好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

冬が来る。

寒い冬が来ますね。来週はいよいよ西日本の山間部でも降雪しそうです。

個人的な冬の訪れは、自転車で手袋をするタイミングですが、今朝はまだ素手でした。

冬でも温暖な気候と高い晴天率の瀬戸内の平野部は今が登山シーズンです。先月は岡山にて人気の里山に。空っ風が冷たかったですが、晴れの国は天気が大崩れする事は稀です。f:id:yoshida1487:20201201141032j:plain

山頂でピクニックを楽しむ岡山店のボス。20分の休憩時間で、パッと出してパッと食べてパッと片付けていました。食後のコーヒーまで!行軍のような機敏さに笑えました。用意周到です。f:id:yoshida1487:20201204142919j:plain

翌日は和気町にある人気のご当地アルプス。低山とは思えない岩稜と本家顔負けのネーミングが面白い。歴史がある岩場です。

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広島に戻って陽射しがサンサンの登山道でお仕事。瀬戸内海沿岸部はこれからがベストシーズンです。ここからDASH島までは50kmくらい。見えているのか?f:id:yoshida1487:20201207134038j:plain気持ちの良い落ち葉サクサクの陽だまりハイクでした。f:id:yoshida1487:20201207171437j:plain温暖な瀬戸内と豪雪地帯に指定されている西中国山地は南北50km程の距離しかありません。全く違う景色を味わえる冬は山の楽しみ方が広がります。来週の寒波がどれくらいの積雪になるのか楽しみですね。 寒気予想はコチラから。

秋から冬へ。

紅葉も落ち葉にかわり、季節は本格的な冬を迎えます。

まだ寒気は下りてきていませんが、風が冷たいです。f:id:yoshida1487:20201120121639j:plain

 

今年の秋は天候に恵まれて良く歩き、良く遊べました。

温かい日は岩の上でくつろいだり。f:id:yoshida1487:20201119163704j:plain

日当たりが良い岩で挟まったり。f:id:yoshida1487:20201119163741j:plain

寒い日は日溜まりであーだ、こーだと研究してみたり。f:id:yoshida1487:20201119163809j:plain

天気が悪い日は雪山装備を出してみたり。f:id:yoshida1487:20201119165044j:plain今シーズンは雪はどうなんでしょうか?予想も噂も期待大です。

そういえば、今年は駐車場のトイレにカメムシの姿がありません。改装したからなのか?ここだけなのか?何かの予兆なのか?虫の知らせは、どちらを示唆しているのでしょうか。

里山縦走は工夫しだい。

先日の講座もよく歩きました。市街地近郊で、車道を跨がない16㎞のトレイルは貴重です。アプローチ含めて20㎞弱、10時間行動でした。みなさん健脚で良かった。f:id:yoshida1487:20201116145559j:plain

普通、登山計画の基本は早出早着ですが、私は敢えて出発時間を遅くしています。その理由は2つ。

①朝食をしっかり食べていただきたい  ②下山時刻に焦らない

①は長い行程を歩くために必要なエネルギーを事前にしっかり採っていただく事。疲れると消化も悪くなります。②は下山時刻と日没を気にせずに歩く事。日が暮れ始めると気が急いてしまいます。下山を日没後と計画すれば夜道も楽しく歩けます。たぶん。f:id:yoshida1487:20201116145657j:plain

もちろん、どちらも綿密な登山計画の中にあります。リタイアからエスケープ、傷病対応まで不測の事態を想定できているかが大事です。何事もなければ、OKという事ではありません。

f:id:yoshida1487:20201116145522j:plain人気の山も、西日が照らす頃は貸切状態。風もなく穏やかでした。

 

地理院地図のルート断面図。上図が前回の講座16㎞ルート、下図が今回の16㎞ルートです。

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多少デフォルメされていますが、一見下図の方が山塊が大きく大変そうです。でも実態は上図の方が体力的にキツイかったです。細かいアップダウンが続くと下半身へのダメージが早めに現れてきます。どちらも累積標高差(±)1500m程なのですが、蓄積された疲労が現れるタイミングが違います。下図は14㎞過ぎからの下りでダメージが現れ始めますが、ゴールはもうすぐなので、精神的には楽です。

 16kmは意外に長い。上高地からだと、穂高岳山荘くらいまで行っちゃいます。ずっと登りですけど。

里山縦走の特徴はこの細かいアップダウンの連続です。景色は楽しめませんが、鍛えられます。 雪山でラッセル苦手な方には良いトレーニングです。

チェーンスパイク

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チェーンスパイクの事を、最近チェーンアイゼンという方が多いので投稿してみました。(名前はどちらでも良いのですが理解がポイント)

※↑写真は少しズレて装着していますが、チェーンスパイクなんて物はルーズな物。

標高2000m以下の山でも降雪がある季節になってきましたね。雪が少しあったりなかったり、少し氷化していたり。こういうシチュエーションにはチェーンスパイクが大活躍。

ルートや状況にもよりますし、ご自身の歩行技術にもよりますので一概に言えませんがそれぞれの特徴を知った上でご自身で判断していただければと思います。

●チェーンスパイク
凍結した平らな路面歩きに。全面に”短い”爪が10本程。柔らかいラバー素材で靴下の様に履く。慣れれば着脱が用意、言い換えればフィット感はイージー。


●軽アイゼン(4本)
低山・里山での備えとして。靴の土踏まず部分に装着するタイプです。コンパクトなため携帯に適しており、里山や低山にて雪があるかどうか迷う時に備えとして持っていくと重宝するモデル。爪の接触面が少ない。


