好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

6月初めの劔岳

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劔沢〜八ツ峰下〜上〜劔岳〜劔沢を周回して来ました。

雪は例年よりかなり少ないですが、それでもさすが劔です。

沢筋や稜線の日陰にはたっぷりと残っています。

まだまだこちらはピッケル、アイゼンが必須です。

 

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登攀日は雪も降り寒い1日となりました。

 

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別山尾根はまだ雪がたっぷりあるので時間がかかります。

平蔵谷を下ります。

 

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劔沢の朝焼け。朝は氷点下になりました。

 

CLIMB&RIDE 劔岳

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前回に続き、クライム&ライドのパート2。国際山岳ガイドのSさんと劔岳で登攀と滑走、climb&rideを実践してきました。※今回は島田ガイドはご予定ありで、残念ながら欠席です。

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初日は室堂に昼頃集合して、警備派出所に寄り、情報交換や登山届け等の提出を済ませて劔沢へ。

日差しが強く、暑い…この季節の晴天時にはソフトシェルがおすすめです。

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劔御前小屋を越えて劔沢へ。この日の標高の高い場所はまだまだ滑走に適したコンディションでした!

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滑走ラインを確認しながら、翌日に備えます。登りは源次郎尾根で、滑走ラインは、山頂からダイレクトに平蔵谷に落ちる、ダイレクトルンゼ(大脱走ルンゼ)。

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板を背負っての登攀は重量が増すのと、身体が振られ、技術面で通常よりグレードがあがります。

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源次郎尾根二峰の懸垂下降。

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懸垂を終えて…。

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急な雪の斜面を登り…

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ピークに到着。

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準備を整えて…いよいよ山頂から滑走です。

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急な斜面、スピードコントロールをしっかりして滑走します。

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途中のルンゼ内には大きくクラックが口を開き、滝が露出していました。事前情報と、前日に野営場から場所を確認していたので懸垂下降をしてクリアいたしました。山頂から平蔵谷と劔沢の出合まで約1時間、無事に到着した時には思わずハイタッチをして喜びを分かち合いました。

単純に滑る、登るだけでの方が当然スムーズで、身体への負担は少ないですが、滑走用具を使ってのクライム&ライドは両方を楽しめる上、記憶に残る山行が出来ます。今回の剱岳は今年の滑り納めとなるよい山行となりました。

 

2000mの雪事情

5月中旬は色んな山へ登っていました
そのほとんどが2000m前後の山々
さてみなさんこの山にどれほど雪があったと
思われますか?

長野県南部 小川山烏帽子岩 約2000m

新潟県南部 苗場山 2145m

福島県西部 会津駒ヶ岳 2132m

群馬県東部 皇海山 2144m

さて正解は!

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小川山 全くありません!
これから涼しくクライミングシーズンです

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苗場山 1700mあたりから雪と登山道半々
七号目から70%が雪上という感じです
頂上の平原までの急斜面では前爪アイゼン
ある方がいいです ピッケルも!

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会津駒ヶ岳 1800mから頂上までほぼ雪です
雪がある上部は緩斜面なので6本爪でもいけますが
前爪アイゼンの方が安定して歩くことができます
あと早くもでてきたブヨ対策に網帽子やハッカ油
必携です

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皇海山 全くありません!
山桜が咲き終わる感じでこれから新緑シーズンです

というわけで同じ2000mでも
豪雪地帯の日本海側と太平洋側とはずいぶん
変わってきますね
事前にしっかりと情報を収集して
念のために!もしかしたら!の周到な準備で
山へお出かけください

おまけ
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1時間もあれば充分に楽しめる
新潟県袴腰山のヒメサユリの森
感動しました!これから開花シーズンですよ!

