好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

ニュージーランドベストハイキング&トレッキング8日間 同行レポート

1月28日~2月4日まで阪急交通社のハイキングツアーに同行してきました。

「ハイキングツアーにしては長い日程」???

 

そうなんです。海外のハイキングツアーだったんです!!

 

ガイドを専門で行っていた時代には一年に何度も海外の登山・トレッキング/ハイキングツアーに同行していましたが好日山荘入社後は初の海外。渡航先は私自身の初海外渡航先、初ガイドデビュー先、成人を迎えた先であるニュージーランド!! 切れたパスポートを再取得して、スキップしたい気持ちを必死で抑えながら成田空港を出発しました。

 

ありがたいことに田中同行の特典つきの同出発日は年末から満席になり、20名様のお客様と添乗員様と共にニュージーランドを満喫してきました。天候にも恵まれ連日絶景の中をハイキング、トレッキング、登山。その様子を写真にてお伝え(自慢)します。

 

 

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 航空機、バスを乗り継ぎ約20時間かけて南島のテカポという村へ。到着後すぐに近くの山(マウントジョン)に登ってきました。

 

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山頂からの180°パノラマ!! 氷河湖の水は空の色の様に真っ青です。 

 

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翌日はアオラキ/マウントクックへ 定番のフッカー湖ハイキングへ。  

 

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 天候が安定しないことでも有名な南島の西海岸側ですが、日ごろの行いの良い我々のグループにはこれ以上ない晴天で迎えてくれました。

 

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フッカー湖(氷河湖)、氷塊、そしてアオラキ/マウントクック(3724m) 

 

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 1日休養して、ミルフォードトラック1日ハイキングへ。世界でも最も美しいトレッキング道として有名です。

 

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 もののけ姫の世界(撮影技術が悪いので本当の美しさがお伝えできず・・・)

 

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ネイチャーウオークの中を現地ネイチャガードさんの案内で歩きます。 

 

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翌日はルートバーントラック1日 キーサーミット登頂登山 

 

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ツアー後半ですが、アミノバイタルを毎晩飲んで頂いたおかげかみなさん元気!! 

全ての行程、1人の脱落者も出ずに歩いてきました。

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 キーサミット山頂から望む マウントクリスティーナとエーデルワイス

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 自分の写真がないことにツアー後半で気づき写真を撮ってもらおうとお願いした人がなんと私とおそろいのジャケットを!! イギリスから来た女性 カメラを向けると自然にモデルポーズ。流石、絵になりますね。

 

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 それに比べて私は・・・お腹が出てるのではないですよ。真夏とは言え夏でも山中では冷え込むニュージーランドなのでアウタージャケットの下にダウンジャケットを着てます。決してお腹が・・・。

 

帰国したら白馬村は大雪。夏のニュージーランドから気持ちを切り替えて冬山・雪山講座のガイドに戻ります。

 

2月、3月も多くの登山学校講座があります。毎年大変ご好評いただいている白馬周辺での実技講座も開催しますので、ご興味のある方は是非登山学校のページ こちら をご確認ください。

ラッセルのすすめ

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最近はコンスタントに降雪があり、冬らしい感じになってきました。積雪期の登山の楽しみの一つといえば、ラッセル。しまった密度が濃い雪は、比較的沈みにくいですが、降ったばかりの低密度の雪は沈みますのでラッセルが必要になります。

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岐阜・大日ヶ岳で新しい積雪30〜40cm。一部トレースを使わずラッセルしましたが、先行者(好日山荘スタッフ)がラッセルしたくれたおかげで予定どうりのコースタイムで登下降。非常に助かりました。ありがとうございます!

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鈴鹿・御在所岳中道では新しい積雪30〜40cm。数日前のトレースも消えて誰も歩いていない場所はフットペン80cm(つぼ足での貫入)。湯の山温泉からフルラッセルで予定の2.5倍の時間がかかりました。

以前、私の先輩ガイドがいつも言っていました。「雪山は1に体力2に体力」と。雪山はラッセルが出来てこそ1人前だと。

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こんなにあるとなかなか前に進まないのですが…。

ここで山のお話を一つ。

皆さん知っているかもしれませんが雪山登山に関して、ラッセル泥棒という言葉があります。要は他人や他のパーティがラッセルした後を特に断りもせず付いていき労力を使わずに登山する行為。雪山登山で先行する他のパーティが自分と同じ場所を目指している場合、もともと知らない同士であってもラッセルを交代で行ったり助け合い、ラッセル泥棒はしないのが山のルールかと思います。また先行者がいた場合にラッセルの労をねぎらう感謝の言葉も大事です。

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ルート取り、トラックセッティング、ラッセルは疲れますが非常に楽しいです。自分がつけたラインがそのまま残るんです。地形にあわせてなるべく美しいラインどりをしたくなります。またラッセルに要求されるのは、体力だけではありません。ボディバランスの良い効率的なラッセル技術は存在します。自分で道を開拓する楽しみ、雪山の真髄です。

