好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

コンパスについて

私は普段、オイルが封入され、磁針の動きがスムースな「シルバコンパス No.3R」を使っています。
安いコンパスが磁北を示さないわけではありません。

今から購入を考えているのであれば、軸受けの性能が良く、良質なオイルで密封された磁針は滑らかに動き、磁針が素早く安定するモデルを選びましょう。

道迷いを防止するには地形図とコンパスを使いこなす必要があります。今回はコンパスについてお話しします。

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滅多にあるわけではありませんが、「北を指す針が逆転した!」という磁極逆転現象が起こることをご存知ですか。
赤い針は通常磁極線に平行に北を示すのですが、まれに180℃反転してしまうことがあります。
原因は私たちの周囲に磁気を帯びている器具が非常に多くなってきたからです。GPS、携帯ラジオ、携帯電話、デジタルカメラなどの機器はもちろんですが、強い磁気を帯びているもの接触させることは「磁針の逆転」の原因になります。

「逆転する原因は」
磁針が逆転しまうのは、磁針の近くで強い磁性体を素早く動いてしまうなど、所有者がする無意識な動作に因ることが多いのです。

「直し方」
メモ止めとして冷蔵庫やホワイトボードなどに使われている「マグネット(フェライト磁石)」を用意してください。
1.コンパスのカプセルを回してその“N”を“度数線”に合わせます。
2.コンパスを体の正面に水平に構え、磁針の「赤い」部分が“N”に合うようにご自身の体の向きを変えます。この場合磁極逆転したコンパスでは、体は「南」を向きます。
3.次にこのコンパスの前方30cm位から、マグネットをコンパスに近づけダイヤルの“N”に当てます。すると、磁針は「クルリ」と反転し「白い部分-S極」が磁石に張り付きます。「白い」部分が張り付かない場合は、マグネットを持ち替えてやり直してください。
4.そのまま素早く磁石を磁針の「赤い」方へ滑らせます。これで、このコンパスの「赤い」部分は元通り、また“磁北(手前)”を指しているはずです。

「注意」
1.上記の「3」から「4」をゆっくり行うと、磁針の磁性が弱まるおそれがあります。
“当てる ⇒ クルリと反転を確認 ⇒ 磁石を滑らせる”動作を素早く行ってください。
2.修正した直後は、磁針の動きが鈍くなったような感じがすることがありますがしばらくの間、コンパスの向きを何度か変えてみると、やがて落ち着きます。

「補足」
コンパスの上に磁気を帯びたものが置かれていても「磁針の逆転」は発生しません。発生するのはコンパスが磁性体と接触するとき、または離されるときの「速度と方向」にあります。
マグネットを真上に持ち上げても逆転は生じません。しかし、そのマグネットを磁針の「白い」方にずらして持ち上げたりすれば、たちまち磁針は「逆転」してしまいます。これは、磁針のなかで「北」を向いて並んでいた分子配列が一瞬で「南」を向いてしまうためです。

カプセルに気泡が入ってしまうことは意外に良くあります。この原因は低温状態でオイルが収縮や、高所で気圧が下がって発生したかもしれません。落として、ケースに微細な隙間や亀裂が生じた場合、気泡がだんだん大きくなるかもしれません。
磁針は北を指すのですが、気泡が邪魔をして安定しないので使いづらいものです。新しい物を買いましょう。

針が斜めに傾く場合があります。コンパスの磁針に影響を及ぼす自然力には“水平偏差”と“垂直偏差”の2つがあります。
水平偏差とは磁針が指す磁北と、地図上の北(真北)とのズレです。私たちは通常「西偏○○°○○′」といっているものです。この値は各地の地図に表示されており、コンパスを使って地図にあらかじめ偏差を修正した磁北線をひいておくと、コンパスを使う上で便利です。
私は磁北線をこのようにして引いています。30cm 定規と赤いボールペンを用意してください。三角関数と聞くとそれだけでジンマシンが出るかもしれませんが、計算機は一つも使いませんので安心してください。

偏角磁北線を直線定規30cmで引く!ご確認ください。ページ最後です。

垂直偏差については、日本の販売店で購入して、日本で使用している分には関係ない話題です。

垂直偏差はコンパス使用者が自分で調整することはできません。コンパスの生産時に磁針のバランスが調整されます。
シルバ社は世界を7つのゾーンに分けて調整しています。日本は全ヨーロッパ、カナダ、北米を含むゾーンの南端に位置します。
このために磁針の北端(赤い方)がわずかに上方に浮き上がっています。これはコンパスが大きくなるほど目立って見えます。実際の使用上には全く影響はなく、正確な計測ができます。

 

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