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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

あの山岳ガイドは多趣味だった!

ガイド紹介 ★加藤智二

2011年新年に書いたのは「新年と墨」という話題でした。実は2012年の山はまだ始動していません。

というわけで、好日山荘所属の社団法人日本山岳ガイド協会認定山岳ガイドとして、好日山荘登山学校で登山に関する技術や知識をお伝えしながら、一緒に山に出かけている加藤の、ある一面を紹介させていただきます。

昨年に新しく始めたフェースブックの写真アルバムでも紹介しているのですが、地質を観察しながら登る山は面白いものです。夏になれば可憐な高山植物が咲き乱れ、低山でも名も知らぬ花が出迎え、たとえ雨が降ってもそこに楽しみを見いだせるのが登山だと思います。

世界各地で採れる鉱物結晶を収集して地球のダイナミズムに思いを馳せたり、偶然の産物である葉蝋石の色彩や模様を石の印材として鑑賞したりしています。決して若々しい志向ではないのですが、25年以上も継続しているということで許していただきたいと思います。

さて、新年といえば書初め。書道もしない私ですが、「書」に押されている落款について調べてみました。

まずは原料の石材です。その産地はほとんどが中国です。産出する地域によって、寿山石、青田石、昌化石などと名前がついています。まあ、名字みたいなものでしょうか。さらに、鶏血石、魚脳凍、桃花凍、月尾凍、牛蛋黄などとミドルネームからファーストネームまで細かく分類されるようです。まるで家系図のようで素人の私にはさっぱりです。石そのものが持つ様々な色彩や模様、質感も重要なポイントです。鉱物学的に言ってしまえばパイロフィライト、つまり、アルミニウムの含水ケイ酸塩鉱物となります。単斜晶系で色は白、淡黄、淡緑や褐緑色です。微小な板状結晶を有し真珠光沢があり、熱水鉱脈中に長石類の変質物として塊状に産出します。

篆刻とは印石に文字を刻したオリジナル「はんこ」のことです。長い歴史の中で決められたルールもあるようですが、自分の気の向くままでも良いそうです。サインの代わりですから。綺麗と思う印材は長年収集しているので、近々自分でも彫ってみようと思います。

落款(らっかん)とは、落成款識(らくせいかんし)の略語です。「款」は、凹字(陰文、白印)、つまり、字が白い物です。「識」は、凸字(陽文、朱印)、つまり、字が赤いものです。書画が完成した時、筆者が署名・捺印 作品に落款印を押すのは、自己の真実を尽くした責任の証明と作品を引き立たせる役割があるのですが、落款があるだけでなにかとても良いもののように感じてしまうのは私だけでしょうか。中途半端な知識だとやけどをしてしまいそうなので、骨董などに手を出さないのが賢明ですね。

私は、色々なものに押して遊んでいます。

古いものは1987年中国で作ったもので、鶏血石に掘った白文です。

印石材加藤智二05.jpg  印石材加藤智二00.jpg

最近作ったのが朱文で、智二の「二」が鶴の嘴をモチーフになっているのが気に入っています。作は中国著名な彩墨書画家沈強氏です。蔵書印や一文字印を作ってもらいました。

印石材加藤智二2012_02.jpg  印石材加藤智二2012_00.jpg  印石材加藤智二2012_01.jpg

もう一つは「智」の一文字を鶏血石に掘った白文です。

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 2012年が皆様にとって良い年になるよう、登山学校でたくさんの方に 「楽しく安全な登山」 をお伝えできるよう努力していきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。