好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

保温ボトルと登山用品


秋山から出番から増す装備にテルモスがあります。
そこで山で使う携帯用保温ポットについて、お話ししたいと思います。

私は小さい頃にシャカシャカとガラスが音を立てるマホービンを何個か作ってきました。いくつものマホービンを落して壊してきました。

1978年に日本の会社がステンレスマホービンが作るまで、マホービンは皆、ガラスでできていたのです。
中栓を外して内側を覗き込んむとガラスが銀色に輝いていたのを思い出します。
溶かして成形する技術の蓄積があるガラスを使った二重構造真空ボトルが作られたのは、1904年、今から100年以上前のドイツだそうです。


1904年といえば、日本は明治37年で日露戦争がはじまった頃です。つまり、当時は行動中に温かい飲み物を飲むことは不可能だったのですね。

熱を逃がさない工夫、それは登山用衣料や建物から宇宙船まで関連するので、まずはそこから触れたいと思います。


伝導

物質を伝わる熱です。金属の手すりを金属を触ると冷たかったり、コッヘルを温めると取っ手が熱くなる現象です。プラスチックはそれ自体が熱を伝えにくいです。


対流

ストーブを点けると温まった空気が上昇する現象です。大きなスケールでは真夏の午後に発生する入道雲です。対流による熱の運搬を少なくするには、発泡スポンジやダウンなどで空気の塊をできるだけ小さくするのが効果的です。真空になって空気がなくなれば対流は起きません。


輻射

熱せられた金属やセラミックヒーターからは熱線が照射されています。銀色や金色にコーティングされたフィルムを身にまとう「レスキューシート」は内側には体温を、外側には熱線を反射させます。

これら3つの効果的に複合させた商品には何があるでしょうか。


その一つが保温ボトルであるテルモスです。伝導を少なくする素材と形状、極めて高い真空で対流を押さえ、鏡面で熱線を反射させています。最近の製品は保温性能が高いので保温用ポットを昼食用として持ち歩き、フリーズドライ食品を日常的に食べる人も増えました。

登山用品店にはほかにどんな商品があるでしょうか。
保温用ブランケットやレスキューシートはどうでしょうか。ダウンやシンサレートなどを使った冬用ジャケットや寝袋も同様ですね。
これから寒くなると、長袖を着、断熱性が高い服装をするようになります。

登山でもう一つ大事な要素は「濡れ」です。
液体の水は、気体である水蒸気に比べておよそ26倍もの熱伝導率があります。ですから、濡れて水が浮いたような状態の衣服を着ていると体温が奪われ、この状態で風に吹かれると気化する時、更に熱を身体から奪われることになります。綿製品は乾きにくく、いつまでも濡れていますので、アウトドアでは使わない方が良いでしょう。

山で濡れて、風に吹かれるのは「低体温症」に陥る可能性が大変高いのです。ガタガタ震えが出てくるほどになった場合には、テルモスの暖かい飲み物を飲むのが効果的です。

ステンレス製のテルモスの中には山専門に出しているモデルもあります。

快適に冬山を過ごす為に、用具と服装について科学的な視点から考えてみるもの面白いと思います。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、自然、花、地質、鉱物などを載せています。