好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

まとわりつくあの虫は?

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高山のお花畑近くで、こんな虫が手に止まっていたり、

たかられたりした事ありませんか?

ホバリングして空中停止、徐々に間合いを詰めて近づき腕等に止まる。

よく見たら小さなハチのようなルックス、口で一生懸命に汗を舐めているあの虫。

ハナアブです。

正式名称は、◯◯ヒラタアブとかあるのですが見分けが難しいのでハナアブとします。

ブと言うと刺されて痛い印象がありますが、このハナアブは花の蜜や人の汗を舐めて生きているので、刺さないアブです。

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早朝は虫も活動していませんが…

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日射が斜面に入りはじめると活発に行動し始めます。

この仲間はたいてい黄色と黒の縞模様をもっているが、一瞬ハチか?と思いますが

これはハチへの擬態。毒針をもたないこのアブたちは、ハチに似せることによって、天敵から身を守っているようですので身体に止まっても慌てず対応してください。

f:id:asahiryuta:20160817194928j:plainハナアブはアブラムシの天敵、幼虫期はアブラムシを食べてくれるので、ガーデニングをされている方には素敵な見方のようですよ。高山植物の花粉受粉にも貢献しているのでしょうね。

参考までに、以前に刺す虫についても記事もかかせていただいております。

 

guide-column.hatenablog.com

北穂高岳 滝谷出合からのクライミング

有名な北穂高高岳 滝谷は一般的には稜線から下降して岩場に取り付きますが、

末端である沢の出合から登ると、より困難さと面白さがあります。

 

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滝、雪渓、ガレ場を弱点をついて越えていきます。

この滝の上には50mの滑滝が待ち構えてます。

アイゼン、ピッケルが必要となります。

 

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遥か彼方に北穂高岳と涸沢岳の稜線が見えます。

 

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4尾根というルートを登ります。

滝谷は西面なのでガスが出やすいです。

 

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盆休みなので穂高岳山荘周辺には多くの人で賑わっていました。

ここは下界の暑さを忘れそうな涼しさです。

素晴らしい景色なので小屋前の石畳のテラスに何時間でも居れそうです。

 

どこの山小屋もそうなんですが、小屋が建てられた時代を想像すると、礎を築いた方の苦難と情熱には感銘を受けます。

 

 

 

 

立山室堂-新穂高縦走

北アルプスで人気コースのひとつ
室堂〜薬師岳〜雲ノ平〜鷲羽岳〜三俣蓮華岳〜双六岳〜新穂高
をテント泊で縦走してきました。

毎日素晴らしい景色を眺めながらの歩きと、水が豊富幕営場で
日本の夏縦走満喫しました。

 

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五色ケ原からの獅子岳の夕暮れ。

 

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アップダウンを繰り返しながら薬師岳へ。

 

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雲ノ平はもう別格に素晴らしい。

 

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幻日が見えました。

 

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後半は槍穂いつも見えます。

 

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鏡平からの槍穂。

 

今回毎日晴れていたので日焼け対策と水分補給が重要でした。

 

穂高の岩稜

8月上旬の北アルプス穂高へ

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↑開通しているパノラマ新道からの涸沢と穂高連峰の景色は抜群!

 

岩稜登山で最も気を使うのは

不用意に手を出して浮石を落とさない!

浮石を刺激する場所に足を置かない!

またその時靴の踵で浮石を引っ掛けない!

落石痕のあるガレ場の上部の状態を確認!

ガレ場を登り降りする登山者の真下に入らない!

などなど

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↑同志社高校山岳部ではあえて誰も歩かないガレ場で丁寧に歩く練習をする 浮石の安定度を観察することはとても大事なことですね

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↑浮石だらけのガレ場を超え北穂東稜を登る学生たち

 

このようなバリエーションルートだけでなく

西穂高〜奥穂高、前穂高〜奥穂高〜北穂高〜南岳も同様に不安定なガレ場が多く

充分な注意と丁寧な動きが要求されます

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↑間ノ岳から天狗岳方面への下リはとても気を使います

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↑画面上部の浮石を登山者に落とされそうになり危なかった 他の登山者の動きにも注意する余裕が欲しいですね

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↑ジャンダルムを越えロバの耳の下降やトラバースも絶対落とせないそして落ちれない

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↑先導する井坂ガイド 小さな岩峰を何度も越えて奥穂高岳へ

