好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

登山学校実践編 八ヶ岳 赤岳-阿弥陀岳-御小屋尾根下降

時期的には厳冬期真っ只中。

 

美濃戸口から行者小屋手前まで道は氷結してツルツルでした

近年の冬は寒暖差が激しく、雨が降って溶けて凍ったり、こんなことに。

以前まで冬は安定して冷えていたので雪だけでした。

こんな時チェーンアイゼンが役立ちます。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170219183210j:plain

意外と退屈なアプローチ南沢経由で行者小屋へ。

八ヶ岳ブルーが迎えてくれます。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170219183347j:plain

翌朝の地蔵尾根は超冷気が吹いて寒かったです。

バラクラバ必携。

そして絶対素手になってはいけません。

その時良くても後からギンギンに冷え、痛くなります。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170219183519j:plain

稜線に出ると日が出てきてなんとか耐えます。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170219183454j:plain

いつもの南アルプス3兄弟。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170219183610j:plain

中岳、阿弥陀岳を越えて、御小屋尾根を下降して出発点である美濃戸口へ。

この日は結構寒いでした。

山は色々な厳しさを経験して、自分なりの対処法、ここまではOKという感覚

を学ぶのが重要です。

 

今年の鈴鹿は本格的な冬山

御在所岳でアイスクライミングをしてきました。

今シーズンの鈴鹿山系は1月中旬以降寒気の流入が激しく、毎日白い雪雲に覆われています。この日も断続的に吹雪いていました。
しばしば膝~膝上ラッセルがありました。f:id:isakamichihiko:20170215133237j:plain

今回はアイスクライミングに時間を割くために上下山ともロープウェイを使用しました。
家からロープウェイ駅まで30分、ロープウェイ10分、取り付きまで30分。
Door to Iceが1時間ちょい。なかなか良い場所です。
まずはαルンゼ、氷結も良く、グイグイ登って2ピッチで終了。f:id:isakamichihiko:20170215133139j:plain

 

藤内沢を下降して3ルンゼへ。風が強く、猛烈なスノーシャワーをくらいます…f:id:isakamichihiko:20170215133801j:plain

 

ずっとビレイをしてたら雪まみれになってしまいました。。
気温が高く、湿った雪が降るので装備が濡れやすいです。
脱いだグローブは外に置かずにジャケット内側のポケットに入れる、ウェアはグローブに付いた雪はなるべく早く掃う等濡れに対するケアが重要になりますね。f:id:isakamichihiko:20170215134042j:plain

 

お、晴れてきました。
青白い氷と青い空。これぞアイスクライミングの醍醐味です!!f:id:isakamichihiko:20170215134625j:plain

ニュージーランドベストハイキング&トレッキング8日間 同行レポート

1月28日~2月4日まで阪急交通社のハイキングツアーに同行してきました。

「ハイキングツアーにしては長い日程」???

 

そうなんです。海外のハイキングツアーだったんです!!

 

ガイドを専門で行っていた時代には一年に何度も海外の登山・トレッキング/ハイキングツアーに同行していましたが好日山荘入社後は初の海外。渡航先は私自身の初海外渡航先、初ガイドデビュー先、成人を迎えた先であるニュージーランド!! 切れたパスポートを再取得して、スキップしたい気持ちを必死で抑えながら成田空港を出発しました。

 

ありがたいことに田中同行の特典つきの同出発日は年末から満席になり、20名様のお客様と添乗員様と共にニュージーランドを満喫してきました。天候にも恵まれ連日絶景の中をハイキング、トレッキング、登山。その様子を写真にてお伝え(自慢)します。

 

