好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

気になる本の紹介  「一万年前」

地質好きなので縞々は結構気になる存在ですが、この本は「年縞(ねんこう)」について詳しく書いています。

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舞台は若狭湾がある福井県水月湖です。湖底に積み重なった堆積物の縞々は一年に一本づつ形成されていくのだそうです。巨大地震の痕跡だけでなく14万年前から現在までそこに記録される「植物花粉、火山灰など」が人間の感覚に近い年単位でわかり、気候変動もわかるのだそうです。私の好きな鉱物や岩石などの地質は百万年、千万年、億年単位なので、人類史とは時間軸が違いすぎるのです。

この中で著者は日本の自然環境の素晴らしさ、照葉樹林文化のこと、などを語っています。

氷河期や温暖化、寒冷に適応したツガ、トウヒと温暖に適したコナラ類、ブナ類、シイやカシ類の照葉樹などの勢力争い、ホモ・サピエンスは1万1500年前の現間氷期になぜ急速に文明を発展させることができたのか、など一気に読むことができました。

山に登り出会う植生は、現在の垂直分布と前回のコラムで書いた水平分布を示すだけではなく、タイムマシンのようなもので、環境変化の証人でもあるのですね。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、自然、花、地質、鉱物などを載せています。