好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

登山で落雷被害に遭わないために

夏山も終盤、空が高く感じる季節になりました。油断大敵ということで雷に関しておさらいです。

山で出会いたくないものの代表が 「」 です。雷が発生するのは季節を問いません。積乱雲が発生するのであればいつでも落雷します。夏の暑い日ざしが原因の時もあれば、冷たい空気が上空に侵入して不安定になるときも起きます。、寒冷前線の通過によって上昇気流が起き、高高度でできた氷粒子の摩擦がおきれば電気が溜まって雷が発生します。雷は夏だけではありません、冬も落雷します!

積乱雲01.JPG

以前人から聞いた中で、代表的な間違いにこんなのがあります。誤解1:金属を外す。 誤解2:ゴム長靴、レインコートなど電気を通さないものは安全。などが代表的です。

最近の「落雷被害を避ける」に関するインフォメーションの代表的なものを挙げてみます。

1:落雷は海面や平野など平らなところ、山岳地帯、ビルのある都会などところを選ばず落ちる。

2:落雷地点では、より突き出て高いものに引き寄せられ落ちる。間違ってはいけないのは、人体が身に付ける金属に引き寄せられるのではなく、地上に突き出た「人体そのもの」に引き寄せられるのです。だから、ピッケル・傘・釣竿・テニスラケット・ゴルフクラブ・木刀・竹刀などを突き上げるのは材質に関わらず危険です。

3:大木・立ち木の元で避難・雨宿りをしないでください。幹や枝から3m以上はなれること。3mは目測ではどのくらいなのでしょうか。両手を左右に大きく広げた長さはほぼ身長くらいといわれるので、身長の2倍位でしょうか。一般的な乗用車の長さが4mくらいだと思います。

4:5m以上30mまでの大木、建物、送電線であれば、その高さを半径とする半球以内は「保護範囲」と呼ばれる安全なエリアです。そして、その物体(建物・大木、など)のどの部分からも4m程度はなれた位置で、姿勢を低くして避けること。30mの高さは15階程度のマンションでしょうか。大木でなかなかそんな高さは登山中に出会わないと思います。大きい木を45度で見上げる範囲の内側と覚えましょう。

5:丈夫な電気を通す物体で囲まれた空間に逃げ込むこと。オープンカーでない乗用車・バス・列車の中。鉄筋コンクリートの建物の中などで、その空間を「安全空間」と呼びます。過去に剱岳北方稜線上のテントの中での落雷死亡事故があります。掘立て小屋やキャンピングテントの中は危険です。

6:登山中に避雷針があるところを探すのは営業小屋くらいだと思います。雷が発生するのは入道雲です。発生原因は冒頭に書きました。落雷の前兆として、突風が吹いたり、雨やヒョウがバラバラ降るかも知れません。そんなときは稜線歩きは大変危険です。自分自身が突起物にならないように高度を下げましょう。剱岳の別山尾根は多くの方が登るメインコースですが、午後、雷に取り囲まれたとき大急ぎで平蔵谷を下ったことを今でも鮮明に覚えています。

7:グループ登山では多数の人間が集まってしまうことが多いのですが、避雷針に落ちる場合を除いて、落雷時には「側雷」と呼ばれる現象がおき、一度に多くの人に被害が発生します。「皆で渡れば恐くない」は通用しません。非情かも知れませんが、分散避難が必要です。大事なことは、ツアー責任者がこの状況になる前に退避行動をとらなければならないということです。「落雷事故裁判」で調べるとたくさんの記事が出てきます。落雷は天然現象だけれども、落雷被害は人災であるというのが、今日の流れなので、登山リーダーは責任重大です。

8:AMラジオからはガリッガリッという「電波雑音」を拾えます。ひとつの目安ではありますが、雷鳴が鳴り出すようだと10km以内に近づいています。避難可能な地点への移動時間はほとんどありません。専用のセンサーも販売されているようです。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。