好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

六甲山の地質について


六甲山裾野の海抜200m付近の住宅地からも、秋の澄んだ空気の日には大阪湾に突き出したポートアイランドの向こうに生駒山地を見ることができます。

大阪湾を挟んだ六甲山地生駒山地は比較的新しい地殻変動によってできたといわれています。新しいといっても46億年の地球の歴史に比べての話ですが。しかし、数10万年前は人類の歴史よりはるか昔のことです。

芦屋のロックガーデンは有名ですが、自宅近くの山々も六甲花崗岩からできています。自然のままの岩場はありませんが、近所の石垣は淡いピンク色の六甲花崗岩がたくさん使われています。

御影という地名をご存知でしょうか。古くは住吉村と呼ばれ、今は東灘区の荒神山(海抜314m)から切り出されて全国に運ばれた花崗岩が全国に運ばれていました。これが御影石と呼ばれた花崗岩です。今では国立公園ということで切り出されなくなりましたが、地中深くには埋まっていることでしょう。

以前、佐渡の山に行った折に寄った宿根木には船つなぎ石や石橋がありました。これは千石船が北海道から大阪へ物産を運んで戻る際に、安定性の悪い千石船にバラストとして積んだ御影石を利用したものです。

宿根木港01.JPG 佐渡 宿根木の船つなぎ石

ところで、この六甲花崗岩は約1億5000万年前から7000万年前に地下深くで作られました。花崗岩を構成する主な鉱物は石英、長石、雲母ですが、それぞれの膨張率が違うために、地表に出た花崗岩は温度変化や凍結、そして、雨水に溶け込んだ二酸化炭素による作用で、長石と雲母は粘土質に変化します。

六甲山登山をすると、花崗岩が細かく「マサ化」した場所に良く出会います。このマサ土は水に対する抵抗力が小さく、しばしば山崩れを起こします。古くは1938年(昭和13年)の阪神大水害ですが、1995年(平成7年)の阪神大震災では多くの山肌が大きく崩れました。

ザレ場_転倒01.JPG  芦屋ロックガーデン

六甲山地を形成するもう一つの主役は神戸層群と大阪層群と呼ばれる堆積層です。これがつられたのは3000万年前から200万年前位といわれています。これらの堆積層の上にのしかかるように花崗岩がのし上がってきたのが六甲山の始まりです。それは約100万年前からといわれています。これらの境目が「断層」です。

六甲山地にある断層の一つに「六甲断層」があります。地殻の動きでグザグザに風化(地下深くで起きたものもいう)した花崗岩が地表に露出したものに蓬莱峡があります。

話は変わりますが、六甲山地には火山がないのに、なぜ、高温の有馬温泉があるのでしょうか。花崗岩はマグマ起源の深成岩ですからそれが熱源であるという説もあります。もしかしたら、未だに察知できていないマグマあるのかもしれません。

タオルが真っ赤に染まる「金泉」の塩分は海水の2倍もあります。たくさんのミネラルを含むこの塩水の期限がどこにあるのか興味深いものがあります。太平洋プレートがユーラシアプレートにもぐり込む時に海水を取りこんなのでしょうか。炭酸泉の銀泉やラドンによる放射能泉など有馬には数種類の源泉があります。六甲山縦走の後、汗を流しながら考えてみるのも面白いと思います。

六甲山全山縦走

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、自然、花、地質、鉱物などを載せています。