 

f:id:saruatsushi:20170206130705j:plain

 航空機、バスを乗り継ぎ約20時間かけて南島のテカポという村へ。到着後すぐに近くの山(マウントジョン)に登ってきました。

 

f:id:saruatsushi:20170206130734j:plain

山頂からの180°パノラマ!! 氷河湖の水は空の色の様に真っ青です。 

 

f:id:saruatsushi:20170206130905j:plain

翌日はアオラキ/マウントクックへ 定番のフッカー湖ハイキングへ。  

 

f:id:saruatsushi:20170206130930j:plain

 天候が安定しないことでも有名な南島の西海岸側ですが、日ごろの行いの良い我々のグループにはこれ以上ない晴天で迎えてくれました。

 

f:id:saruatsushi:20170206131013j:plain

フッカー湖(氷河湖)、氷塊、そしてアオラキ/マウントクック(3724m) 

 

f:id:saruatsushi:20170206131116j:plain

 1日休養して、ミルフォードトラック1日ハイキングへ。世界でも最も美しいトレッキング道として有名です。

 

f:id:saruatsushi:20170206131141j:plain

 もののけ姫の世界(撮影技術が悪いので本当の美しさがお伝えできず・・・)

 

f:id:saruatsushi:20170206131211j:plain

ネイチャーウオークの中を現地ネイチャガードさんの案内で歩きます。 

 

f:id:saruatsushi:20170206131303j:plain

翌日はルートバーントラック1日 キーサーミット登頂登山 

 

f:id:saruatsushi:20170206131342j:plain

ツアー後半ですが、アミノバイタルを毎晩飲んで頂いたおかげかみなさん元気!! 

全ての行程、1人の脱落者も出ずに歩いてきました。

f:id:saruatsushi:20170206131428j:plain

 キーサミット山頂から望む マウントクリスティーナとエーデルワイス

f:id:saruatsushi:20170206131458j:plain

 自分の写真がないことにツアー後半で気づき写真を撮ってもらおうとお願いした人がなんと私とおそろいのジャケットを!! イギリスから来た女性 カメラを向けると自然にモデルポーズ。流石、絵になりますね。

 

f:id:saruatsushi:20170206131532j:plain

 それに比べて私は・・・お腹が出てるのではないですよ。真夏とは言え夏でも山中では冷え込むニュージーランドなのでアウタージャケットの下にダウンジャケットを着てます。決してお腹が・・・。

 

帰国したら白馬村は大雪。夏のニュージーランドから気持ちを切り替えて冬山・雪山講座のガイドに戻ります。

 

2月、3月も多くの登山学校講座があります。毎年大変ご好評いただいている白馬周辺での実技講座も開催しますので、ご興味のある方は是非登山学校のページ こちら をご確認ください。

ラッセルのすすめ

f:id:asahiryuta:20170125135318j:plain

最近はコンスタントに降雪があり、冬らしい感じになってきました。積雪期の登山の楽しみの一つといえば、ラッセル。しまった密度が濃い雪は、比較的沈みにくいですが、降ったばかりの低密度の雪は沈みますのでラッセルが必要になります。

f:id:asahiryuta:20170125134915j:plain

岐阜・大日ヶ岳で新しい積雪30〜40cm。一部トレースを使わずラッセルしましたが、先行者(好日山荘スタッフ)がラッセルしたくれたおかげで予定どうりのコースタイムで登下降。非常に助かりました。ありがとうございます!

f:id:asahiryuta:20170125134744j:plain

鈴鹿・御在所岳中道では新しい積雪30〜40cm。数日前のトレースも消えて誰も歩いていない場所はフットペン80cm(つぼ足での貫入)。湯の山温泉からフルラッセルで予定の2.5倍の時間がかかりました。

以前、私の先輩ガイドがいつも言っていました。「雪山は1に体力2に体力」と。雪山はラッセルが出来てこそ1人前だと。

f:id:asahiryuta:20170125135548j:plain

こんなにあるとなかなか前に進まないのですが…。

ここで山のお話を一つ。

皆さん知っているかもしれませんが雪山登山に関して、ラッセル泥棒という言葉があります。要は他人や他のパーティがラッセルした後を特に断りもせず付いていき労力を使わずに登山する行為。雪山登山で先行する他のパーティが自分と同じ場所を目指している場合、もともと知らない同士であってもラッセルを交代で行ったり助け合い、ラッセル泥棒はしないのが山のルールかと思います。また先行者がいた場合にラッセルの労をねぎらう感謝の言葉も大事です。

