好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

山は秋へ

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※8月末劔沢の朝。

山では初氷も観測されました。今時期の山は朝晩は冷え、日中は日差しがあれば暖かく、なければ寒いと感じる季節になりました。秋山の注意点として、夏山と大きく異なるのが気温の低さ。特に朝夕は冷え込みます。

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※劔岳の夕暮れ。

秋山と言っても標高帯や山域、9~11月の間で異なるのでなんとも言えませんが晩夏と初冬が入り交じります。

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※9月初旬ジャンダルムの天使。

厚手のウェアで済ますではなく、細かな調整が効くウェアでこまめにレイヤリングを調整しましょう。手袋やネックウォーマーなどのアイテムも大切です。

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遠くの山までクリアに見えるのが分かると思います。山の空は秋。f:id:asahiryuta:20170904163038j:plain

穂高では7月に4時30分だった日の出時刻も9月は5時30分、日の入は19時だったのが18時になります。空気が乾燥していますから昼から雷なんて日は少なくなりますが、行動出来る時間も限られてきますので秋山という事を意識して計画や装備を見直してみてください。

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高山帯では、早いところでは9月下旬から10月上旬に初雪が観測されます。天気予報や、計画している山域の平均初冠雪日をあらかじめ確認する。十分に余裕を持った計画で秋の山を楽しみましょう!

天気に恵まれた北アルプス ”複数泊の縦走は休養が重要!”

先月末にお隣(地元白馬の隣)の山域にガイドとして縦走してきました。

日程2日目の豪雨を除けば、3泊4日中3日間も晴天の素晴らしい山行となりました!!

 

行程は中房温泉→燕岳→燕山荘泊→大天井岳→常念小屋泊→常念岳→蝶が岳の日程。

 

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常念山頂直下より3日間で歩いてきた道のりを振り返る。

後の団体さんは遠路四国から!! 同行の先輩ガイドの、案内、ホスピタリティーがとても勉強になりました。

 

山小屋に3泊する行程では身体をできるかぎり疲れさせないか、山小屋でいかに体を回復させるかが大切になります。行動中に疲れないようにするには、自身の基礎体力、歩き方、ペース配分といった部分が重要になりますがこれは経験を積まないとすぐには習得できるものではありません(四国からのガイドさんペース作りは素晴らしかった)。

 

が、山小屋での体調管理、回復は誰にでも簡単にできます。

 

要点を

① 到着後直ぐに道具の管理(濡れたものを乾かす、快適滞在に向けての整理等)

②(標高が2000m以上)高山病予防の為に「初日は着後すぐに昼寝をしない」

③ 整理運動をする(小屋周辺の散策や部屋でのストレッチ)

④ 体を冷やさない。適度な服装でぽかぽかに。

⑤ 水分、エネルギー、蛋白質(アミノバイタルがお勧め)摂取(お酒はほどほどに)

⑥ 快適な睡眠(耳栓、アイマスク、インナーシュラフ、リカバリーウエア等)

 

最近は、アミノバイタル、リカバリーウエア、インナーシュラフ等、かさばらずに効果テキメンの物が多いので助かりますね。

 

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部屋でストレッチ(体が硬い!!) 疲れた足、重い荷物を背負ってこってしまった肩を重点的に。痛くない・心地よいくらい伸ばして。

 

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標高の高い山小屋で到着後すぐに寝てしまうと、酸素摂取量が減ってしまい高度障害が出てしまうことも。初日は散策、おしゃべり、ストレッチ、ティータイム等で2時間くらいは起きてることをお勧めします。写真は2日目なのでお許しください。

 

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 槍・穂高をバックに。良い同行者のおかげで充実した山行でした。

 

田中が山小屋で着用しているのは「ベネクス」リカバリーウエアとして注目されています。好日山荘での取り扱いはまだ数年ですが、私はもう5年以上、家でも山でも使用しています。本当にお勧めです!!

 

ベネクス紹介ページはこちら

 

山小屋滞在グッズはおとな女子登山部のあやや紹介していますので是非ご覧ください。

 

皆さんも快適装備を揃えて是非秋の清々しい山にお出かけください。

ヨーロッパアルプスの山小屋について

6月末から8月中までスイス、フランス、イタリアの山を登ってました。
あちらの小屋についてのお話。
2-3時間以上歩かないと着かない小屋が対象です。

 

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■ 小屋に着いて

 大体1Fに下駄箱みたいな荷物置き場があり、そこでサンダルに履き替えます。
 日本同様受付をします。すると部屋とベット番号を教えてくれます。
 精算は夕食後8時以降です。その間の飲み食いもつけで買います。

 人気の山や標高高いところは15,000円。あとは9,000円位。

 

