国立公園の中を歩く事が多い山歩きでは、石などを持って帰るのはご法度です。今回は1985年に行ったパキスタンカラコルムの8000m峰、ガッシャーブルムⅡ峰の岩質についてです。ヒマラヤの話は縁遠い話ですが、私たちの住む日本の山々も同様な地殻変動と浸食を同時に受けているのです。登山道上の足元に転がっている石ころや岩は人類の歴史を超える地球史の一面を見せてくれています。想像をたくましくしてみましょう。
表示 ピラミッドみたいなGⅡ峰 8035m
8000m峰が連なるグレートヒマラヤ山脈は次のようにできたと学者先生はおっしゃっています。ザックリというとユーラシア大陸にインド-オーストラリアプレートに属するインド亜大陸が5000万年前に衝突して生じた、これがヒマラヤ山脈です。
だいぶ山の高さに差がありますが、日本の山岳地帯でヒマラヤと同じようなプロセスで出来上がったのが丹沢山塊です。ザックリいうとユーラシア大陸プレートにフィリピン海プレートに乗った伊豆半島が衝突してゐるのです。
表示 GⅡ頂上はその先!
大陸の移動速度は年間5㎝~7㎝程度とも言われています。1万年で500~700m、1000万年で500㎞~700㎞にもなります。ユーラシア大陸とインド亜大陸との間にはテチス海があり、アンモナイトや様々な生物が生きていました。その生物痕跡である石灰岩やそれが熱変性された大理石などがヒマラヤの高峰で見つかるのです。
表示 GⅡ頂上の石
塩酸を掛けて泡が出れば、大理石ですが、まだ試していません。8000mの高みに押し上げられた石は元は海にあった!さて、どのくらいの時間をかけて高くなったのか、まだ高くなっているのか、興味は尽きませんね。
表示 フクジュソウ
石灰岩の藤原岳、フクジュソウが今盛りです。この石灰岩がどれほど昔に南洋でサンゴ礁が作り上げたものだと想像するのも面白いですね。
登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。