好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

信州名産 寒天

今回は以前テレビ番組で大ブレークした「寒天」です。昨日の雨が季節の変わり目ですっかり秋めいてきました。そんなタイミングで「ところ天」かといわれそうですが。

山好きの方は信州の山からの帰り、「棒寒天・糸寒天」や寒天商品を見たことがあるかもしれません。山に登るだけでなく、その帰りにその土地風土、名産に触れられるのはのは楽しみの一つです。

寒天からできる食品でなじみがあるのは「ところ天」ですが、見た目が同じプルプルでもゼラチンとは違い、寒天は海草が原材料です。植物性なので、特に女性には嬉しいですね。

海で採れる海草が信州まで運ばれて、商品価値を高め、全国に販売される、なぜだかホッとして応援したくなりました。で、その生い立ちを調べてみました。

海草を煮て「ところ天」を作る技術は、平安時代遣唐使によって中国から伝えられたといわれています。そして、ところ天から寒天が生まれたのは、江戸時代の1650年前後と追われています。
美濃屋太郎左衛門によってはじめて作られたという記録が残っています。摂津(大阪府)の国の宮田半兵衛が美濃屋で手法を習い、1830年ころ改良製造法を完成させました。当時の産地は関西だったようです。当時の商品流通を考えると案外と高級品だったのではないでしょうか。

いつ信州に根付いたのでしょうか?
丹波の国で製造方法を習得した信州の諏訪郡玉川村の小林灸左衛門が天保年間(1830~43年)に、気候風土が寒暖の差が激しく、雪が少なく寒冷で乾燥するという寒天製造に適していた伊那八ヶ岳など南信州は、農閑期の副業としてとして近隣の村々にも広がっていきました。
今のような特産となるには、原材料の輸送が大量にできるようになった明治38年(1905年)の中央線開通を待たなければならなかったのです。国内需要も増えたことから世界最大の産地となっていきました。

寒天はテングサ科の海草を中心に、オゴノリなど、紅藻綱の海草をブレンドして作ります。信州がミネラルを豊富に含む上質の水が豊富なことも重要です。

寒天会社のパンフレットから抜粋
1. 海草の採取
春から秋にかけて採取された、テングサなどの寒天の原材料となる海草は、塩抜きなどをしてから天日で乾燥、貝殻など夾雑物を除き、充分吟味されたものだけが信州へ送られます。
2. 洗浄・アク抜き
信州に運ばれてきた海草は、地下水を使って洗浄されます。このことを「草をつく」といい、ドラムを「水車」と呼びます。昔、水車を利用して洗浄していたときの名残です。
洗浄された海草は2日間、天然水にさらしてアク抜きをします。
3. 煮込んで固める
海草はブレンドされ(「草割り」といいます)、八ヶ岳の水を使って、大きな釜で煮込みます。ブレンドの割合や煮込む時間、火の加減などは、工場ごとに秘伝のノウハウがあります。
煮込んで糊状になった海草の煮汁を布やフィルターを使って漉し、もろぶたという容器に移し、四角に固めます。煮汁は40度以下になると、ゼリー状に固まります。
4. 切る
できたゼリー状のものを包丁で羊羹状に切ります。天切り包丁という20枚ほどの刃がある包丁で、通常21本に切り分けます。これがところ天です。もしくは「生天」と呼びます。
5. 天日干し
できた生天は、天日で干すために屋外に出します。これを「天出し」といい、製造過程で、一番の重労働です。
次に外に出して並べた生天から水を抜きます。北に向けて凍らせ、南に向けて溶かします。この溶かし凍らせを繰り返して、2週間ほどかけて、じっくり水を抜いていきます。
生天は白くなっていきます。

先日、八ヶ岳の帰りに中央道を途中で降りて、伊那谷、中央構造線を見学した帰りに「糸寒天」を買いました。お吸い物や味噌汁に入れています。

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加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。

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