好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

新雪のラッセル

2013年も年末が近づいてきました。先日の16.17日に中央アルプス越百岳へ登ろうと出かけたのですが、新雪のラッセルに手間取り途中で戻ってしまいました。

 表示 右から越百岳、仙涯嶺、南駒ケ岳

今年のこの時期、この中央アルプスの南部にあたりは、斜面の向きにもよりますが、標高1700m程度では雪はくるぶし程度でしたが、それより上部では徐々に積雪が増し、2000mを超えると、ワカンを付けての登りとなりました。 

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今回はテントをはじめ装備が多く、バーグハウスのエクスペデションライト80に詰め込み、自分のボッカ力試しにもなりました。

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12月の冬山は降った雪が締まっておらず、全体の積雪量の割にはなかなか前進しません。雪は降った直後はたくさんの空気を含んでふわふわです。いわゆるパウダー状態ですが、この雪も時間の経過とともに圧密が進んで締まってきます。降った直後の雪斜面には雪崩など様々な危険要素が多くなります。

今回はラッセルについて感じたことを書いてみます。

八ヶ岳など多くの登山者が入山する有名なルートであれば、多くは他の登山者に踏み固められた雪道を歩く事になります。ところが、豪雪地帯の山、降雪直後やマイナーな山では事情は異なります。今年のように年内に南岸低気圧が通過する様だと、日本海側気候の影響を受けにくい山域でも降雪が多くなっていると思います。2000m級山岳では森林に覆われ、真っ白な雪山には見えませんが、たくさんの積雪があります。

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ラッセルは練習と体力が必要です!

靴底の底面積を拡大させ、沈みにくくしたものが「ワカン」や「スノースシュー」ですが、だからといってガシガシ足を動かしては雪はどんどん崩れてしまします。

特に急斜面で湿り気の少ない乾いた新雪深雪では、四足動物を真似して両手をつかい、ポール・ピッケルを横置きして体重を分散させます。ワカンを付けた足裏にできるだけ多くの雪を巻き込んで「ジワリと圧力」をかけます。荷重を一気に掛けては密度の低い雪は崩れ去ります。先頭が苦労してつけたステップをセカンド以降が無造作に崩し去ると少しがっくりきますね。

  「気象人」様より

12月の雪、3月の雪、北陸の雪、穂高の雪、風上の雪、吹き溜まりの雪、南面の雪、北面の雪などなど、登山中に出会う雪は様々です。今回の様な雪では80Lパックを背負ってラッセルするより、空身でラッセルし往復する方が良い場合もあります。ワカンやスノーシューなど持っていかなければ、即時撤退もありうるわけです。

この年末年始に山に出かける皆さん、体全体で雪山を感じてきてほしいと思います。

装備も大切ですが、寒さに対する防衛体力と行動体力を維持するための食糧計画は重要です。行動中には消化吸収がゆっくりの炭水化物と果糖やマルトデキストリンなどの糖質、ミネラルをこまめに一定時間ごとに摂取してください。アミノ酸も有効です。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。