好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

有馬三山から有馬温泉へ

裏六甲の逢山峡から有馬三山を経て有馬温泉に入ってきました。以前もコラムで書いたのですが、復習でもう一度。

湯漕谷山 yubuneyama.jpg  

灰形山 haigatayama.jpg  

落葉山  ochibayama.jpg

有馬温泉は、日本書紀にも登場する日本最古の温泉のひとつです。温泉好きとしても有名な豊臣秀吉が、千利休をひきつれてたびたび茶会を催したことでも知られています。

日本には温泉地は約3000ケ所あるといわれ山に行った時の大きな楽しみです。

その温泉地の多くは地表に降った雨が地中に浸み込み、火山とかの熱源で熱せられて山の麓に湧き出でる循環水型(じゅんかんすい)の温泉といわれています。多くは無色透明で単純泉とか弱塩泉とか呼ばれている温泉です。有馬温泉は数多くの温泉の中でも特殊な種類になり、「有馬型温泉」と名付けられるほどです。
 
有馬温泉六甲山地の北を通って高槻市にぬける「有馬-高槻構造線」という活断層の真上にあります。温泉水自体は多くの温泉とは違い、遠い昔、海洋プレートが沈み込んだ頃に地下深くに留められた海水が元ではないかという説、地中深くで岩石が高温高圧で変成するときに絞り出された「変成水」でははないかという説があります。どちらでしょうか?あるいはその複合型かもしれませんね。

六甲山という花崗岩の塊を南西に向かう断層が、阪神淡路大震災を引き起こした野島断層です。一方北西に向かっている断層が、高槻-有馬構造線で、慶長伏見の大震災(1596年)の時に動いた断層です。この高槻-有馬構造線上の宝塚生瀬から有馬温泉に向かっている断層上に蓬莱峡があります。

さて、有馬温泉中心街にある天神泉源は200mほど下から130℃ぐらいの湯が自噴しています。写真にある丸い部分から湯気がシュウシュウ出ているようですが、本当の泉源はその奥にある板塀に囲まれた(櫓のあるところ)中にあるパイプから出ていると思われます。

写真:天神泉源 2011-08-19_17.03.36_全体01.jpg  

真ん中の煙突にも塩が結晶   2011-08-19_17.05.07_全体.jpg 

もちろん地表に湧出すると大気圧の関係で100℃以下になります。自噴している金泉のエネルギーは、地中で熱せられた炭酸ガスの圧力であることが知られているます。天神湯の食塩濃度は60g/L以上あり、海洋水の約35g/Lの二倍近い高濃度です。さらに、高温塩化物泉にはFeをはじめとするAl,Mn,Zn,Cr,Cuを高濃度に含む塩水は、きっと地下深くで様々な元素が結晶したり、濃縮する現象が起きているのでしょうね。

写真:塩の結晶、酸化鉄で赤くなったパイプ 2011-08-19_17.04.37.jpg
 

通称で「金泉」というのは、透明な源泉につけたタオルが、含有するFeの酸化で黄金色に変色することから名付けられました。金泉を使った浴槽の湯は、鉄質の沈殿物が多量に析出し、きれいな赤色になっています。有馬地区にはこの金泉以外に、炭酸の多い冷鉱泉(銀泉)や日本有数の高いラジウム・トリウム含有濃度の単純放射能泉があります。ちなみに「金泉」と「銀泉」は商標登録され勝手には使えないということです。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。