好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

栂海新道から親不知とウェストン祭

白馬岳から朝日岳、白鳥山、尻高山を歩いて親不知に抜ける栂海新道は最近人気の出てきたコースだと思います。
このコースは長く、朝日岳から約27km には営業小屋はないのですが、軽い気持ちで朝日小屋を出発される登山者も多いようです。


地元の小野健氏が新道のメンテナンスと合わせて無償の行為で維持されている栂海山荘は多くの登山者にとって貴重な存在です。無断利用はできません。利用される場合は決められたルールを守っていただきたいと思います。

日本海に向って歩きつづけ、林道を横切る坂田峠を過ぎると海抜677mの尻高山です。この山周辺は白亜紀の手取層群とみられる堆積岩が多いらしく、化石があるかと思ったのですが、樹林に覆われた登山道、全くそれらしきものはありませんでした。
実はこの尻高山にある礫岩層に含まれる丸い礫は「オーソコーツァイト」と呼ばれ、先カンブリア紀およそ10億年前の大陸の破片と言われています。

先ほどの尻高山を過ぎ、なだらかな入道山を下ると間もなく国道8号線に出ます。現在の国道を渡り、更にホテル脇から海岸に向かうと「旧国道」があります。
時間に余裕があれば、日本海の水に手をつけるまでに、今は使われなくなったトンネルなど古くから北陸道最大の難所と言われた親不知の一端に触れることができます。断崖の下を海岸線に沿って歩いた時代から、北陸自動車道が貫かれた山腹までこの狭い一帯には多くの人々の苦労が凝縮されているのがわかると思います。

旧国道の脇に日本アルプスを世界に紹介したウォルター・ウェストン像が立っています。彼は1984年(明治27年)に「親不知は日本アルプスの起点である」と宣言したことから、地元では毎年5月下旬に「海のウェストン祭」を行っています。
上高地でも例年6月第一土曜日に徳本峠越えを行い、翌日曜にウェストンレリーフ前でウェストン祭を開いています。

親不知は糸魚川ー静岡構造線の日本海側の端に位置しています。そのため、日本で最初にジオパーク認定された場所でもあります。山の帰りにもう一日加えて、博物館巡りをすると大層充実する事と思います。

和菓子の好きな方へ。

朝日小屋でも売っていた「栂海新道」は青海駅前にある「長野屋」さんが作っているとても美味しい和菓子です。ぜひ、お土産にどうぞ。

 

残暑厳しい下界ですが、山々には秋が近づいています。山の計画をされる場合、今まで以上に慎重に計画したいものです。

 

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。