好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

ナイロン製とダイニーマ製、素材の特性を理解しよう。

店頭で入手できるクライミングで使う用具は全てUIAA基準に適合したもので、正しい使い方をすることで、クライミングの安全性が高まります。ナイロン(ポリアミド)製とダイニーマ(スペクトラ)製の素材特性を知って、自分なりの使うルールを決めてほしいと思います。

 表示 左から8mm、12mmダイニーマ ソウンスリング。7mmプルージックコード

この回ではクライミングシステムには触れませんが、スリングやカラビナなど個別の強度(破断強度)だけでなく、不確定要素の多いアウトドアにおいてシステム全体の安全性を高める知識が必要です。現在、入手可能なダイニーマスリングはすべて専用機械で縫われた「 ソウンスリング 」 です。テープ結び、ウォータベント、ダブルフィッシャーマンズノットなどでつなぐことはしてはいけません。

 表示 UIAA EN566 CE0123 22KN

どの素材、太さのスリングも22KNの強度がでるように製造されています。

どちらの素材であっても、大きな墜落、衝撃をかけた、表面が融解、酸・グリースなど化学品に触れ痕が残っている、結び目を作って大きな荷重をかけるなどしたものは使わないようにします。ダイナミックロープではない、伸びない(スタティック)なスリングでの衝撃荷重に関してはこちらを参考にしてください。デイジーチェーンの実験DMM

1:ダイニーマのスリングは細ければ細いほど、22KNの性能を出すためにダイニーマ(白い繊維)割合が高くなります。そのため更に滑りやすくなります。これは使いやすさ、コンパクトさではメリットですが、摩擦が小さいのでフリクションヒッチでは滑りやすく摩擦熱で溶融する危険性が高まります。つまり、プルージックやオートブロック、クレイムハイストの用途では「デメリットが大きくなります。だから積極的に使わない方がよいです。

2:ダイニーマスリングには結び目による強度劣化が大きいので、結び目を作らないようにします。つまり、繰り返し折り曲げによる劣化も大きいのです。120㎝のオープンスリングの中間に結び目は作らないようにします。結んで繋ぐこともしてはいけません。

下記にそれぞれの特徴を上げてみました。私の持っているスリングのほとんどはダイニーマ(スペクトラ)製です。その弱点を知って上手に付き合いたいと思います。

ナイロン(ポリアミド):価格が安い。自重の最大4%程度の吸水性があり、強度を低下させます。濡れた状態では最大25%程度の強度低下があり得ます。融解温度はナイロン約220度。

ダイニーマ(スペクトラ):高価である。吸水しないので、それによる強度低下は無い。融解温度は約140度とナイロンに比べて低い。比重が軽く、水に浮く。摩擦が小さく滑り易い。同重量であればナイロン(ポリアミド)の5倍程度の強度を持つので、スリングがコンパクトで軽量化できる。細いスリングはカラビナの強度を最大限に生かすスパイン(背)側に荷重をかけることができる。

加藤ガイドのHP を更新しました。山の写真、鉱物の写真、蔵書の写真を更新、花・キノコ・水滴など写真などを中心に掲載しています。

登山研修所友の会2014/5/3 更新しました。役立つ情報がたくさんあります。