好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

私たちに最適な軽症の傷、私流の直し方

まず、理解しておきたいのは私たちは常に細菌と共に生きているということです。細胞の塊である私たちの体は常在菌と共存しているので、膿んだりして患部を悪化させたり、病気を起こしたりするのは 常在菌が病原菌に負けているということです。皮膚、腸管など外界に接触する部分には必ず常在菌が棲み着いています。通常の皮膚表面では皮脂や湿度を保って、常在菌という軍隊を養って病原菌侵入を防いでいるのです。

コマーシャルなどで感化され、菌と聞くと人によっては「殺菌剤」できれいにしなくてはと考える人も多いですが、今回、この常在菌と怪我について考えてみたいと思います。

今まで怪我をしたとき、家の中にある消毒剤を擦りむき傷に振りかけていました。キィーとした傷みも消毒剤がばい菌を殺しているからだと納得していました。最近読んだ書物にこのときに感じる傷みは自分の細胞が悲鳴をあげ、神経を刺激しているのだと書いてありました。もちろん、ばい菌も悲鳴を上げてはいたかもしれませんが。

私の実体験を紹介します。

包丁を研いでいたとき、自分の指先の皮を正視できない(小心者なので)感じで、そぎ落としてしまったことがありました。ピリピリし、血が止まらずどうしようかとあせっていました。ふと、流しを見ると自分の皮が浮いているのを見つけました。

そうだ、これを綺麗に水で洗って怪我の上に乗せたらどうだろうか、と考えたのです。傷口に拾った自分の皮膚でカバーしたところ、指先がジンジン・ピリピリしていたのが、ぴたっと止まったのです。その後、薬局で湿潤タイプの絆創膏を数日後とに交換し続けただけで、指先にケロイドも突っ張りも無く直ってしまいました。指先からは酸っぱい匂いがしていましたが、全く化膿することはありませんでした。

屋外で擦過傷など怪我をしたときに気をつけていることを順番に挙げてみたいと思います。
1:怪我は真水、ペットボトルのお茶などで洗浄する。(砂利、泥、葉っぱなど異物を取り除く)
2:血液や汚れを綺麗なタオルやガーゼ、ティッシュペーパーでふき取る。
3:白色ワセリン、食品ラップ、持っていれば市販のハイドロコロイド被覆材で覆う
4:絆創膏、包帯で巻く

ポイントは、異物を取り除く、傷口を乾燥させないことです。消毒薬はばい菌も殺すが、人間の正常な細胞膜も破壊してしまうので使いません。瘡蓋(かさぶた)ができるのは、細胞の死骸で傷が塞がっているだけで、治りも遅くケロイドとして残ってしまいます。今でも膝小僧に残る傷跡を見ると、痛痒い瘡蓋(かさぶた)をむしっていた自分を懐かしく思い出します。

ジュクジュクした状態を保つことは細胞培養液に覆われた状態を作ることと一緒なのです。というわけで、登山で圧迫止血で対応できる程度の擦り傷、切り傷に対応するためにも、私は水筒には真水を入れておくようにしています。そして、その傷を覆う市販のハイドロコロイド被覆材を持つようにしています。

一度、小さな怪我をしてしまった時に試してみてはいかがでしょうか。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。