●軽アイゼン(6本)
夏の雪渓や積雪時の低山に。4本爪アイゼンに比べれば安定感がある。夏の雪渓歩き、道が凍る箇所がある冬の低山に適している。
※つま先部分に爪がないため急な斜面には向かない。

爪の長いアイゼンは爪の短い物に比べて雪面に食い付きます。爪が短いという事は、雪面への食い付きは悪いですがひっかかりが少なく特に爪を意識する事無く歩く事が出来ます。雪のある場所と無い場所が頻繁に現れるような場所では、軽アイゼンを装着したままでの歩行には不便を感じます。とくに岩場や木の上など爪の刺さらない箇所などはむしろアイゼンでの歩行はバランスを崩しやすく、その度にアイゼンを装着したり外したりを繰り返すのは非常に面倒です。チェーンスパイクなら着脱がしやすく、爪が短いために装着したままで雪のない場所や岩場を違和感無くやり過ごすことも出来ます。

逆に多少の傾斜があり、氷化したような場所では爪が短くフィット感がルーズなチェーンスパイクでは不安がありますので軽アイゼンの方が安心です。個々の歩行技術にもよりますの一概には言えませんが。

端的に言ってしまうと平地ではチェーンスパイク、山ならば軽アイゼンっていうのが一番単純な使い分けだと思います。※軽アイゼンは土踏まず部分に爪があるだけですので、斜度のある雪山には対応していません。

ケースバイケースで使い分ける必要があります。

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チェーンスパイクが便利なのはこんな感じの場所ですね。
ご参考までに。

山岳救助講習。

秋も深まり、里山にも紅葉が下りてきました。

三倉岳は、今が見頃・登り頃です。多くのハイカー・クライマーで賑わっていました。f:id:yoshida1487:20201105124844j:plain

その三倉岳で、山本一夫ガイドと島田和昭ガイドを講師に山岳救助講習を開催しました。

参加者も山岳会系、消防団、ガイドなど、やる気満々の顔ぶれでした。めったにない機会だからですかね?

講習は、事故発生から救助要請までの一連の流れをシナリオトレーニングしました。f:id:yoshida1487:20201105125259j:plain当たり前に使っているカラビナやロープなど道具の性能や扱い方、弱点などの基本知識から始まり、自然物を使った支点の構築をみっちりと。固定ロープの張り込み、ムンターでの引き上げ下ろし、3倍力などもみっちりと。

木漏れ日の中でしたが、日が傾くにつれて風が冷たくなってきました。f:id:yoshida1487:20201105124615j:plain

みなさん積極的に講習に参加いただき、充実した一日でした。f:id:yoshida1487:20201105131017j:plain

最後は、背負い搬送で下山。f:id:yoshida1487:20201105143052j:plain

実践で使う機会も少ない救助技術は、忘れてしまいがちです。インプットした知識は、アウトプットすることで完了です。Safety・Speed・Simpleを意識して、何度も繰り返し練習して身に付けていただければと思います。 

紅葉を見下ろす三山縦走。

お仕事で岡山のご当地「三山」へ。

山が3座並んでいるので三山という事なのでしょう。出羽三山、鳳凰三山、白馬三山などは全国的に有名ですね。他にも地元で有名なご当地三山はたくさんあるようです。

こちらは蒜山三山。f:id:yoshida1487:20201026142752j:plain

岡山県の蒜山三山は山名も分かりやすく、上蒜山・中蒜山・下蒜山の3座です。3座並んでいるので、縦走スタイルが人気です。紅葉を眼下に、気持ちの良い稜線歩きが楽しめました。

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 紅葉は1000m付近が見頃を迎えていました。f:id:yoshida1487:20201026141019j:plain

 

景色に目を奪われ過ぎると、講習が疎かになってしまいます。しかし、今回はナビゲーション表から、登山計画・行動計画をしっかりと準備していただいたので、現場では確認作業のみ。綿密な計画は、登山をスマートにしてくれます。縦走は食糧計画を学ぶのにも最適ですし、地形を見下ろす稜線縦走は現在地確認の練習にも便利です。f:id:yoshida1487:20201026105219j:plain

この日は、西高東低の冬型で、冷たい北風が強かったです。気温10℃以下・風速10m/s以上という低体温症のリスク3原則の2つをクリアしており、雨が降ってたら中止にするべき天気でした。 

f:id:yoshida1487:20201026153125j:plain雲が強風で流されて、山肌に写る雲の影が目まぐるしく変わっていました。

西日本も初冠雪の便りが届く時期になりました。寒暖差の大きいこの季節は、冬の装いを持って出掛けるようにしましょう。

剣山。紅葉がきれいでした。

お仕事で四国のミステリースポットへ。

紅葉が見頃です。山頂部から少しずつ紅葉が下がり始めていました。f:id:yoshida1487:20201020112318j:plain

1600~1700m辺りが見頃でした。

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ナナカマドの黄葉f:id:yoshida1487:20201020112504j:plain

秋の雲は多様です。f:id:yoshida1487:20201020112647j:plain西日本では、これからが本格的な紅葉シーズンです。徐々に高度を下げて、里山の見頃は来月中旬頃からですかね。 風が冷たく感じる秋。山頂ではジャケットを着こんだり、手袋やニット帽を着用されている方もいました。ゆっくり楽しむために防寒対策をしてお出掛け下さい。 

やっぱり剣山は、到着早々疲れてしまうヘアピンカーブ7連発が核心です。安全運転で!