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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

ファーストエイド:切り傷・擦り傷

歩いていてうっかり物をつかんだ拍子につくる切り傷や転んだ拍子にすり傷を作ってしまった時、皆さんはどうしていますか。

表皮が傷ついて血が出るだけではなく、泥や木の皮、砂で汚れている事がほとんどだと思います。
どんな怪我でも第一にしなければいけないのは、傷口をきれいにすることです。洗うこと、ゴミや泥など異物は総て取り除くことが最重要なのです。
正直、「痛い!」と思うと洗う手が鈍りがちになってしまうのですが、異物を水の勢いやピンセットなどを使って完全に取り除く必要があります。
感染症が酷くなってから抗生物質漬けになるより、「洗って」防ぐのが一番です。

この時に使う水はきれいであれば申し分ないですが、多少、不衛生でも飲める程度であれば良しとします。
やってはいけないのは汚れたままでいることや、汚れたまま消毒液で消毒?した気になることです。

イソジン消毒液をぜひファーストエイドキットに入れておくと良いでしょう。もし、血が出続けるようであれば、圧迫止血を行います。
傷口が小さければ、絆創膏などで傷を「寄せて」塞ぐようにします。それより広いようであれば、清潔なガーゼをあてがえて、圧迫気味に包帯します。

ファーストエイドキットに何を入れるかですが、少しでも小さい方が良いと考えるのは人情です。しかし、各自が最低限の物を持ち、リーダーが充実したものを持てば大変心強いことだと思います。
清潔な絆創膏、三角巾、ガーゼ、テーピングテープ、消毒液、解熱剤、抗ヒスタミン軟膏くらいは入れておきたいものです。又、パーティーに清潔な水があるのが望ましいですね。

ねん挫などには「冷やす」ことが必要なので、冷却スプレーという選択肢があるかもしれません。捻挫をした場合は、圧迫固定し、冷やし、安静にして、心臓より高くあげて様子を見ましょう。
その後、しっかり固定して、「頑張って」下山して、病院に行きます。

今回の切り傷・擦り傷対策ですが、私の体験を紹介します。
以前、刃物ですっぱりと深く皮膚をそぎ落としてしまったことがありました。今想像してもその指先が疼く様な気がします。
傷口が空気にさらされている時は「ピリピリと」痛くて仕方がなかったのですが、傷口をきれいに洗い、削いでしまった皮膚を見つけ出してそれを流水できれいに洗ってから、被せて圧迫止血をすると、嘘のように痛くなくなりました。
10日間ほど、指先を湿った状態していたところ、凸凹にもケロイドにもならずに治ってしまいました。この時、最初に消毒したのですが、その後は薬は何も使いませんでした。
治りかけの頃、蓋をしていた皮膚が「役目を終えて」ポロリと落ちたのを見て、何か感慨深いものがありました。

実はその頃、新聞に「湿潤療法」というのが紹介されていました。薬局で乾かさないバンドエイドを買い、その効果を自分で確認できたのはとても良かったと思います。

小さい頃は傷を作ると、「赤チン」を塗ったり、風に当てて無理やり乾かしていました。治りかけのかさぶたをむしった記憶は、ケロイド状の傷痕を見るたびに、あの痛痒さと共に思い出されます。
この湿潤療法は直りが早く、痛みも少なく、傷が残りにくいので、お薦めの治療だと思います。

滅菌された湿潤シートで患部を被い、たっぷりした体液のなかで細胞を再生。多少の雑菌などは皮膚の常在菌と生体とが力を合わせて、はね退けてしまうらしのです。

極端な殺菌、清潔傾向がもてはやされる時代ですが、もっと自分自身の治癒力を信じたいと感じてます。
酷い怪我は当然お医者様に見ていただくのが正しい選択ですから、お間違いないように。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ鉱物水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。