好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

屋久杉

好日山荘登山学校の机上講座にお越しになったお客様に「来年、屋久島に縄文杉を見に行く行く」という方がいらっしゃいました。そこで木の年齢はどのように調べられたのか、気になったので調べてみました。

下は屋久島「縄文杉

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私たち日本人が「巨樹・巨木」に畏敬の念を感じるのはなぜなのでしょうか?古木には木霊が宿ると感じる「木霊信仰」もあるのでしょうか。

巨木と聞いて真っ先に思い浮かべるのが、神社の境内や参道の杉、銀杏や楠でしょうか。富山県立山、芦峅の雄山神社の杉も大層立派です。

下は富士 浅間神社の杉

富士浅間神社杉.JPG

桜の老樹の中には観光客が押しかけるものもあります。

登山道を歩いていて出会う巨木の中には、林業に携わる方の中で「この木だけは」と畏敬を込めて、或いは目印として大事にしているものもあります。立山には「立山杉」が有名です。高山多雪地帯に生育し、大変な長寿です。美女平からのバス車窓から見ることのできるものもあります。

白山チブリ尾根下部にある「大桂」

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屋久島の縄文杉には伐採のためにつけられた試し切りの痕が残されているそうです。近代における屋久杉の林業について調べてみるのも興味深いですね。

ところで古木の年代はどのようにしたら分かるのでしょうか。
切り株があるならば年輪を数えるわけですが、生きている木を測定するのは容易なことではありません。筒状のキリで木の内部コアを抜き取って測定する方法もありますが、木を傷つけるわけで簡単ではありません。巨木に洞ができて、偶然その木部が手に入ると放射性同位元素による測定が可能です。

それによると縄文杉の外側に近い部分で2700年前という値が出たそうです。中心部は分からないそうです。南九州は7200年前、喜界島で起きた大噴火による火砕流で生き物が絶滅し、その後に植生が復活するまでに長い時間がかかることから、樹齢を4000年~2700年と推定する研究者もいます。

日本での杉の南限が屋久島です。その南限に生育する屋久杉はどういうものなのでしょうか。屋久島は年間4000mmから10000mmもの多雨に恵まれている屋久島の特殊な自然環境と火山性の岩石である花崗岩が隆起してでき手いるため、土壌に栄養分が少なく成長が大変遅いのです。その為、年輪の幅が緻密になり材は硬くなり、腐食を防ぐため防衛的に普通の杉の約6倍ともいわれる樹脂がたまります。この樹脂には防腐・抗菌・防虫効果があるため、長い年月でも朽ちることが無いので長寿となるのです。

屋久杉は500年かけて直径40cm程度にしか成長できないのに、有名な日光の杉は360年で直径150cmにもなるそうです。体積では何と50倍もの差があるのです。

記憶にある屋久杉の強い香りを思い出してしまいました。人気の世界遺産スポットですが、是非、ゆっくり訪れてみたいものです。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。