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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

冬山が近づいて思い出したこと

登山をするなら ★加藤智二

「スポーツ登山」について金坂一郎氏がその著書「冬山技術セミナー」昭和43年12月1日発行 で次のように述べています。

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登山者は三つの責任を果たすことが必要であると。

第一に登山者自身に対する責任である。無理な計画を実行するとか、コンディションが良好でないのを承知で山に出かけていく。こういった遭難すれすれの登山はみずからに対して無責任であるとともに、仲間や、ひいては家庭や社会にまで迷惑をかける。リーダーとして無責任な態度をとる人、あるいは仲間に対する協力が足りない人も、その責任を果たしていないといえよう。

第二は相手、つまり山そのものや施設などに対する責任だ。山を汚したり、俗化させたり、山小屋その他の施設を傷つけることのないようにしたい。見識のない一部の業者によって山は俗悪化されている現状であるが、登山者までがその尻馬に乗っていたらおしまいである。登山者や自然愛好者のために、山は聖地として永く保存されたいものである。

第三はスポーツの精神そのものに対する責任だ。登山者の相手は山だけでしかない。しかも一回ごとに条件の変わる登山行為を、ほかの人の登山と比較することは容易ではない。だから登山において競争を考えるのはばかげていると思う。登山者はこの点をしっかりと頭に入れておかないと、目先だけの競争意識にかられやすい。また登山は人に見せるためのスポーツでもない。登山者と山とは一対一でぶつかるものだから、第三者がその間に口ばしを入れるのはおかしなことである。登山者は他人に迷惑をかけないかぎり、自分が信じる通りに行動すればよいのである。

登山の審判をするのは登山者自身である。失敗の原因を道具や天候のせいにするのは卑怯で、スポーツマンシップの喪失でもある。悪天候に負けず、道具を立派に使いこなすのは登山者の責任だからである。

さて私事ですが、ずいぶんと前に年末年始剣岳八つ峰一峰四稜に仲間四人で行った時のことを思い出しました。12日間の登山で晴れたのは初日と下山日だけの年でした。八つ峰一峰に到達するのに六日、悪天に心が折れて停滞、そして下山を開始、12日間の山行は終わりました。剣の頂上に到達できなかった悔しさより、無事にそろって帰れたことがうれしかった山行は自分の中での宝物です。

 表示 四稜上の細い稜線

 表示 スカイラインが四稜と一峰

冬山が近づいてきました。装備と準備を万全にお出かけください。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。