好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

地形図と磁北線

登山では必ず持っていかなくてはいけない地図に関してお話しします。


多くの方が書店店頭で手に入る山岳地図で代表的なものは、「昭文社 山と高原地図シリーズ」だと思います。この地図には主な登山コースと所要時間、危険個所、見所などが記入されています。
縮尺は取り上げる地域によって、1/25000、1/30000、1/50000など色々ありますので、確認してください。これらの地図は年度毎に発行され、今は2010年度版が販売されています。
注意が必要なのは、所要時間は調査した人物により幾分異なること、自分の体力や登山スタイルによって修正する必要があります。これから登山をしようとしている山域の概念、つまり、ピーク・尾根や峠・谷そして山小屋・林道などの位置関係などが分かりやすい一方、等高線などで表現される細かな地形に関する情報は掴みにくいところもあります。

一方、地形図とは国土地理院が発行している2万5000分の1と5万分の1地形図のことをいいます。
現在は2万5000分の1地形図で日本全国が網羅されています。ですから、紹介した「昭文社 山と高原地図シリーズ」に載っていない山岳地域の情報が手に入るのです。
航空測量に基づいて等高線の描かれた地形図は地形に関しては、その細部までほぼ正確です。
しかし、登山道や林道などは航空写真に写らなかったり、新たに作られたり、 廃道になるものもあり、不正確な点もあります。

読図する意味とはなんでしょうか。
地図は道に迷ってから慌ててとりだして見るものではなく、登山計画の立案から行動中も特徴あるポイント毎に現在地と地図を照合するのを読図といいます。
継続的な現場と地図との照合作業を通じて、最悪の道迷いを防ぐことができると同時に、「わかった!」とか「予測した通り!」などポジティブ登山が実現するのです。
つまり、読図の目的は①:現在位置の把握 ②:コースの予測 することで、登山の安全・安心 そして、嬉しさ・楽しさを得ることができるのです。
春夏秋冬地元の山々を地形図片手に歩くことができる登山を目指す方が出てくると大変うれしいです。

地形図の約束事をここでいくつか紹介します。
2万5000分の1地形図上の1mmは25m、4mmで100m、4cmで 1kmとなります。
等高線の細い線を主曲線といい、2万5000分の1地形図では10m毎に引かれています。太い線を計曲線といい、50m毎に引かれています。
この太い計曲線の間隔50mの高度差が地形図上で1cm前後であれば、緩やかで快適に登ることができますが、5mm前後になると急な登りとなります。
地形図の上辺が「真北」つまり、北極点です。コンパスの磁針が指し示すのは「磁北」です。

地形図に磁北線を引きましょう。

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分度器やコンパス自体を利用して、磁北線を引くのは大変なので、30cm の定規を利用する簡単な引き方を紹介します。
地形図の右上角を起点に右辺を下方に20cm の位置に印をつけます。
地形図に記載された西偏○○度○○分から表の値を見つけます。その値分を上辺左方へ印をつけます。
この2点を結ぶ線を赤ペンで結んだものが磁北線です。一本引けたら、連続して平行に引いていきます。

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磁北が移動する? ナショナルジオグラフィックに出ていたのをかいつまんで紹介します。
 「地球の磁北が1年に約64キロというスピードでロシアへ向かって移動しているとする研究が発表された。
方位磁石の針が指し示す磁北の位置は地理上の北極に近いが、まったく同じではない。現在、磁北はカナダのエルズミア島の近くである。 
磁北は1831年に発見されてからしばらくは、ほとんど移動していなかった。しかし1904年に、年間約15キロの安定した速度で北東方向へ移動し始めた。
1989年にはさらにスピードが上がり、2007年には年間55~60キロの速さでシベリアに向かって移動中であることが確認された。
磁極が高速で移動すれば、方位磁石が指し示す磁北と地理上の北極との誤差を正確に調整するために磁場マップの更新頻度を上げる必要が生じることになる。」

国土地理院のホームページには日本国の磁気偏差を公開しています。凡そ10年くらいの間隔で地形図に記載されている西編も変わっているそうです。
私はまだ、同じ地域の古い地形図と最新版を比べたことはないのですが。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。