好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

お盆を過ぎてからの留意点

せっかくのお盆休み。このブログを見る方の多くは山に行く計画をされていた方がほとんどだったのではないでしょうか?

停滞前線による各地での大雨とそれによる被害。どうかこれ以上、被害が広がらないように。我々人間にとっては大変なこの大雨ですが、連日の雨は山や自然にとっての恵みでもあります。普段は穏やかでも、一変するこのような気象を見たり経験すると我々は自然の中のほんの一部で遊ばせて頂いている事を改めて認識します。

 この前線による影響がなくなってから山に行かれる方も多いと思いますので、私が毎年気にしている事を書いた記事を貼っておきます。

guide-column.hatenablog.com

 

例年ですが、お盆前までのリスクマネジメントには「熱疲労」に関しての留意が多いですが、お盆以降は「低体温」に関する事も気にしなければなりません。

山の中では頭だけの知識でなく、己の五感を研ぎ澄まし自然の変化に耳を傾け身を守ることがとても大切。道具がいくら良くても使うのは自分自身。最もこれは日頃からしていないと出来ない事でもありますが。
よろしければ参考にしてみてください。

 

夏の夕暮れ。

夏は暑い時間を避けて、恒例のナイトハイク。連日の夏日で出発時は暑かったですが、樹林帯も尾根は風が通って涼しかったです。刻々と変化するマジックアワーをのんびりと感応しました。

西日に映し出されるスカイラインシルエット。f:id:yoshida1487:20210726120500j:plain

トワイライト。貸切でした。f:id:yoshida1487:20210726181216j:plain
この日はバックムーン。写真では伝わらないですが、きれいでした。f:id:yoshida1487:20210726121133j:plain

日が落ちるまでは蜩が喧しく、暗くなってからはライトに様々な虫が突っ込んできます。甲虫系は痛いです。夏の低山の醍醐味です!f:id:yoshida1487:20210726160521j:plain暑い日が続きます。体調と装備を整えて山を楽しんで下さい。

虫が飛ぶ季節。

休みと天気がマッチした5月でした。f:id:yoshida1487:20210603132924j:plain

石斛がキレイに咲いています。f:id:yoshida1487:20210530161400j:plain

虫の季節ですね。メマトイやブヨが飛び始めました。

顔の周りを飛び回るとイライラします。ジッとしてないとダメな時は困りもんです。みんな色々工夫して防虫対策していますが、今はコレが良いらしい。f:id:yoshida1487:20210603133512j:plain

手作り最強ハンター。ここで飛んでるのは見た事ないけど、効果も最強なのでしょうか?

梅雨入りの日。

若葉の季節ですね。f:id:yoshida1487:20210518110556j:plain夏に大きな山を計画している方は、この時期できるだけ長い距離を歩いておきたい。と思っていたら、早くも梅雨入りしてしまった。そんな記念すべき初日に歩行力アップの講座でした。f:id:yoshida1487:20210518111256j:plain

雨の中を歩いてみると色々と気付く事もあります。

低山では、特に湿気への対応は難儀になります。どんなに高機能なレインウェアでも、透湿性なんて言葉はウソですね。レインの内側は汗でビショビショです。濡れる事を前提でレイヤリングしてます。f:id:yoshida1487:20210517155018j:plain

ヘッドライトの白色は雨粒に反射して視界は悪くなりますし、電子機器の扱いや、休憩のとり方・過ごし方、柔軟な行動計画など色々と確かめるには絶好の機会です。f:id:yoshida1487:20210517155232j:plain

この日は予想通り、降雨中も気温が下がらず冷える事はありませんでした。事前に調べておかないと大変な思いをします。雨は結果であって、降雨の原因を知らないとリスクは回避できません。

他にも登山靴やレインウェアの撥水処理、ザックの防水、装備の軽量化や行動食の研究など色々考えて工夫することも登山の楽しさです。こんな時節だからこそ、有効に時間を使いたいですね。f:id:yoshida1487:20210518132205j:plain今回もたくさん歩いて、たくさん食べました。ご参加の皆様お疲れ様でした。

