好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

夏山と高山湖

多くの登山客で賑わう白馬岳2932mへの登山道で有名なのは何といっても大雪渓ルートですが、近年は栂池までロープウェーを利用して白馬大池経由を選ぶ人も増えてきたようです。
今回はこの「白馬大池」と高山湖について調べてみました。

北アルプスの湖沼」大塚 大 著には次のように書かれています。大雑把ですが箇条書きしてみます。

  • 森林限界より高度が高い。
  • 高地にあるため、集水面積が小さいので、流入する流れがないことが多い。流出する流れは高水位時以外にはほとんど見られない。
  • 水位や水温の壱日の変化が大きい。
  • 火山の爆発や氷河地形に起源をもつ湖が圧倒的に多い。
  • 水質がきれいで、溶存物質が少ない。

白馬大池がある白馬岳周辺は豊富な残雪と高山植物が豊富で、三国境から北に足を延がし北アルプス最北・花の楽園・朝日岳まで歩けば、大変充実した山行きとなります。

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白馬大池の周囲は1094mで、風吹大池の1300mに次ぐ大きさです。深さは13.5mあり、これは立山室堂にあるミクリガ池14.5mに次ぐ深さです。
風吹大池の方が大きいのは個人的には意外でした。風吹大池は樹林に囲まれひっそりと佇んでいる一方、白馬大池は標高2379mで森林限界を超えた高山湖です。


この湖は、白馬乗鞍岳の火山噴出物によって堰き止められてできたものです。白馬乗鞍岳からの登山道は大きな岩だらけの道です。
ほとりに立つ白馬大池小屋のテント場から湖面を見た後、明日登る白馬方面への登山道の両側にはチングルマハクサンコザクラなどの高山植物が咲き誇っています。豊富な水量は、この地域が北アルプスの北部にあたるので、豊富な降雪があるからでしょう。
小蓮華山2769m新潟県の最高峰です。余談ですが、この山が新潟県?と感じてしまうのは地理力が低いせいでしょうか。実は大糸線に沿って、糸魚川に至るラインを県境だと勝手に思い込んでいました。
   周辺の地図

この小蓮華山は2007年に三角点ごと崩落してしまい、再測量が行われました。その結果2766mと3mも低くなってしまいました。
今なお、造山運動の最中なのだと実感できます。後立山連峰をさらに南下して、杓子岳、白馬鑓ヶ岳、天狗岳、不帰、唐松岳までの縦走路は黒部川をはさんだ剣岳を望むパノラマが素晴らしいのですが、足もとの岩石の変化も、日本列島のダイナミズムに触れる良い機会です。
山の隆起に関して、日本の山岳地帯の中では1年に5mm程度隆起している南アルプスが最大だといわれています。この100年ほどの観測から推測したとのことらしいですが、1000万年経ったら、5000mにもなってしまうスピードです。

この夏、稜線や高原にひっそり佇む「高山湖」を訪ねて見ても良いですが、一瞬で過ぎ去ってしまう紅葉が湖に映り込む短い秋も捨てがたい魅力があります。
 

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