f:id:asahiryuta:20170125135229j:plain

ルート取り、トラックセッティング、ラッセルは疲れますが非常に楽しいです。自分がつけたラインがそのまま残るんです。地形にあわせてなるべく美しいラインどりをしたくなります。またラッセルに要求されるのは、体力だけではありません。ボディバランスの良い効率的なラッセル技術は存在します。自分で道を開拓する楽しみ、雪山の真髄です。

f:id:asahiryuta:20170125140839j:plain

トレースありきではなく、やはりありのままの雪山を行くならばワカンやスノーシュー等の深雪・新雪対策は必要装備です。また深い新雪に対してはピッケルはアンカーにならずスノーバケットのついたトレッキングポールが役立ちます。(使い方にもよりますが)もちろん氷化した滑落の危険がある場所はピッケルです。昨日、好日山荘に買い物に行ったらクリアランスで冬山ギアがなんと20%OFF!!。新しいアイゼンを購入してしまいました…。

AIRMONTE(エアモンテ)スノーシューズ(アルミワカン)(-): 登山・アウトドア用品登山用品・アウトドア用品の通販専門店 好日山荘

という事でせっかくの降雪続き。ラッセルのすすめでした。 

 

関西の雪山状況

この10日ほどで登った山の状況です
f:id:shimadaguide:20170123124222j:plain
15日鈴鹿御在所岳 積雪30-40cm 
降雪後の本谷は雪崩リスク高くルート変更
中道を登りましたがキレットで時間切れ
帰路の中道から裏道へのトラバースでは
トレースなくご覧の通りのラッセル
夏道の2倍ほどの時間がかかりました

f:id:shimadaguide:20170123124617j:plain
18日比良αルンゼ 積雪30-40cm
林道の除雪がなく林道歩きのラッセル
および取り付では吹きだまるルンゼの雪が
多すぎでドラッセルすぎて敗退
堂満なども湖西道路高架下までしか車は
入れませんので登頂には充分な時間を
とることが必要です

f:id:shimadaguide:20170123125011j:plain
19日大峯観音峰 積雪10-20cm
登山口から観音峰展望台までは軽アイゼンや
シューズチェーンも有効ですがそれより上部は
それらのアイゼンでは着雪や深雪のため刃が
効かないためできれば前爪付アイゼンの方がよい

f:id:shimadaguide:20170123125509j:plain
20日姫路御着の岩場クライミング
冬型気圧配置でありながら日が射すと
暖かく登れる 雪とはほぼ無縁
高御位山も冬でもアイゼン不要で
ハイキングを楽しめます

f:id:shimadaguide:20170123125740j:plain
f:id:shimadaguide:20170123125813j:plain
f:id:shimadaguide:20170123125855j:plain
21日好日山荘登山学校 鈴鹿綿向山
積雪山麓10-20cm 頂上付近50-80cm
完全雪山装備でみなさん強風の中雪山訓練
がんばりました やはり夏のコースタイムの
1.5倍はかかりました
余裕をもってしっかりとした雪山装備で
登りたい状況です

f:id:shimadaguide:20170123130223j:plain
22日六甲山頂 2-5cm
頂上稜線直下の南側の谷筋や吹きだまりは
まだ雪が少し残っています 北側の裏六甲は
雪景色を楽しみながらの登山がしばらく
できそうです チェーンアイゼンや軽アイゼンが
オススメです

f:id:shimadaguide:20170123130605j:plain
22日 丹波三尾山 10-20cm
陽当たりよい場所は溶けていますが
樹林の中や北側は雪があります
虚空蔵 三嶽 松尾山 など丹波の山も
雪がありますので雪山登山のチャンス
軽アイゼンは必携です 傾斜の強い山の
場合は前爪付アイゼンがオススメです

