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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

9月になると日がだんだん短くなります。

9月に入りました。今年は特に台風12号が大きな被害をもたらしました。毎年思うのですが、秋雨前線や台風の接近などで秋の爽やかなイメージほど、この9月は晴れわたる訳ではありませんね。

今回は登山学校の講義でもよく話題にする行動時間の余裕を持とうということに関連します。新たに募集する講義はこちら

秋の日は「つるべ落としと」は釣瓶が井戸にストンと落ちていくように、あっという間に日が沈むことの形容で使われます。夕方かな、と思う間もなく急速に薄暗くなることをいい、秋の日の入りの速さをとてもうまくに言い表しています。秋は日の出が遅いのは言うまでもありませんが、日の入りも早くなり、行動できる日中の時間が短く、西日が一気に沈み、あっという間に日没となります。

低山ハイキングと侮ってはいけません。低山は植林地であることが多く、日中でも薄暗く、仕事道も多いから用心してほしいものです。初心者を交えての紅葉狩りやハイキングで野山を歩くときは特に注意が必要です。ヘッドランプは常備しましょう。

さて、秋になるからと言って地球の自転はほぼ一定ですので、秋の季節だけが太陽の沈むスピードが速くなるとうことはありません。東京における日の入りの時刻は、9月1日に18時10分ですが、9月30日に17時28分と、月初めと月末では42分間も遅く、1日日に約1分半ほど日没時刻が遅くなっている計算です。

日没が早くなることは自明なのに、感覚的にあっという間に暗くなるというのはどういうことなのでしょうか。きっと、科学的な理由があるはずです。太陽は確かに沈んだのになんとなく明るい時間帯を薄明(はくめい)といいます。日没後の空を見上げると、あたりは暗いのに高い雲だけが光っていることが有ります。これは地球が丸いために、地上には太陽の光が届かない状態でも高いところには日の光が届いているために見られる現象です。

この薄明が継続する時間というのは季節によって変化するのです。皆さんも実際の経験でそれを知っていることと思いますが、夏至の頃は薄明の継続時間は長く、冬場は夏に比べると短めです。そして最も薄明の継続時間が短いのは春分秋分の頃なのです。つまり、秋は日が沈んでから暗くなるまでが早いのです。

薄明にも何種類かあり、天文薄明というのがあります。星座を形作る星の大部分が見える、が、空にはかすかな明るさが残ることをいいます。

8/1 兵庫県神戸の「日の入り」は19:03で、とっぷりと暗くなる「天文薄明」は20:39で、日没から1時間39分もあります。秋も深まった11/1になると「日の入り」は17:07で、とっぷりと暗くなる「天文薄明」は18:32で、日没からは1時間25分となります。8/1と11/1では薄明の時間が14分短いことも、「秋の日はつるべ落とし」と言われる理由です。日没時間そのものが2時間も早くなっているのを忘れてはいけません。

薄明.png

山歩きの前に日の出、日の入の時刻を調べることは良くあるのですが、天文学的な意味での日の出、日の入と私達が活動できる明るさを基準とした夜明け、日暮れとはずいぶん差があるものも覚えておくとよいでしょう。

釣瓶・釣る瓶(つるべ)とは、井戸において、水をくみ上げる際に利用される、滑車を利用した縄や釣瓶竿につり下げられた容器のことです。最近ではテレビや映画の中で見るくらいでしょうか。

加藤のフェースブック アルバム 「山と自然」 も暇つぶしにどうぞ。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。

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