山の朝晩は随分冷え込む様になりましたね。イワイチョウ等の草紅葉が始まりナナカマドも場所により色づいてきました。9月14日に穂高では初氷となったようです。秋は日が昇るのが遅く日が暮れるのが早い、また1日の間に体感温度も差がありますのでレイヤリングや行動時間に注意が必要です。これについては秋にスタートする登山教室で学んでみてください。
さて、タイトルの本題に戻りますが、この夏、登山中に小さな黒っぽい虫で、顔の周りを音もなく飛び回り(へたすると目に飛び込んできます)、歩いても手で払っても、しつこくとりついてくる虫にあいませんでしたか?あの虫は一体なんという名前なんでしょうか?
少し時期的に遅い投稿ですが、来年の為に参考になればと書いてみました。
メマトイ ※吸血しません
ハエ目ショウジョウバエ科マダラメマトイ、オオマダラメマトイ、ヒゲブトコバエ科クロメマトイ等、と日本には十数種が生息しているようです。
体長2~4mm程度の極小のハエで、名のごとく人の目の周りに纏わり付くように飛来し、時には目の中に入ってしまう厄介な虫。メマトイは人の目に涙をなめにやってきます。ですから顔の周りにたかるのです。メマトイが涙をなめるのはタンパク質を得るためなどと考えられていますが、くわしくはわかってないようです。
ブヨ、ブユ、ブト ※吸血します
少し高度をあげると、今度はブヨ。頭の附近を10匹以上が飛びまわり実にやっかいです。ブユは蚊の様に吸血するのでなく、まず皮膚を口器で噛み血液が出たところで舐めるようです。吸血直後はそれ程かゆみは感じなくても、時間がたつと患部が通常の2~3倍ほどに赤く膨れ上がり激しい痒みや疼痛、発熱の症状が現れます。どうやら二酸化炭素や汗に反応するようでして自分の経験上、足や手、腕、耳、頭の後ろを狙ってきます。また特に黒や紺色等暗めの衣服によってきます。目の回りや額をやられた場合はお岩さんの様に瞼が腫れて、視界が悪くなり登山どころではなくなってしまいます。
例えば上高地から槍ヶ岳や奥穂高岳に至るルート。
夏期には上高地から梓川沿い、槍沢辺りでたかられます。※今年は水俣乗越あたりで沢山のブヨにたかられました。道中で目の周りをやられて視界が悪いまま顔もお岩さん状態で頂上へアタック!なんていやですよね。
メマトイやブヨ対策におすすめなアイテムは…
その①ハッカスプレー
足や手、首の周りや帽子のつばの裏側、帽子等に散布するとかなり効果があります。
※帽子は被っている状態でやろうとすると間違って目に入ってしまったりするので注意!!自分でスプレーする際は必ず帽子をとるように。先日は自分は誤って目にスプレーしてしまい大変な思いをいたしました。
その②モスキートヘッドネット
ホームセンターで安価な物もありますが、前が見づらので登山用の物が確実に良いです。※好日山荘にて1500円程度で購入できます。自分は歩行時には使用しないのですが、休憩時等の止まっている際に使用します。虫が多い場所では顔の周りに沢山よってきて休憩どころじゃなくなってしまいますから。
もし噛まれた場合は…
その③ポイズンリムーバー
虫・蜂・蛇など刺された後に毒素を吸い出す器具です。これで毒をしっかり出すか出さないかで腫れが随分違います。個人的には先が透明なタイプの方が吸引している際に傷口が見えるのでおすすめです。
秋になり虫等は少なくなってきましたがよければ参考にしてくださいね。