好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

イチイは美味しい果肉と毒のある種を持つ 毒をもつ植物 VOL.01

イチイはイチイ科の常緑針葉樹で大きいものは高さ25mにも達する高木ですが、良く生垣に植栽されることも多いので小さいころ、あのルビーのような果肉を口にしていました。

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イチイの実 9/10 南アルプス椹島にて 拡大表示

イチイの別名をアララギアイヌ語ではオンコといい、北海道から九州まで分布します。3月から4月に開花し,果実は10月頃に熟します。木目がまっすぐ通り緻密で光沢があり、芯材は赤く彫刻材や床柱などに用いられます。
いにしえの高官が持つ笏(しゃく)はこのイチイから作られたといわれ、位を表す一位の名が付いたと言われています。小さいころはなんで聖徳太子など位の高い人々が「しゃもじ」を持っているのかと誤解していました。イチイは世界各地で弓の材料として用いられていたようで,学名のTaxusはギリシャ語の弓(taxos)に由来しますし,アイヌもイチイを弓に使っています。

ダイセンキャラボクはイチイの変種で日本海側の高山に分布しています。伯耆大山の六合目を過ぎる辺りから見ることが出来ます。常緑の低木で高さは50cmから2mと低く、幹は直立せずに根元から多くの枝が分かれて横に大きく広がるのが特徴です。葉は針葉で先がとがっており、一年中緑色で枝の周囲から出ているのが特徴です。雌雄異株で花は5月に咲き、雌木は秋になると赤い丸い実をつけます。
 

果実は甘く、そのまま食用にしたり、焼酎漬けにして果実酒が作られますが、種子には有毒アルカロイドのタキシン (taxine) が含まれています。
種子を誤って飲み込むと中毒を起こし、量によってはけいれんを起こし、呼吸困難で死亡することがあります。この毒は果肉を除く葉や植物全体に含まれます。タキシン (taxine) はテルペンアルカロイドの混合物で、心臓毒の一種と言われ、症状としては末梢神経性循環障害食欲廃絶、筋力低下、四肢の振戦、呼吸困難、心臓麻痺、心拍数減少、血圧低下、体温低下、痙攣、硬直など様々で、 症状が急速に進むため、死ぬ寸前まで気付かないこともあるそうです。

小鳥なども果肉だけを食べ、種は吐き出しているようです。私も小さい頃、そんな注意はされなかったけど小鳥並みの知恵で、種までは食べなかったわけですね。

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秋の野山にはあの「トリカブト」が毒草としては有名です。
 

毒にもなれば薬にもなる様々な成分を生み出す能力があるのが植物なのですね。

自然毒に関しての厚生労働省のページはこちら。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。