好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

冬の雷

久しぶりにパソコンの前に座りました。昨晩から、冬の風が吹き抜け、手がかじかみます。寒さに体が慣れていないなぁと警戒感が頭をもたげてしまうのです。

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私は太平洋側に住む人間なので、雷といえば夏、小さいころの記憶に刻まれているのは、夏の暑い日の午後にモクモクと大きく立ち上がっていく入道雲と夕立と雷です。これは熱雷といいうのですが、社会人になって、山登りをするようになってからは、夏山の午後に発生する雷、寒冷前線が通過するときや冷たい空気が上空に入り込む不安定な気圧配置の時に発生する界雷に注意するようになりました。
日本海側にお住いの方にとっては、何を今さらとというところですが、冬にも雷は発生しているのです。冬の雷は秋田県から鳥取県にいたる日本海沿岸、及びその海岸線から約35キロまでの内陸部に多く発生しています。
冬の雷は日本の日本海沿岸以外では、ノルウェーの大西洋沿岸に限られた気象現象で世界的にみても非常に珍しい気象現象といわれています。

では、なぜ冬に雷が発生するのでしょうか。
冬になると大陸からの冷たい季節風シベリア気団)が日本海に入ってきます。すると海上に雲が発生します。冷たい季節風に乗った雲は本州沿岸を流れる暖かい対馬海流との温度差によって豊富な水蒸気を含みます。これが雷雲です。雷雲は前線や上昇気流によって日本海沿岸から山間部にかけて広範囲に広がり、雪を降らすと共に落雷が発生します。
この雷雲は、夏の入道雲とは違い、低空で形成される為、山間部や平野部でも落雷が発生します。又、夏季に比べ、雷放電数が少なく放電間隔が長い為、一発雷と呼ばれます。シベリアからの寒気と日本海を北上する暖かい対馬海流との相互作用により上昇気流が生じるので、24時間、雷の可能性があります。

晩秋から初冬季におきる雷を冬の前触れと考えて「雪おこし」と呼ぶと共に、回遊魚の「鰤(ブリ)」が取れ始めることから「鰤おこし」とも呼んでいます。
寒ブリというと、私は20年以上前の山の帰り、富山駅前の市場で見た寒ブリを思い出します。昨日は富山湾を泳いでいたであろう青く光る流線型は電球に照らされていました。

年末の山に出かける方も多いことだと思います。
世界でも有数の極寒地域である内モンゴルでは氷点下45℃近い強烈な寒波に見舞われているようです。温暖化傾向があるからと言って、日本に雪が降らないわけではありません。
北極振動が変化するだけで、その年の降雪は大きく変化します。2005年の冬は「平成18年豪雪」と呼ばれるほどの降雪があったのです。

寒気の南下を十分確認して、十分な食料・燃料を持って入山してください.。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ鉱物水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。