好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

糸魚川ヒスイ

先日、奈良県御所市秋津遺跡で縄文時代晩期(2800~2500年前)に作られた翡翠の管玉が見つかったという報道がありました。
長さ約3.8cm、太さは最大で約2cmある最大級の大きさの翡翠のようです。最新のX線解析によれば、新潟県糸魚川周辺で産出したものと考えられるそうです。この形は円筒形で糸を通せるように穴が貫通しているもので首飾りや腕飾りにしたものと考えられます。

翡翠は私の大好きな鉱物です。もちろん宝石級のものに興味があるわけではありませんが。

関西から北アルプスに行く場合、私は富山・立山に愛着があるので北陸自動車道を良く利用します。富山を過ぎ、日本海沿いに走ると親不知を通ります。この辺りに来るたびに、北アルプスの最北端まで踏破するとここまで来るのだなぁと思っていました。

古のころから厳しい街道であった親不知、石灰岩の岩壁をもつ明星山、地質好きなら耳にしたことがあるフォッサマグナなど、この一帯は日本列島の歴史に欠かせない場所なのです。

翡翠のことを少しだけ紹介したいと思います。

翡翠の成分は珪素、ナトリウム、アルミニウム、酸素の4元素を主成分とし、鉄、チタン、カルシウム、マグネシウム、クロムなどが色を発色させる元素といわれています。硬さはダイヤモンドより遥かに低く、宝石としては最低クラスですが、タフネスさ、つまり堅さ、強靭さはトップクラスです。加工のしにくさと丈夫さは特別で、縄文時代の加工技術の高さにはビックリします。

下記写真の板状のものは糸魚川翡翠をスライスしたもので、黒翡翠に翠が綺麗です。右の玉は糸魚川産のラベンダー翡翠の加工途中です。手作業で削り続けていたのですが、3年ほど写真のようにザラザラのままです。左の小さい勾玉は研磨してペンダントトップにした完成品です。

ヒスイ01.JPG  

ペンダントトップの拡大です。

ヒスイ02.JPG

沖縄から北海道までの全国各地の遺跡で出土する翡翠加工品の多くは糸魚川市にある長者ヶ原遺跡付近で縄文時代に生産されたといわれています。クライマーの間では有名な明星山には石灰岩の岩壁があり、その裾を小滝川が流れます。その河床には翡翠の原石が散在していて特別天然記念物として保護されています。

日本海に面した海岸を気長に探せば、天然翡翠が見つかるかもしれません。

山登り帰り、時間があれば、フォッサマグナミュージアムに立ち寄ってみてください。アルプスや日本列島の生い立ち、綺麗な鉱物が展示されていて、一日中楽しめます。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。