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トレースありきではなく、やはりありのままの雪山を行くならばワカンやスノーシュー等の深雪・新雪対策は必要装備です。また深い新雪に対してはピッケルはアンカーにならずスノーバケットのついたトレッキングポールが役立ちます。(使い方にもよりますが)もちろん氷化した滑落の危険がある場所はピッケルです。昨日、好日山荘に買い物に行ったらクリアランスで冬山ギアがなんと20%OFF!!。新しいアイゼンを購入してしまいました…。

AIRMONTE(エアモンテ)スノーシューズ(アルミワカン)(-): 登山・アウトドア用品登山用品・アウトドア用品の通販専門店 好日山荘

という事でせっかくの降雪続き。ラッセルのすすめでした。 

 

関西の雪山状況

この10日ほどで登った山の状況です
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15日鈴鹿御在所岳 積雪30-40cm 
降雪後の本谷は雪崩リスク高くルート変更
中道を登りましたがキレットで時間切れ
帰路の中道から裏道へのトラバースでは
トレースなくご覧の通りのラッセル
夏道の2倍ほどの時間がかかりました

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18日比良αルンゼ 積雪30-40cm
林道の除雪がなく林道歩きのラッセル
および取り付では吹きだまるルンゼの雪が
多すぎでドラッセルすぎて敗退
堂満なども湖西道路高架下までしか車は
入れませんので登頂には充分な時間を
とることが必要です

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19日大峯観音峰 積雪10-20cm
登山口から観音峰展望台までは軽アイゼンや
シューズチェーンも有効ですがそれより上部は
それらのアイゼンでは着雪や深雪のため刃が
効かないためできれば前爪付アイゼンの方がよい

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20日姫路御着の岩場クライミング
冬型気圧配置でありながら日が射すと
暖かく登れる 雪とはほぼ無縁
高御位山も冬でもアイゼン不要で
ハイキングを楽しめます

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21日好日山荘登山学校 鈴鹿綿向山
積雪山麓10-20cm 頂上付近50-80cm
完全雪山装備でみなさん強風の中雪山訓練
がんばりました やはり夏のコースタイムの
1.5倍はかかりました
余裕をもってしっかりとした雪山装備で
登りたい状況です

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22日六甲山頂 2-5cm
頂上稜線直下の南側の谷筋や吹きだまりは
まだ雪が少し残っています 北側の裏六甲は
雪景色を楽しみながらの登山がしばらく
できそうです チェーンアイゼンや軽アイゼンが
オススメです

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22日 丹波三尾山 10-20cm
陽当たりよい場所は溶けていますが
樹林の中や北側は雪があります
虚空蔵 三嶽 松尾山 など丹波の山も
雪がありますので雪山登山のチャンス
軽アイゼンは必携です 傾斜の強い山の
場合は前爪付アイゼンがオススメです

関西にはたくさんの雪がつもり
雪山シーズンを堪能できますね

2月4日5日は
登山学校加藤校長と島田ガイドのコラボで
武奈ケ岳テント泊体験登山を開催します
雪山テント泊初めての方も経験者の方も
納得して安全に楽しんで行けるように
集合後にまずはテント泊の装備チェック
パッキングースーパーで食材の購入
歩き方ー設営のポイントなどなど
盛りだくさんで開催します
冬シュラフは貸し出し可能!
テントはガイドが持参します
まだ若干空席ありますので
興味のある方は下記のページから
お問い合わせくださいませー!
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/

登山学校実践編 「雪山ギアの使い方と歩行技術 谷川岳」 改め 「極寒の中のラッセル体験」

山下ガイドもコラムに書かれていますが、土曜日、日曜日は谷川岳・北横岳にて登山学校の実技講座を担当しました。

今年一番の寒波!! 極寒、猛吹雪を期待していましたがそこまでひどい天気にはならず快適(お客様にとっては厳しい天候だったようですが)な登山学校となりました。

 

土曜日は谷川岳の山麓にてアイゼン・ピッケル講習の予定が、雪が深すぎてラッセル祭りとなりました。胸まで埋まるラッセルを体験する機会は多くないのでお客様は悪戦苦闘しながらもラッセルを楽しんで頂けました。

ラッセル時の足の運び方、足の裏(足首)の角度、雪を集めて固める(圧密させる)、ピッケルやストックの活用等、実際にラッセルしてみないとわからないコツが良くわかって頂けたようです。

 

低温、強風、雪と冬山らしい気象条件でしたがお客様からは「この雪を経験できただけで満足です」との声が聞こえました。ポジティブ!!

 

胸まで埋まるラッセルの図 がんばれ―

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樹林帯の中でもこの風と雪  それでもお客様はご機嫌です!!(そうは見えない?)

