好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

近畿地方の活断層と有馬温泉

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以前から、有馬温泉がなぜ塩辛いのか、近くに火山がないのになぜ高温なのか、不思議に思っていたのです。
湯村温泉城崎温泉などと同様、火山がないのに高温である理由の一部が少しわかりました。

 

きっかけとなったのは日本経済新聞朝刊にこんな記事でした。

東京大学防災科学技術研究所の研究グループは、日本列島の地下深く潜り込み大きな地震をもたらす原因となる「フィリピン海プレート」が、近畿から中国地方にかけて大きく断裂している可能性があるとする分析結果をまとめた。
日本列島の形成過程の解明に加え、西日本の地震リスク評価の見直しなどにもつながる。解明したのは、東大理学系研究科の井出哲准教授と防災科研の汐見勝彦室長らの研究グループ。
西日本で観測された地震震源の深さの分布などをもとに、地下のプレートの形状を推定した。その結果、紀伊半島の西端から淡路島中部を通って鳥取市近辺へと至る地域の地下で、プレートが裂けている可能性が高いことが分かった。
裂け目は地表から、地下約70キロメートル程度までの深さに達しているとみられるという。
同プレートは約200万~400万年前に、日本列島の地下に沈み込む方角を北北西から西北西へとわずかに変えたことが知られている。このときに、プレートの中でも海山の並んだ一部分に力が加わり、断裂をもたらしたと、研究グループではみている。
断裂の結果、中国・四国地方の下にはプレートがあって下から支えられているのに対して、近畿地方の下はプレートが深く沈み込み、支えのない状態になっている。
近畿地方活断層が多く、中国・四国地方で少ない理由と考えられる。また断裂部を通って地下深部から水などがわき上がっており、これが和歌山県から兵庫県北部にかけて、白浜・有馬・城崎などの温泉ができた理由だとみられるという。
わき水は内陸型地震の発生にも影響を与える。研究チームによると1995年の阪神大震災も、プレートの断裂部を通って地下から上がってきた水によって影響を受けた可能性があるという。
井出准教授は「活断層の存在だけでなく、今後は地下からわき上がる水の供給も踏まえて西日本の地震リスクを考え直す必要がある」と指摘する。
またフィリピン海プレートは東南海・南海などの海溝型巨大地震を引き起こす原因になる。これまでプレートの断裂は、海溝型巨大地震の発生を想定したシミュレーション(模擬実験)の研究などでは想定されていなかった。
海溝型巨大地震が連動して起こる可能性などリスク評価にも、今回の成果が影響を与える可能性もあるという。】

この新聞記事を読んだ後、少し調べてみたところ、温泉というのんびりした問題ではなく、1995年の兵庫県南部地震とも関係があるのには驚かされました。
海洋プレートが大陸プレートに沈み込む一帯に生じる「グザグザした破砕部分」に湧いているようです。

山登りの下山後に入る温泉は良いものですね。お湯に入りながら、地下深くの出来事を想像しています。

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