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↑やったー頂上です

 でも本当に安心できるのは奥穂高山荘手前のはしごを降りるまで 私が穂高に入山していた10日間にも2件この場所で事故が起きてしまったようです 山荘が見えて緊張感の緩みやすいはしごでの事故、、、本当に無念です

登山者のスレ違いでよけたところ浮石に乗り滑落したと聞いています

ヘルメットを着用していなかったとも、、、

 

穂高を始め岩稜の山々の景観は素晴らしく

またなんとも言えない充実感に満たされる

登山の楽しさが凝縮されているような環境でもあります

しかし決して気をぬかず自然の観察(空、雲、風、岩など)で状態をチェックし

また近隣する登山者との間隔や動きの観察も怠らず 楽しんで欲しいものです

 

穂高の現場の声も参考に皆さん残りの夏山をエンジョイしてください

長野県内の山岳遭難発生状況(週報)/長野県警察

ぼちぼちいこか - 夏の遭難発生場所

安全に楽しく山を楽しむ為に|涸沢小屋|北アルプス穂高連峰

岳沢小屋スタッフブログ - 槍ヶ岳山荘グループ -

西穂山荘

 

登山 ガイド of 島田ガイド事務所

ドロミテハイキング

イタリアはドロミテのハイキングに
出掛けておりました

ドロミテと言えば大岩壁!
美しく広がる花々!
おいしいイタリア料理!

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有名なトレチメを周回ハイキング
人気ルートは世界どこでも同じように軽装のハイカー多し

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気軽にドロミテの岩を楽しめるチィンクトーレ
イタリアとオーストリアの戦争の爪痕が垣間見れ面白い

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恐ろしい立ち乗りゴンドラでクリスタッロへ
老朽化で営業終了間近に乗れてラッキーでした

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なんとも美しいソラピス湖へのハイキング

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エーデルワイスを楽しみながら、、、

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広大で美しいドロミテの景色を満喫するハイキングでした

ロシア エルブルス山(5,642m)

へガイドで行ってきました。

一応七大陸最高峰の一つで、ヨーロッパ大陸の最高峰とされています。
緩傾斜の長い登りなので困難さはないです。日焼け対策、高度順化、食生活ができれば比較的登りやすい山です。

初めてのロシアなので、少しだけロシアの土地、人と触れ合ってきました。

山はただ登頂するだけでなく、そのエリアを構成する環境、人間との触れ合いも楽しいです。

 

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宿はこんな樽型の小屋(3700m)に3泊しました。

 

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食事は食事担当の女性が滞在して作ってくれます。ロシアの食事は美味しいですよ。

 

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朝は晴れてますが、昼過ぎになると雨、雪、雷となります。

 

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頂上から眺めた南西方向。この奥は黒海。反対側はロシア。

昔覚えた世界地図を頭の中に描きます。

 

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登頂後は街に降り、のんびりハイキングをしてエルブルス山を眺めます。

飛騨山脈南部の近況

f:id:asahiryuta:20160726195821j:plain先週から昨日まで槍穂高、双六岳や黒部五郎岳等、飛騨山脈南部の山々を歩いてきましたので、その近況をお伝えいたします。

今年は過去にない程の残雪が少ないと言われていますが、本当に少ないですね…。

例年の今頃であれば、雪渓などの残雪を通過する箇所が多々ありますが、

今年は既に一般登山道の残雪はほぼ皆無です。

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さらに今年は花が咲くのも早いですね。※写真は7/24槍沢のお花畑。

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氷河公園の天狗池。例年は8月中旬頃まで雪渓で埋まってその姿を現しませんが、今年は既に逆さ槍がバッチリ見えました。

今年は季節の移行が早く、残雪の量、高山植物の咲き具合は例年でいうお盆のころのようです。f:id:asahiryuta:20160726215736j:plain

大キレットの様子。

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稜線のお花は既に最盛期。※写真は樅沢岳付近より

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すでにチングルマが綿毛になっている所も。※写真は太郎平付近

朝露がついて朝日に輝くチングルマの綿毛はとても美しいです。f:id:asahiryuta:20160726195839j:plain

雪渓付近のお花畑。※写真は三俣蓮華岳付近

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黒部五郎岳のカールより。こんな感じでした。

梅雨もあけ夏山シーズン本番。安全に夏山を楽しみましょう。