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今回新調したハードシェル 高性能ウエアのおかげで快適。

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バスの中では「レイアリング」に関しての質問が出ました。

 

参考までに田中の今回のレイアリング

(天候:雪 気温:―14℃ 風速:5~10メートル 体感温度:約-20℃)

 

上半身

1枚目: ファイントラック スキンメッシュ (半袖)

2枚目: バーグハウス メリノウール250

3枚目: バーグハウス ディセプションフリース

4枚目: バーグハウス チベッタⅡジャケット

休憩時にはジャケットの下にインナーダウンを着用

 

下半身

1枚目: バーグハウス  メリノウール250

2枚目: バーグハウス ウォームストレッチパンツ

3枚目: バーグハウス ストレッチオーバーパンツ

 

頭/顔

ニット帽とバフ’(ネックゲーター)を組み合わせ

 

ネパールエクストリーム

 

グローブ

マウンテンハードウエア 冬用グローブ(品名不明)

バイレス オーバーグローブ(3股タイプ)

 

新調したチベッタⅡジャケットは防水・透湿・耐久性はもちろんのこと、フードのカッティング、袖口の形状、ポケット位置とファスナーのドローコードの使いやすさ、ベンチレーションの開閉しやすさ等、今回のような厳しい条件でも快適に登山を楽しむのに最適です。吹雪いていても写真のようにも笑顔が作れます?

 

寒い中撮影頂いたお客様 ありがとうございます!!

 

1月~3月は各地で雪山に関する実践講座が実施されます。

冬山に行ってみたいけど不安という方は是非一度講座にご参加ください。

 

好日山荘登山学校「雪山ギアの使い方と歩行技術」 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170116200319j:plain14日は谷川岳。大雪で深雪、ラッセルがメインとなりました。

深い所は胸まで。

自分で道を開拓する樂しみ、雪山の真髄です。

 

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谷川岳の雪は湿気ってるんです。

 

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15日は北八ヶ岳北横岳。こちらは雪少ないのでアイゼンが良く効きました。

 

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寒波で寒い!

帰り少しガスが晴れてきて美しい景色が見えました。

これがあるから雪山いいんですよね。

ミニアバランチナイト

f:id:asahiryuta:20170116125229j:plain旭です。今年の初投稿となりますが「今年もよろしくお願いいたします。」

この週末はストームで全国的に沢山の降雪がありましたね。本来雪の多いエリアであればこの大量降雪も問題ないのですが、普段雪のないエリアの降雪となると色々と生活に支障が出てしまいますね。凍結した路面の歩行や車の運転、気をつけてください。

20日の金曜日には南岸低気圧により太平洋側の地域にも降雪がありそうです。

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さて、本題に戻りますが、好日山荘X雪崩ネットワークの雪崩についてのアウェイウェスセミナー「ミニアバランチナイト」2016-2017年は大阪、銀座、池袋、名古屋で開催させていただきました。各会場とも満席、皆さん仕事帰りにも関わらず熱心に耳を傾けておられ、意識の高さを感じました。

今期はフィールドで行なうセーフティキャンプの開催はありませんが来年度は好日山荘主催の登山者向けセーフティキャンプも開催したいと思います。来年度、ご期待ください。

ミニアバランチナイト内でお話した内容のまとめです。まずはギアの事。

・ビーコンはデジタルの3本アンテナ。

・ショベルは柄が長く出来るタイプで金属製の物。

・プローブは目盛りがついているしっかりした物。

そして大切な事。

・雪崩地形が認識できる様に。よい行動習慣を身につける事。 

※あとがき

池袋での講座終了後に店内でギアをチェックしていた所、欲しかった時計を発見。おとな女子登山部のなっちゃんが接客してくれました。気になるギア+丁寧な接客で即購入…。

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 以前は同社のベクターを使用していましたが、今度は同社のトラバースを購入。多機能で使うのが楽しみです。

 

八ヶ岳

三連休は井坂ガイドと八ヶ岳へ
日曜日夕方からようやく積雪
一気に30cmほど積もりました
南岸低気圧さまさまですね

島田は赤岳主稜取り付トラバースの
雪崩のリスクが高かったので
南峰リッジへ
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井坂ガイドはこれも同じく沢地形の取り付を
さけて石尊稜を変更し阿弥陀北稜へ
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そして今回も大活躍のチェーンアイゼンでした
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そうそう
みなさんよくレイヤリングを悩まれてますね
当日はちなみにこんな感じです
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↑気温-7℃風速2~5m南稜アタック時の私は
上半身は着ているのは
①ウール厚手肌着②フリース③ソフトシェル
ザックに化繊ダウン→寒ければ行動中に着足すため
さらに羽毛ダウン→緊急時用に持参
下半身は
①厚手ウール②ハードシェル
でした