好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

ヘッドランプ

 もうすぐやってくる秋分の日を過ぎると、夜が長くなります。登山では日が暮れるのが早くなるこれからの季節、登山計画は早出早着をより徹底するようにしましょう。


 夜になってしまうと、私たち人間は本当に行動が制約されてしまいます。そんな時に役に立つのが「明かり」です。登山では行動中、両手を自由にするためにヘッドランプが一般的です。
最近のLEDヘッドランプはフラットな照射とスポットが切り替えられ、それぞれの照度を段階的に切り替えられるようになっています。ただの省エネモードと思われがちですが、実は使い方を工夫することで、登山がより安全になるのです。

 太陽光は近い場所も遠い距離も同じ明るさになるのですが、ヘッドランプなど人工的な光の明るさは距離が2倍になれば明るさは4分の1になってしまいます。ですから、いくら高輝度になっているとはいえ、必要以上に明るく照らしても無駄になってしまいます。
 岩場で両手を自由にしておきたい場合やピッケルを使う場合、又はあまり整備されていない登山道の場合などで正しいルートを見つけるのには、ヘッドランプは頭に付けています。

 しかし、普通に歩くことができる登山道では、意外と手に持って照らすこともあります。歩くスピードに必要な視覚情報を手に入れることができればよい場合です。
手に持って、ライトの光が腰あたりから、ゆらゆらを登山道を照らすと影の出方が違うので、凸凹が強調され足の置き場所などがわかりやすくなります。


 極論ですが、登山道を歩くためだけならば、足元を照らすだけなら十分なのですが、少しあやふやで、どちらに進むべきか迷った時はどうしたら良いでしょうか。夏、藪が茂って道がわかりにくくなっていた時など、やみくもに最大出力で照らしてしまうのはあまり良い方法とは言えません。


 このようなときには1-2分間ほどライトを消して、自分の目を闇に馴らしてから、再び点灯すると見つけやすくなります。人間は夜行性動物ではありませんが、瞳孔を拡大させてからライトを一瞬照らしてみると道を見つけやすくなります。


 ですから、私はライトを頭に付けようが、手に持とうが、ライトの明るさは普段は暗めにして、なお且つ、視線はゆるりとリラックスした状態で歩きます。「おやっ?」と異変を感じた時だけ気を集中させ、照度を上げます。

 今回はヘッドランプに絡めてお話ししましたが、車の運転でも一点を凝視せずに、リラックスして視野を広く取らなければ安全運転はできません。


 登山中に行う安全に関する気配り、危険の察知など行うのに四六時中、集中できる訳がありません。一人の人間が持つ能力には限界があるのですから、山を大きく捉え「異常値」を見つけたら、集中することが大切となります。

 最後に、いくらLEDが省エネだとしても、買ってから、一度も電池を交換していない方は予備電池を持って行ってください。また、ザックの中でうっかりスイッチが入り、バッテリーを消費してしまうことの無いように注意しましょう。

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宜しくお願いします。