関西にはたくさんの雪がつもり
雪山シーズンを堪能できますね

2月4日5日は
登山学校加藤校長と島田ガイドのコラボで
武奈ケ岳テント泊体験登山を開催します
雪山テント泊初めての方も経験者の方も
納得して安全に楽しんで行けるように
集合後にまずはテント泊の装備チェック
パッキングースーパーで食材の購入
歩き方ー設営のポイントなどなど
盛りだくさんで開催します
冬シュラフは貸し出し可能!
テントはガイドが持参します
まだ若干空席ありますので
興味のある方は下記のページから
お問い合わせくださいませー!
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/

登山学校実践編 「雪山ギアの使い方と歩行技術 谷川岳」 改め 「極寒の中のラッセル体験」

山下ガイドもコラムに書かれていますが、土曜日、日曜日は谷川岳・北横岳にて登山学校の実技講座を担当しました。

今年一番の寒波!! 極寒、猛吹雪を期待していましたがそこまでひどい天気にはならず快適(お客様にとっては厳しい天候だったようですが)な登山学校となりました。

 

土曜日は谷川岳の山麓にてアイゼン・ピッケル講習の予定が、雪が深すぎてラッセル祭りとなりました。胸まで埋まるラッセルを体験する機会は多くないのでお客様は悪戦苦闘しながらもラッセルを楽しんで頂けました。

ラッセル時の足の運び方、足の裏(足首)の角度、雪を集めて固める(圧密させる)、ピッケルやストックの活用等、実際にラッセルしてみないとわからないコツが良くわかって頂けたようです。

 

低温、強風、雪と冬山らしい気象条件でしたがお客様からは「この雪を経験できただけで満足です」との声が聞こえました。ポジティブ!!

 

胸まで埋まるラッセルの図 がんばれ―

f:id:saruatsushi:20170117192346j:plain

 

樹林帯の中でもこの風と雪  それでもお客様はご機嫌です!!(そうは見えない?)

f:id:saruatsushi:20170117192710j:plain

 

今回新調したハードシェル 高性能ウエアのおかげで快適。

f:id:saruatsushi:20170117192803j:plain

 

バスの中では「レイアリング」に関しての質問が出ました。

 

参考までに田中の今回のレイアリング

(天候:雪 気温:―14℃ 風速:5~10メートル 体感温度:約-20℃)

 

上半身

1枚目: ファイントラック スキンメッシュ (半袖)

2枚目: バーグハウス メリノウール250

3枚目: バーグハウス ディセプションフリース

4枚目: バーグハウス チベッタⅡジャケット

休憩時にはジャケットの下にインナーダウンを着用

 

下半身

1枚目: バーグハウス  メリノウール250

2枚目: バーグハウス ウォームストレッチパンツ

3枚目: バーグハウス ストレッチオーバーパンツ

 

頭/顔

ニット帽とバフ’(ネックゲーター)を組み合わせ

 

ネパールエクストリーム

 

グローブ

マウンテンハードウエア 冬用グローブ(品名不明)

バイレス オーバーグローブ(3股タイプ)

 

新調したチベッタⅡジャケットは防水・透湿・耐久性はもちろんのこと、フードのカッティング、袖口の形状、ポケット位置とファスナーのドローコードの使いやすさ、ベンチレーションの開閉しやすさ等、今回のような厳しい条件でも快適に登山を楽しむのに最適です。吹雪いていても写真のようにも笑顔が作れます?

 

寒い中撮影頂いたお客様 ありがとうございます!!

 

1月~3月は各地で雪山に関する実践講座が実施されます。

冬山に行ってみたいけど不安という方は是非一度講座にご参加ください。

 

好日山荘登山学校「雪山ギアの使い方と歩行技術」 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170116200319j:plain14日は谷川岳。大雪で深雪、ラッセルがメインとなりました。

深い所は胸まで。

自分で道を開拓する樂しみ、雪山の真髄です。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170116200340j:plain

谷川岳の雪は湿気ってるんです。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170116200428j:plain

15日は北八ヶ岳北横岳。こちらは雪少ないのでアイゼンが良く効きました。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170116200449j:plain

寒波で寒い!

帰り少しガスが晴れてきて美しい景色が見えました。

これがあるから雪山いいんですよね。