好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

ヘルメットも大事ですが...

長野県がヘルメット着用推奨山域を発表して2年目、
険しい山岳地帯でのヘルメット着用率は確実に高くなっているなあと感じます。

ですが一方で、遭難事故は減っていないのが現状です。

私は夏の間、長野県遭難防止対策協会の夏山常駐パトロール隊の隊員として活動しています。
仕事内容は、パトロールをしながら声掛けをし、遭難を未然に防ぐとともに、
遭難が起こった際には、警察や山小屋などと連携し、救助活動にを行います。

今年は天候が悪く、登山者自体の人数が少なかったので事故も少なかったですが、
それでも重大事故は発生していました。

その多くが天候が悪い中の稜線歩きでの滑落でした。
雨風に打ち付けられながらの登山は注意力が散漫になり、判断能力も鈍ります。
最悪の場合は真夏でも3000mの稜線では低体温症に陥ってしまいます。
こういう状況下では、計画を変更したり中止したりするのがセオリーと言えると思うのですが…
詳しくは山下ガイドの記事で…

穂高岳吊り尾根にて負傷者を吊り上げる長野県警ヘリ
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天候や日程、山の状態、自らの装備、体力、技術、経験を考慮し、柔軟に対応できる能力があれば
かなりの確率で事故を防ぐことが可能になると思います。

皆さまも是非しっかりとした登山計画を立て、且つそれに縛られ過ぎない柔軟な登山をお楽しみください。