GWからの北アルプス

日本の山のいい時期の一つ。

そんな一コマ。

 

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小さいですが雪庇。朝早く硬いのでまあ大丈夫です…。

 

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北穂小屋からの定番景色。

小屋前テラスでこの景色を眺めながら飲むコーヒーは格別です。

 

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冬厳しい滝谷も春は少しだけ笑顔を見せます。

 

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北アルプスらしい雄大な景色の中でクライミングできます。

 

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スキーマウンテニアリング。

滑って攀じって滑ります。

 

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アルプスを彷彿させる景色です。

 

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センスいい。

 

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こちらは仲間が増えてます。
ジャンダルムに登る理由はこれに会うためかも。


日々雪減りますが、今後は雪面が硬くなりスリップの危険性が高まることもあります。
気温の上昇により落石やまだ斜面に残るブロック崩壊も。

GW中も何回か小石がヘルメットに当たりました。
まだまだ沢筋には雪が残っていますので、標高の高い山へ行く時はピッケル、アイゼンと雪山技術が必要です。

 

久しぶりの快晴@穂高

ずっと安定しない天気が続いていましたが、ここに来てついに、どピーカンに恵まれました。

白・黒・青 残雪期の定番の色彩です。f:id:isakamichihiko:20160513152613j:plain

 

今回はちょっとマイナーなルートから前穂高岳を登りました。下に涸沢ヒュッテと涸沢小屋が見えてますね。f:id:isakamichihiko:20160513153830j:plain

 

傾斜がきつく雪が硬いので、アイゼンは、フロントポイント(前爪)を蹴りこんで登ります。ピッケルはピックを刺します。f:id:isakamichihiko:20160513154056j:plain

 

あと少しで稜線!!f:id:isakamichihiko:20160513154211j:plain

 

吊り尾根へと出ます。左奥が常念岳、手前の尾根が前穂北尾根です。 Ⅳ峰から下ってきているパーティーが小さく写ってます。f:id:isakamichihiko:20160513154504j:plain

 

前穂山頂からのパノラマ。風もなく、快適な山頂を独占できました。贅沢なひと時です。f:id:isakamichihiko:20160513154748j:plain

 

下りは奥明神沢。前日に多量の降雨があった為か大きな落石がゴロゴロ。。
この時期の沢筋では落石が非常に多いです。特に雨天時や気温が上昇する昼間は雪が緩み、不安定な石が落ちやすくなります。また、雪上では石が転がってくる音が聞こえにくくなるのでより注意が必要です。落石を避けるためにも早出早着、スピーディーな行動を心掛けたいですね。f:id:isakamichihiko:20160513154843j:plain

 

岳沢小屋から。正面に乗鞍岳を望みます。上高地はもう新緑が映えてきています。
それにしても1ヶ月早く季節が進んでいるように感じますね。f:id:isakamichihiko:20160513155341j:plain

週末にかけて天気が良い予報が出ています。春山を楽しむには絶好の季節です。
狙っていたピークを登るも良し、中腹の小屋で山を眺めながらのんびり過ごすも良し、家族で麓の森でキャンプするも良し。

素敵な週末をお過ごしください。

残雪の利尻岳

ゴールデンウィーク後半は
日本の海外利尻島へ
低気圧の間をぬってタイミング良く
登頂することができました

標高こそ1721mですが
その山岳気象や環境は
アルプスの3000mと同等
独立峰のためそれ以上になることも

登山口からはじまる雪上を
標高1000m稼いで利尻岳避難小屋へ
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利尻の日の出は早い!なんと4時すぎ
サイコーに美しい朝を迎えることができました
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時より斜度のある雪壁を越え北稜を登る
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登頂!ロウソク岩が美しい
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礼文島や遥か遠くに樺太をみながら
素晴らしい展望の下山です
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最果ての利尻岳
アルプスの残雪登山を経験された方にはぜひ
私たちは登頂確率を上げるために五日間用意して
達成することができました

現地のガイド依頼や山岳情報 宿泊も送迎も
ペンション「レラモシリ」とても頼りになります
http://www.maruzen.com/tic/oyado/index.html

充実の利尻島よ またの会う日まで!
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島田ガイド事務所
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/index.html