん秋冬に使える防寒着もたくさん!! 特価商品、アウトレット商品でもさらに10%ポイント還元対象になりますので本当にお買い得です!!秋山セールページ

 

しっかりと準備して気持ちの良い秋山をお楽しみください!!

私の登山靴

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最近、秋にしては暖かい日が続きましたが北アルプスの山小屋営業も徐々に終了し、標高の高い山では冬へと季節が移り変わっていきます。2016年無積雪期のアルプス登山シーズン、シチュエーション別に使った登山靴を紹介したいと思います。ガイド時だけでなくプライベートでも履く登山靴、全てを支える重要な装備ですからこだわりは人一倍。皆さんはどのような登山靴を使ってますか??

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今秋に新調したのがこれ!主に北アルプスの岩稜帯での登山に使用。

良い点:軽い(このクラスの靴なのにまるでトレッキングブーツのよう)、しっかりしているにも関わらず足首が動かしやすい。岩場で細かいスタンスにも乗れ、かつ安定感のあるソールパターン。包み込まれるような一体感、軽量レースフックで紐が締めやすいなど非常に良いブーツ。来年も主力のマウンテンブーツになりそうです。

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昨年から使用しているこのマウンテンブーツは前者と比べるとよりしっかりしています。ですので、主に長期縦走や重量の多い時や岩稜帯歩行に使用。また、2000m級の山までの残雪期にも使用いたしました。

加藤ガイドも使用、下記リンクに詳しいレビューも書かれてますよ。

秋山に向けて新調しました登山靴! - 好日山荘 ガイドコラム


guide-column.hatenablog.com

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左のトレッキングブーツは、里山やテクニカルでないシチュエーションの登山に。トランゴSエボはそろそろソールが摩耗して長期休暇予定 。右はアプローチシューズやデイハイクに使用しているボルダーX。

www.kojitusanso.com

ハイキングブーツ、トレッキングブーツ、マウンテンブーツとブーツにもカテゴリーがあります。製品のカテゴリーと特徴を理解して使用しましょう。

※登山後のメンテナンス中の写真です。洗ってメンテナンス剤を使用しました。

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実は最近、私の登山靴は全てスポルティバ。数年前は色々なメーカーの物を履いていたのですが同社の靴が足に合っているようなのです。ちなみに冬の靴もそうでございます…。

足の形は人それぞれ。

「日本人の足=幅広」聞くところによると、日本人は自分の足囲が広いと思いこんでいる人が多いようです。測ったこともないのに「足幅が広くて…」と思い込んでいる人が実に多い気がします。

自分は外反母趾で見た目の横幅が広いですが、以外にもスリムな形の靴が合ったりします。

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お店にはハイキングブーツからトレッキングブーツ、マウンテンブーツと沢山の種類が置いてあります。用途に合わせ、店頭でスタッフと色々なモデルを試しながら自分にあった登山靴を見つけていただければと思います。

 

2016年10月18日の机上講義は

「ロープワーク」と「リスクマネジメント」について講義させていただきました。

ちょっとだけ紹介を。

 

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「ロープワーク」は1.5hという短い時間なので、
山で役に立つだろう思われる4種類くらいを練習しました。
皆さん名称でも戸惑われるみたいです。

基本英語での名称をそのままカタカナにしているので。

一応日本語での名称も付加してますが、いまいちしっくりこないんです。

 

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ロープワークは使わないと忘れるので、帰った後練習が必要です。

 

 

まず、山は危険ですね。

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「リスクマネジメント」は
その危険と思われるものの予想・準備、それを対応・回避する能力、知恵

と考えてます。

 

両講座は2016年後期分はこれで終了です。

色々な講義も企画します。リクエスト等出していただけると検討しますよ〜

例えば、
ガイド登山について、バリエーションルート、ロック(アイス)クライミングについて
なる夏ヨーロッパ登山、アメリカの山、について等、いかがでしょうか。

 

 

9月、10月は事故多発のシーズン…

9月は雨が多く、アウトドアをされる方には悩ましいシーズンとなったことと思います。10月に入ってからは天気が安定してきたものの、夏が天気良すぎたからなのか、9月の天気が悪すぎたからなのか、あまり紅葉は良くはありませんでした。

場所を選べば良いところはありましたが…9/30涸沢にてf:id:isakamichihiko:20161019104937j:plain

 

さて、9月は例年に増して遭難の多い月になってしまいました。。

私が把握している限りでも、穂高連峰だけで9月中に亡くなった方は5名にも及びます。
このうち1件はバリエーションルートにおけるものでしたが、その他はすべて一般ルート上での滑落によるものでした。
その4名の方すべてに共通するのが、ヘルメットを着用していなかったということです。

西穂~奥穂にて ガイド中の島田ガイドf:id:isakamichihiko:20161019105344j:plain

ヘルメットの役割は
1.上部からの落石からの頭部の保護
2.自分が転倒、滑落した際の頭部の保護

の二つがあります。

1つ目に関しては、私も登攀中に何度か石や氷がヘルメットに当たってヘルメットがへこんでしまったという経験があります。かぶっていなかったら間違いなく死亡していたか重傷を負っていたことでしょう。

2つ目に関しては、幸いにも私自身派手な転倒、滑落の経験がないので分かりかねますが、これまで救助隊員として活動してきてその差は歴然としています。

極端な例で言えば、転倒して1メートル落ちただけでもヘルメットを着用しておらず、頭を強打し亡くなってしまった例もあれば、200メートル滑落してもヘルメットを着用していたおかげで手足の骨折等だけ(だけと言ってはなんですが…)で済んだ例もあります。

もちろんヘルメットを着用していても残念ながら助からない方がいるのも事実ですし、まずはこけないように歩くための確実な歩行技術の方が大切なのは言うまでもありません。しかし突然落石が頭上から襲ってき時、不意に足が滑って滑落してしまった時、頭部を守ってくれるのはヘルメット以外にありません。

私が普段着用しているモデルは僅か220gしかありません。Tシャツ1枚ほどの重さで命が助かるのであれば決して重くはないと思います。

www.kojitusanso.com

ウェブショップには在庫が無いようですので店頭でお買い求めください。。

最新のヘルメットはかぶり心地も良く、スタイリッシュなので積極的にヘルメットを着用して安全な登山を楽しみましょう!!

秋冬服の出番

 

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冷えて来ました。

山も夏向けの服から冬向けの服に変える頃です。

山の道具と共に服も年々進化していて、軽量化、快適さが増してます。

これから私の中で出番が多くなる服のひとつに

 

ソフトシェルジャケット

  フリースだと風を通す、雨具だとゴワゴワして動き辛いという短所

  がないジャケットです。ゴアウインドストッパーが代表例です。

  通気性もあり、多少の撥水性もあります。

 

化学繊維の保温材が入っているジャケット(中間着にもなります)

  ダウンだと濡れたり乾きづいらい、穴が空いたらダウンが漏れる、

  という短所がないです。

 

どちらも各メーカー、色々な素材で同じようなコンセプトの製品があります。

マムート、バーグハウス、、パタゴニア等
詳細は好日山荘山荘の各店舗で聞いて下さい。

 

私が今使っているものは
ソフトシェルJKT:マムートの「ULTIMATE ALPINE SO HOODED JACKET AF MEN」(下の写真左)

中綿入りJKT:マムートの「Foraker Advanced IN Jacket Men」(下の写真右)

共にフィット感もあり動作も快適なカットです。

 

 

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あっ違った。(handcrafted by くまこ)

 

こちらです

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カタログからの写真なのでわかりづらいと思いますが。

店舗で色々な製品見てください。