好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

国産石油と鉱山跡

 日本国内の油田と天然ガス田は日本海側を中心に、新潟・秋田・北海道に分布しています。

 現在、商業上採掘されているガス田は「南関東ガス田」で日本最大のメタンを主成分とする水溶性ガスです。
ところで日本が世界に誇る天然資源にヨウ素があります。生産量は南米チリに次ぐ第二位で、かん水という地下水から生成されています。

 新潟県では古代から石油が見つかっていました。日本書紀には、越後国より天智天皇に「燃ゆる水(燃水)」が献上されたという記述があります。今日の新潟県胎内市より産したものだととされ、自然にわき出た原油は「臭水、草水(くそうず)」などと呼ばれました。
現在も新潟市秋葉区新潟県阿賀野市を始め各地に地名として残っています。

 本格的に原油を潤滑油や灯油に精製する生産が始まったのは明治の中頃からです。大正6年には年産12万キロリットルで産油量日本一となり、第二次の全盛時を迎えましたが、その後は産油量も減少し平成8年で採掘が終了してしまいました。

 中東からの輸入に頼っている原油ですが、どのようにできたのでしょうか。

 石油の成因はまだ100%解明されてはいませんが、一般には次のように言われ、ケロジェン根源説といいます。研究者によれば生物と関係のない無機成因説もあるそうです。

 ケロジェン根源説:
 生物の体を構成していた有機物は、その生物の死後、水や風などにより運搬されて、海や湖の底に堆積します。分解を免れた有機物は泥の中に埋もれ、泥とともに地下深くに埋没されてゆきます。その過程で、有機物を多く含んだ泥は比重が大きくなり固くなって泥岩となります。これをケロジェンと呼びます。

 地下深くなるに従い温度は高くなっていきます(1km深くなると、20~30℃上昇します)。ケロジェンは、熱の影響で分解され、二酸化炭素、水が放出されるようになります。数千mもの深く埋没されると、ケロジェンからは、石油の元となる炭化水素が放出されるようになってきます。
 ケロジェンから放出された炭化水素は、岩石の細かい割れ目や粒子の間を移動し、やがて砂岩や石灰岩の微細な空隙にたどり着き、そこに集中するようになります。
 炭化水素が濃集している部分を「石油鉱床」と呼び、特に液体の炭化水素が濃集しているものを「油田」、気体の炭化水素が濃集しているものを「ガス田」と呼びます。

 「日本の地質百選」に「新津石油」が選ばれたそうです。
新潟県では糸魚川-静岡構造線(フォッサマグナ)と佐渡金山が既に選ばれています。

 石油生産は登山をする地域にあるわけではありませんが、日本の山岳地帯には「こんなところに、なぜ?」とびっくりするような山の中に鉱山跡があります。資源を求めて明治・大正・昭和を支えた歴史を振り返るのも良いかと思います。

 北アルプス唐松岳から祖母谷温泉へ下る登山道の途中にある「大黒鉱山」は知っている人は多いと思います。信州側からみて唐松岳五竜岳の間にある大黒岳の向こう側にあることからつけられた名前のようです。
 今でも長いルートで決して楽な道ではありませんが、ここで銅鉱石を採掘、精錬して運び出していたのは明治の40年代で、越冬も行われたとのことです。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。