好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

トレーニング山行をしてみませんか。

登山に限らず100%安全なスポーツはありません。安全登山に関しては7/23に書かせていただきました。
今回は「トラブル」を避けるために登山者自身が前もってできることを改めて考えてみました。
まず、装備の不備や不良がないか、出発前の確認が必要です。自分自身で装備リストを作り、パッキング時に再度見直すくらいが良いかもしれません。
レインウェアの穴あき、ヘッドランプの電池消耗などは登山装備を愛情を持って手入れしていくことで未然に防ぐことができます。
登山靴の経年劣化は靴の材質と保管環境で大きく変わります。山行後に汚れを落とし、中敷き(インソール)を抜いて乾燥させましょう。酷く汚れてしまったなら、しっかり洗剤で洗ってしまうこともできます。その時に靴底のブロックの摩耗、ひび割れ、縫い目の糸切れ、靴ひもの劣化があれば気がつくことでしょう。
今は夏ですから、ウェアのレイヤリングはとてもシンプルかもしれません。しかし、高い山へ登ったり、冷たい水に浸かる沢登りなどでは、肌をドライに保つレイヤリングはとても大切なことです。

さて、装備は万全。忘れ物はなし。ここで一歩進めて、使い方などを確かめてみましょう。
想像力を働かせて、もしもの為の想定訓練をしておくことが大切です。個人で登られている方には難しい部分もあるかと思いますが、いくつかの例を挙げてみました。

夜間山行と夜明け前山行
カモシカ山行と呼ぶ方もあるようです。まずはルートのはっきりした低山で実施してみると良いでしょう。ヘッドランプを点けて夜間歩くことがファーストステップです。
登山では日暮れに向かって行動することはできる限り避けなくてはいけません。しかし、そのような場面に遭遇した時に、パニックを起こしたあげく、道迷い・怪我などを起こさない為に、体験しておくことは有効です。
また、早立ちが登山の基本です。夜が明けぬ午前3時に歩きだすことは良くあります。明るくなりつつある状況は、同じヘッドランプを付けた状態ですが、暗いなっていく状況とは精神的には全く逆だと思います。
荷物は行動食、水、レインウェア、ビバーク装備ぐらいの軽装で良いでしょう。季節によってはウエアの性能を実感することでしょう。
 
ビバーク体験
これもまた、ルートのはっきりした低山で実施してみると良いでしょう。最初は気候の良い時期にツェルトを被って数時間頑張ってみて下さい。
挫折したら、したなりの何か理由があるはずです。
ツェルトは酷い暴風雨や雪に曝される中で使う装備ではありません。事前退避行動、設営場所やタイミングなど正しい知識を得るようにしてください。

ボッカ訓練
本来は体重程の重い荷物を担いで歩く訓練ですが、普段荷物を担ぐことがない方にとっては意識的に行う必要があるかもしれません。
夏の2泊3日小屋泊や1泊2日テント山行などなら40リットル程度のバックパックに10~15kg位になるでしょう。
自分の食糧や安全に関する装備品を自分で背負える体力を確認せずにぶっつけ本番ではあまりにも無責任だと思います。

いくつかのトレーニング・訓練の例を出してみましたが、高校生や大学生、社会人山岳会に所属する方は別ですが、厭々やらないでください。
トレーニングとは目的を定めて、なりたい自分を意識して行うことがとても大切です。
大きく取り返しのつかない失敗を起こす前に、たくさんの小さなミスを体験、そして修正・改善をするのが、自立した登山者の第一歩だと思います。