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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

みんなが登る山だから

ぐずついた2013年夏、お盆を前にやっと夏山シーズン到来!という感じです。
日本の素晴らしい自然を夏休みに体験できる季節です。

こんな時期、私たちを迎えてくれる山小屋の皆さんから、たくさんのアドバイスをいただきますので、そのいくつかをご紹介します。ちょっと硬い話で恐縮です。山のマナーを皆で守ると安全で気持ち良い山歩きが共有できるということです。

 

山の中では自分のことは自分で始末するのが基本で、不測の事態に備え、余裕のある行動計画を立てるのが大切です。山小屋や遭対協パトロールの皆さんも私たちガイドも、登山用品専門店も、たとえどんな準備不足(体力、装備、チームワークなど)の登山者であっても、一人の遭難者も出てほしくないのです。

本来マナーとは社会常識とか慣習的なルールのことで、家庭教育や学校教育の中で養われ身に付くものですが、意識して行うことでより洗練されていくものだと思います。

:山の行き帰りで登山者以外の方がいるところなら、一例をあげると、「車内・店内など公共の場所では飲食は控える、大声で話さない、携帯電話の通話を控える、広がって場所を占領しない、タバコは決められた場所で。」等となるでしょうか。登山を愛好する私たちはどういうことに気を付けると良いでしょか。

思いつくところでは公共交通機関ではリュックサック(バックパック)は背中から下ろし、床に荷物を置き、両足に挟むか、あるいは網棚に上げてしまいます。街中や乗り物ではピッケルやトレッキングポール等、尖ったものには保護カバーを付け、リュックサック(バックパック)に付けずに手に持って移動します。登山靴の泥は車内に持ち込まないとかでしょうか。

:山に入ったら、早出早着といいますが、山小屋には午後3時どんなに遅くても4時には着きたいものです。山小屋に着いたらそこのルールを確認します。標高が高い山小屋では飲酒はほどほどにしましょう。酔いもまわり声も大きくなり勝ちになります。飲み屋の喧噪は皆さん経験済みですね。山小屋には明日夜明け前に出て登る人も、下山する人もいます。消灯時間が宴会終了時間ではないのです。静かな山の中、ガサガサ、ぼそぼそとした音や声は耳に触るものなのです。

明日の準備は夕食後早めに済ませて、心静かにゆっくり山の夜、星を見、風を感じて過ごしてみませんか。

 

:自分が持ち込んだ物だけでなく、山小屋で買った昼食などの包装なども自分でサクっと持ち帰りたいものです。 紙類・ビニール・缶やペットボトルなどの人工物は確実に持ち帰って、山を一緒にきれいにしてしまいましょう。

: 山や自然の中で安全に楽しむためのマナーにはどういうものがあるでしょうか。地形や気象など自然環境が引き起こす危険、登山道など人の手で維持管理されているものが自然の中、傷み破損している場合など、様々な危険やトラブル発生のポイントを知ることが大切です。もう一つは自分自身や仲間の体調管理です。山や自然に入る前に、体力を養い、日常生活で健康管理ができているでしょうか。

   

  体力が要求されるロングルート「白馬岳から朝日岳そして日本海へ」

 登山や自然探訪では自分のペースで歩くことも、自分の興味や趣味を楽しみながら歩くことが可能です。しかし、自分の体力を過信して或いは周りに引きずられて実力以上のルートを行くのもマナー違反、イエローカードです。いざというときに対応して、自分の力で無事に帰れるよう、山や自然における危険を知り、己の体力技術を知って、事故や遭難を起こさないプランを立て、登山届を出すのもマナーです。リュックサック(バックパック)に入れた装備の知識、使い方や使うタイミングなど知らずに山に行くこともマナーに欠けるといえます。

:自然保護に関しては、「大自然に持ち込んだものは、足跡以外はすべて持ち帰る」が大原則です。可憐な高山植物も踏み荒らさず、カメラにおさめるだけです。最近では地域で特別なルールを設けている場合がありますので、入山前に確認すると良いでしょう。
 最近では、し尿処理は大きな問題となっています。アラスカなどではすべてを持ち出すという厳しいルールが徹底されています。日本の登山ルートでは、トイレが十分に整備されているとは言えず、時には自然の中で処理せざる負えない場合や登山者の増加に伴いし尿処理が追いついていない場合があります。登山者の増加に伴い「携帯トイレ」の必要性が高まってきています。


  自然保護のルールは時代と共に変化してきました。禁止されていないから行っても良いというレベルから、この素晴らしい自然環境を子や孫にも見せ、体験させてあげるためにむやみに植生に踏み込むなど目に余る行為は厳に慎みたいものです。まずは、自ら率先してスマートでカッコ良い登山者になることで、お互いに気持ちの良い登山をしましょう。

こういう話、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

私も身近な仲間にひと声を掛け、スマートでクールな登山者がいっぱいいる素敵な日本の山を増やしたいと思います。

公益社団法人 日本山岳ガイド協会では「講座 登山 基礎」を発刊しています。安全安心の登山を実践して楽しい夏を快適にお過ごしください。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。