■ くつろぐ時間
 一般的に小屋でなにか頼んだり、ワイン、ビール等飲みます。
 日本と同じですね。
 

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 これはイタリアの小屋でコーヒー、スープ、オムレツを頼んだもの。
 イタリアの小屋は食事美味しいです。


■ 夕食
 夕食は18:30または19:00から。
 まずスープ、パン。次にメイン、最後にデザートです。
 内容は小屋により差がありますが、2000m-3000mあたりの小屋

 はまあまあ美味しい。高くなるとだんだんいまいちに。
 順番でに出てくるので夕飯終了は8時以降になります。
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 まずは皿とチーズ

 

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 スープ導入

 

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 メインディッシュ

 

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 デザート
 これはかなりいい食事の小屋です。

 

■ 精算
 夕食が終わった8時以降くらいから精算です。
 グループ単位でやりますが混みます。
 その後寝るかは各自の自由です。

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 これはグーテ小屋


■就寝
 ガイドとお客さんは別部屋です。基本ベットで小屋は予約制なので
 しっかりとスペースあります。

 

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 これはガイド部屋

 

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 新しく綺麗な小屋のお客さん部屋。
 毛布が2枚ほどあり、どこも小屋の作りが頑丈なので寒くないです。
 小屋はインナーシーツの持参を推奨してます。


■ 朝食
 小屋によりターゲットとする山へ登るための時間設定になってます。

 例として
 モンブラン グーテ小屋 2時
 マッターホルン ヘルンリ小屋 4時
 等。大体2-5時くらいです。

 基本パン、チーズ、コーヒー、紅茶。それに小屋によりシリアル、ジュース、牛乳があるときも。
 私は朝パン&コーヒーなので日本の小屋もこれならいいなあと思います。

 皆5-10分くらいで、食べて早い人は10分後遅くても20ー30分後には出発します。
 ハーネスをはいて食事している人もいます。
 
■ 水
 基本水は買います。食事時もでません。
 従って通常小屋で水をボトルで買います。
 標高が低く近くに水が流れているエリアの場合手洗いに水がでルところもありますが、
 基本どこも水がないと考えた方がいいでしょう。
 
■ トイレ
 なぜかどこも小屋も少ない気がします。
 2-30人で1個位の割合。

 

■ 充電
最近充電できる電源がある小屋もあります。

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夏は9時すぎても明るいので夕食後いい景色を眺めます。もちろん寒いです。

剱岳

夏も本番!
北アルプスの名峰
岩と雪の殿堂 剱岳へ

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↑雷鳥坂から見た室堂 残雪多いですねー
 6月下旬な感じがします

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↑剱御前小屋から剣山荘へのトラバースルート
 ルートの半分近くが雪ですので不馴れな方は
 要アイゼン!剣沢経由ならノーアイゼン!

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↑前剱付近より剱御前方面
 岩場歩きの訓練やクライミングでバランスを
 鍛えたり 近郊の山やジムで鍛えてきたみなさん
 がんばれー

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↑カニのたてばい 三点確保で慎重に!

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↑天気はいまいちですが無事登頂!
 ちなみにガイドは2名ですよ

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↑カニのよこばい 緊張感漂ってます
 霧雨で岩も濡れてるし
 ガスがかかって下が見えなくて良かった?

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↑その後も気は抜けませんね
 剱岳は気力も体力も技術も必要!
 みなさん経験を活かして無事下山へ

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↑最後の室堂への登り返し
 意外と辛い最後の試練 
 その後は温泉→回転すし
 お疲れ様でしたー



剱岳登頂時に役に立った登山用品
安全装備として
ヘルメット、簡易ハーネス
120cmスリング、安全環付カラビナ
岩場や鎖で扱いやすい
薄手手袋→バーグハウスおすすめ!
剱岳手前の小屋までに役に立った登山用品
汗かきの人は特に
速乾肌着→ファイントラックおすすめ!
疲労軽減に→ストック!
雨がふると岩場でザックカバーはピッタリなら
よいが少し大きいと浮き石ひっかけて危ないので
→インナーバック!
防寒防風保温で一番活躍したのは雨具!
→バーグハウス エクストレムライト
http://www.kojitusanso.com/shop/c/c24-119/

※剱岳は初心者のみではありません!
 今回もなんと13時30分から登りだした
 パーティが下山時に転落して頭を大ケガ!
 気力体力技術そして行動時間に余裕をもって
 挑戦しましょう!
 ちなみに私たちは剣山荘5時出発でした

7/29(土)は「くじゅうフェス」開催!!

