好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

樹の形から風を想像してみましょう

登山で気になることといえば天候です。どんなに装備が良くても体を鍛えていても天気に打ち勝つことはできません。私たちは山の機嫌が良い時に遊ばせてもらっているのです。

日本列島は中緯度に位置し、偏西風と呼ばれる西風が流れています。冬期、ヒマラヤ山脈の北に蛇行するジェットストリームと南に蛇行するジェットストリームが合流する為、3000m級の稜線には世界でも有数の強風が吹き荒れているのです。

特に日本海側に近い剣立山連峰は深い雪に覆われます。数メートルから吹き溜まるところでは10mを超える厚い積雪ですが、この厚い積雪にはたくさんの空気を含むので、植物にとってはいわば「ふとん」のようなものなのです。極寒の強風に晒されてしまうと植物はまるで凍結乾燥されたように枯れてしまいます。

 表示 初冬の立山三山

 表示 4月中旬の立山雷鳥坂御前方面

極寒の強風に晒され、雪も吹き払われてしまう地形は荒涼とした稜線になります。このような地形では背の高い樹木は育つことが出来ず、高山植物などがわずかに育つか、ザレた砂礫が多くなります。

 表示 夏の白馬稜線。

左側は信州長野側で雪が吹き溜まり、右手側は越中富山県側で北西の季節風で吹き払われています。

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今度山を歩くときに樹木の大きさや形に注目してみてください。長年耐えた姿を是非見てください。私たちが訪れることがないきびしい天気に耐える姿を想像してみてはいかがでしょうか。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。