春から始める講座。

今シーズンは春の始まりが早かったですね。3月は温かい日が多く、天気に恵まれました。

三角点と桜の組み合わせは、里山の贅沢です。昨年は楽しめなかった分、満喫できました。f:id:yoshida1487:20210329121637j:plain

初心者向けの地図読み講座は、反復練習。しっかり歩いて、しっかり学びました。f:id:yoshida1487:20210329135346j:plain

 

コチラは中級者向けの地図読み講座。地形図とコンパスのみで登山道のない目的地へルートファインディング。見通しの悪いシダ藪と雑木林の典型的な里山でしたが、見事に目的地へ辿りつきました。f:id:yoshida1487:20210316171359j:plain行動中の基本はOODAループ(Observe観察・ Orient状況判断・Decide意思決定・Act行動)とShare共有です。よく見て、考えて、決めて、動くという事です。何よりチームワークが素晴らしかったです。最後は危急時対応にて終了。みなさまお疲れ様でした。f:id:yoshida1487:20210316172139j:plain

好日山荘登山学校では4月から全国各地で各種講座を開催いたします。

基本的な知識、装備の選び方、登山計画や歩行技術、テント泊、ロープワーク、地図読みなどテーマは様々。独学も良いと思いますが、やっぱり限界があります。我流にならないように生声で正しい知識を学んでいただければと思います。

机上講座は>>>コチラ から  実技講座は>>>コチから

ご参加お待ちしております!

中国山地の雪山。

今シーズンの中国山地は雪山を楽しむ事ができました。

中国山地は、標高1000~1300m程のなだらかな山が東西400㎞に脊梁となっています。冬、日本海側は季節風の景況が強く雪が多いのが特徴です。湿った重たい雪です。雪山講座の基本の足回りはスノーシュー・わかんになります。f:id:yoshida1487:20210302145234j:plain

2月上旬の奥大山1000m。美味しい天然水が生まれるブナの森。雪も豊富です。f:id:yoshida1487:20210301123611j:plain

2月中旬の西中国山地・恐羅漢山1346m。こちらも雪は豊富でした。f:id:yoshida1487:20210301152502j:plain

昨年の雪不足と比べると‥

左)2020年1月。                     右)2021年2月。f:id:yoshida1487:20210301171916j:plain

2月下旬の西中国山地・臥龍山1223m。麓は融雪が進んでいましたが、山頂は1mくらいありました。f:id:yoshida1487:20210301123938j:plain

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寒暖を繰り返しながら、山はゆっくりと春へ向かっています。中国山地は短い残雪期です。気候も雪も変化してきます。足回りもアイゼンへ切り替える時期です。f:id:yoshida1487:20210301152301j:plain下界は春の陽気でも、山はまだ冬です。季節の変わり目は特に気象情報に注意して山に向かいましょう。中国山地の雪山シーズンも残り少なくなってきました。雪がある今のうちに楽しみましょう。

春一番。

週末は昨年より1ヵ月ほど早い春一番が観測されました。

2月23日は富士山の日。こちらは山陰から伯耆富士。風は強かったですが、気温も上がり春山でした。天候に恵まれて、麓の大山寺周辺はスキー場客、登山客、観光客と賑わっていました。f:id:yoshida1487:20210223121201j:plain

西稜を登るパーティー。こちらも結構混んでいました。f:id:yoshida1487:20210223122013j:plain

弥山沢のドロップポイント。美しい。滑れないのでその魅力は分かりませんが。f:id:yoshida1487:20210223131820j:plain

上下ソフトシェルでも十分。暖かくて快適な一日でした。f:id:yoshida1487:20210223122511j:plain

陽射したっぷりで、雪もグズグズになっていました。伯耆大山の雪は潮風に乗って運ばれてきます。やっぱり、アイゼンも錆び易くなります。私は、錆をサンドペーパーで落して、錆び止めスプレーでベッタリとコーティングしています。岩でガリガリしなければ2~3シーズン保ちます。f:id:yoshida1487:20210223130358j:plain

f:id:yoshida1487:20210223142327j:plain今シーズンは下地があるから、雪も残ってます。まだ2月。このまま春山になるはずがないですし、もうしばらくは雪が楽しめそうです。