好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

クリスマス寒波

昨日のクリスマスイブから日本列島は寒気に覆われています。12/27 頃までは関西の低い山々でも雪が降りそうですね。参考程度に上空1500m付近と5000m付近の寒気の様子です。

201112250900_寒気.png 吉田産業海洋気象部様のデータ借用しています。

クルマの外気温計を見ていたら、今日25日のお昼頃、海抜200mの気温が5.5度程度、阪神高速がはしる海近くで7.5度程度でした。200mで2度ほど違いました。気温計はものすごくアバウトなのでご勘弁を。

高度を100m上げると、0.6度~0.65度ほど気温が低下するといわれています。もう少し詳しく見てみると、空気中の水蒸気が飽和するまでは「乾燥断熱減率」といって、100mで1度も気温が低下するそうです。気温が低下する事で雲が発生するようになると、今度は水分自体にエネルギーが使われてしまうので、この場合「湿潤断熱減率」といって、100mで0.5度気温が低下するのだそうです。

今は寒い時期ですが、海抜0mで気温30度の時、3000mの山を吹き下るフェーン現象について考えてみます。(2010年8月既出)

1:海抜0mから1000mまでは、まだ、水蒸気が飽和していないので「乾燥断熱減率」を当てはめて、(1000 / 100) × -1= -10 なので、30‐10 = 20度 の気温となります。

2:海抜1000mから3000mでは雲が湧きあがるので、「湿潤断熱減率」を当てはめて、(2000 / 100) × -0.5 = -10 なので、20-10= 10度 海抜0mで30度だった気温は3000m稜線では10度まで下がるのです。全体の平均では20度 / (3000 / 100) = 0.67度 / 100m となります。

3:海抜3000mで水分を失って乾燥した冷たい10度の空気が、今度は海抜0mに向かって吹き下ったらどうなるでしょうか。乾燥しているので「乾燥断熱減率(増率)」を当てはめると、(3000 / 100) × 1 = 30 なので、10 + 30 = 40 度の熱波となるのです。

さて、なぜ今頃、この話題を持ち出したのかというと、夏、蒸し蒸しする頃、同じように車の外気温計を同じ地点で比べた時、気温の低下は1度~1.5度程度だった気がするからでした。

つまり、乾燥した冬は2 / (200 /100) = 1 度の変化、湿った夏は 1~1.5 / (200 / 100) = 0.5 ~0.75 度のようだからです。乾燥した冬の方が高台は寒いのかもしれませんね。そういえば、某エアコンメーカーの宣伝に湿った空気で暖かく感じて節電とかうたっていました。空気(窒素や酸素分子)よりも大きな水分子の方が沢山エネルギー持つのだから、当然かもしれません。

山では冷たく湿った状態は体から沢山の熱を奪い取ってしまうので、要注意です。乾いた空気を身にまとうレイヤードを心がけたいものです。

お正月の山、気を付けてお出かけください。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。