好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

霜が降りる

11/21の朝、大して寒かったわけではなかったのですが、車に霜が降りていました。
そういう訳で、今回は「霜が降りる」について調べてみました。

空気中の水蒸気が水にならずに、直接「昇華」した氷の結晶が霜です。

山に登って高度を上げると気温は下がることからわかるかと思いますが、例えば、上空5000mともなれば、いつでもマイナスの気温です。
猛暑日であっても、沸き立つ雲の中では氷や雪ができているのです。あまりにも氷が大きくなると、雹となって地表に叩きつけます。冬は降下してくる雪が融けきれないので地上で雪を見れるのです。

つまり、上空で出来た結晶は「雪」、地上の地物表面に出来た結晶は「霜」と言っていいと思います。

雪山で起きる雪崩の原因となる「弱層」は雪の層構造間に極端な温度差がある時、霜ができることで作られます。「コシモザラメ」が典型的なものですが、機会を改めて書きたいと思います。

霜の降りる条件として重要なのは、「風が弱いこと」と「気温が4℃以下」だと言われています。ちなみに気象観測での気温は地上1.5mで測定しています。

11/20は大陸から乾燥した移動性高気圧が日本列島を覆われ、日中はよく晴れ、夜間もよく晴れました。11/21の深夜から明け方に風が弱く、上空への熱の放出が増えたのが原因のようです。これを「放射冷却」と呼びます。
放射冷却」の結果、地面付近の空気は非常に冷え込み、地表付近にあるフロントガラス表面気温が0℃以下になって、大気中の水蒸気が昇華して氷の結晶が付着したものだと思います。

11/21の過去の天気図や各地の気象条件は「気象人」のホームページが分かりやすいです。11/21の天気図はこちら

地表や植物や車などの物体表面はこの「放射冷却」によって、熱が逃げてしまうのです。テント泊の朝、曇ったは冷え込みが弱いことやタープ下だと結露が少ないことは体験できますね。

ガラスの表面では、雪の結晶と同じように、樹枝状などさまざまな形状に氷の結晶が発達します。外気で冷やされたガラス表面に室内の暖かい空気の水蒸気が霜となったものです。

4月の西穂高山荘の窓ガラス西穂山荘窓の結晶.JPG

5月の剣御前小屋の窓ガラス剣御前小屋窓で01.JPG

 

冷たい空気は重たく、周囲より少し窪んだ地形の場所や谷底などでは、冷気が溜まりやすいため霜も降りやすくなります。風が強いと空気がかき混ぜられるので、地上付近の気温が氷点下になりにくいのです。

お茶畑に立つ電柱の先に、扇風機がついているのを見たことがあるでしょうか。これは「防霜ファン」と呼ばれているものです。霜が降りるような気象条件の時、高い所にある暖かい空気を地表面に吹きこんで霜を防いでいるのです。

話は少々それますが、地球温暖化の話題です。

地球に降り注いだ太陽の熱は夜間、宇宙に向けて放射されて冷却しています。温暖化原因物質といわれる二酸化炭素は酸素や窒素に比べてよく「赤外線」を吸収するのです。宇宙空間に逃げて行く分が空気中に留まるというわけです。
今やすっかり悪者の二酸化炭素も、少なすぎたら地球は凍りついてしまうのですから大変です。微妙なバランスで地球環境が成り立っているのです。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ鉱物水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。