好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

登山引率者やリーダーが持つ装備は?

グループ登山の時、もしもの為に持っているべき救助装備には、最低限何が必要でしょうか。
私にはどのような山行であっても、必ずザックに入れて置く装備があります。それはクライミングや岩稜など常時ロープを使用する山行以外で持っていくものです。
ソウンスリング(60cm×2、120cm×2)、カラビナ(ロッキングHMS×1、ロッキング偏D×2、スタンダード×2)、プルージックコード(7mm150cmをダブルフィッシャーマンズノットでループにしたもの×2)ダイナミックロープ8mm×30m、エイト環、ハーネスを私はパッケージにしている。
その他に、ツェルト、コンロ、クッカー、ホイッスル、ナイフ、アマチュア無線機、ファーストエイドキットを持っていくようにしています。
ハーネスに関しては、落下率を大きく考慮したものではなく、おむつ型のダイアパータイプでもよいでしょう。登山道から転落した登山者の短い距離を引き上げることとザックとスリングを利用した搬送程度を想定しています。ヘリコプターによる救助を想定すれば、最低限要救助者にハーネスを装着しておくことは、ヘリコプターへの収容に大変便利なのです。

皆さんが良く言われることに、「危ないところには行かないから」「滅多に使わないから」「重たいから」などがあります。
屁理屈を言ってしまえば、困難と危険は違います。困難な場所が危険なのではなく、登山者であるあなたが危険なのです。本当に危なくないのなら、保険はいらないのです。細引きを一人5mづつ持ってきて、いざとなったら繋げて使います、という方もいらっしゃいます。この5mの細引き、アクセサリーコードとも言いますが、3mmや5mm程度を持ってくる方もいますし、8mmを持ってくる人もいるでしょう。4人分を繋げて20mにして、果たして素早く確実に使うことができるでしょうか。
正直に話してしまえば、この程度の認識である登山者がたくさん集まっても、救助もできませんし、危険個所をサポートすることもできません。

あえて、リーダー役と言ってしまいますが、最初にあげた装備一式が重たくて、行動に差し障る方にはリーダー役は務まらないと思います。ただ、力があれば良いと言っているのではありません。危急時にできることは限られてしまいます。
自分が所属するグループが危機的状況にならないようにマネジメントするのがとても大切なことなのです。ですから、使うことなく無事に家に帰ったことを喜ぶべきなのです。

もう一つ、救助に携わる場合、助け合いの精神は尊重しますが、できないことや知らないことを勢いでやってはいけません。
練習もしていないことが本番でできないことは冷静になれば自明のことです。不幸にして、他グループの遭難に遭遇したのならば、リーダーはまず、自分の仲間の安全に注力を傾け、それを確信した上で何ができるかを考えましょう。
ロープを使うことだけが協力ではありません。伝令も食べ物や飲み物の提供も大切な要素です。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。