阿蘇くじゅう国立公園は、1934年の国立公園指定から

80年余りが経過しています。
大分県くじゅうには九州本土最高峰の「くじゅう連山」や

国内最大級の中間湿原「坊ガツル・タデ原湿原」
など多様な自然景観・生態系が残っており、

この自然は地域の人々の活動によって守られています。
8/11の「山の日」を前にこの地域ならではの活動や自然に触れ合いながら、
くじゅうを楽しめるくイベントが開催されます。

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(長者原駐車場/この駐車場の奥で開催です。)

好日山荘もお邪魔します。
吉田ガイドと河野でワークショップを開催します。
○「ツエルトの張り方、立て方、使い方」
○「登山に役立つロープワーク」
ワークショップの参加は無料です。

くじゅうフェスの詳細はこちら

山の日にちなんだかわいいキャラクター「ヤーマン」の
ボトル、ヤーマンフィギュアも販売しますヨ。
その他、好日山荘の店舗で使えるクーポン券などを用意して
皆さんのお越しをお待ちしております。

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(夏のボウガツルテント泊も気持ちがイイですよ!)

登山学校実技講座 プリンスルートから登る富士山 全員登頂!!

 

7月中旬から昨日までの2週間の間に3回富士山に登ってきました。

 

1回目は落語家の桂文枝師匠の芸能生活50周年記念奉納登山のガイド

8月17日(木)BS朝日「ザ・ドキュメンタリー」「落語家・桂文枝!芸能生活50周年!」~「落語」を生み出しつづけてきた情熱の噺家!そして…テレビの歴史を作った男~
放送局 : BS朝日 放送日 : 2017年8月17日(木)19:00~20:54
是非ご覧ください。

 

2回目はおとな女子登山部 詳細は→ 初日の様子 二日目の様子

 

そして3回目は24日、25日の日程で好日山荘登山学校のガイド

 

5月から「登頂率が上がる」と大口をたたいて各地で机上講座を開催しました。

その同行で登頂率が悪いと「口だけガイド」と呼ばれてしまうとプレッシャーを感じてしまっていましたが、なんと、3回で合計60名様をご案内して、登頂率は100%!

 

「口だけガイド」と呼ばれなくて良かった・・・・・・ほっ

頑張って登頂頂いた皆様 本当におめでとうございます!!

 

登山学校の様子を写真でご報告します。

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登山ルートは 富士宮口から宝永火口を経由するプリンスルート

 

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富士登山の基本は「ゆっくり」 6合目まででゆっくりペースに慣れてもらいます。

 

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宝永山と火口 「日本とは思えない景色」との声が出るくらいのスケール

 

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見るのは綺麗ですが、溶岩のがれ場を登るのは大変・・・黙々と足を出して

 

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スパッツ必須 (ネックゲーター、サングラス等の砂埃対策)

 

 

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 宿泊は七号五尺の「砂走り館」 何度も泊まっていますがいつも感じの良い対応に感謝

平日という事もあり空いていて快適でした。

 

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 あいにくの曇り空でご来光!!とはなりませんでしたがそれでも美しい日の出を堪能

 

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そしていよいよ山頂に向けて出発。全員で山頂を踏むぞーーー。

 

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山頂はすぐそこに見えてる。が、なかなか近ずいてこないのが「富士山あるある」

 

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 九合五勺 もうひといき!!

 

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そして全員で登頂!! 火口をバックに集合写真 登頂おめでとうございます!!

 

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 おまけ 下山はサクサク下って 五合目まで休憩も入れて五時間で。

 

富士山シーズンはまだまだこれから続きます。

私も各地で富士山講座を担当しますので是非聞きに来てください。

好日山荘富士山特設ページ

 

今回はお天気に恵まれましたが、雨、風等の天候悪化時には大変厳しい登山に変わります。好日山荘では7月31日まで大変お得なセール期間となっておりますので、レインウエアの上下、グローブ、スパッツ、ヘッドランプ等 しっかりとした登山用のものでないととてもつらい思いをすることになります。必ず事前に装備の確認をして足りないものは是非このお得な期間にご購入下さい。 

シャモニ周辺の山

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6月末から7月初めまでシャモニ周辺の山へ行ってました。
ヨーロッパも今夏暑いです。しかし4000m近辺は悪天だと雪降りますが。

 

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標高の高い山は氷河があるので、単独行はありえなく、クレバスに落ちた時救助できるようにロープを繋いで歩きます。

 

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底が見えないクレバスは怖いです。

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高度に関して、ヨーロッパの山は短期間で予定される方が多いので、

順化不足で苦労した、という方が多いです。
3日間位かけてゆっくり順化、到達高度を上げていけば慣れると思います。


街並み、ハイキング、登山どれをとっても長い歴史と文化を感じます。
一度は検討されてもいいかと思います。

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ドーロンでとりました。